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ジョニー・ライデンの帰還

じょにーらいでんのきかん

機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還とは、Arc Performanceによるガンダム漫画作品。連載は月刊ガンダムエース。
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其は獣である。
リキュアの地に住まいし者は、
テュポーンとエキドナが娘。
獅子の頭に山羊の軀、尾は毒蛇。
個は一にして、一なるも個である。
ゆえに其をキマイラと謂う。

其は獣である…。

概要

機動戦士ガンダムのメカニックデザイン企画「MSV」およびその派生企画MSV-Rを題材にした漫画。
宇宙世紀0090年を舞台に、ジオン軍のエースパイロットジョニー・ライデン及び彼が隊長を務めた特別編成大隊「キマイラ」の謎を追う。
ミステリー・政治色の強い作品であり、複数のキャラクターの思惑が複雑に絡み合う作風にありながらも、モビルスーツ同士の戦闘も多く、またマニアックなメカが多数登場する事から、高い人気を誇る。
加えて、メカニックデザイン企画のコミカライズである為、新規MSVが登場したらその機体の紹介をレポートという形で挿入する構成を採っている。
また、食事風景が多く、料理や食事が話の話題に組み込まれる事も多い。

なお、作者を同じとする「機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画」ならびに「機動戦士ガンダム 光芒のア・バオア・クー」とは設定を共有している。

あらすじ

第一次ネオ・ジオン抗争が終戦を迎えて間もない宇宙世紀0090年、地球連邦の外郭組織であるF.S.S.(Federation Survey Service)に所属するテストパイロットレッド・ウェイラインは、ルナツーで発見されたフルアーマーガンダム TypeBのデータの評価シミュレーションの最中、何者かによって接触を受け、データ上に存在しない筈の青いゲルググと交戦する。
この一件を不審に思ったレッドは、ゲルググが残した「ジョニー・ライデン」のキーワードを元に、同じチームのリミア・グリンウッドと共にジョニーに関する調査を開始する。

主な登場人物

F.S.S.

レッド・ウェイライン

主人公。連邦軍からの出向という形でF.S.S.に所属するテストパイロット。
宇宙世紀0056年生まれの34歳。出身は北米のオハイオ州。名前の綴りは「Red」ではなく「Led」。
ルナツーで発見されたフルアーマーガンダムType-Bのデータを用いたシミュレーション中に何者かからの接触を受け、その際に自身を「ジョニー・ライデン」と呼ばれた事から、ジョニー・ライデンについての調査を進めていく。
ガサツな性格の持ち主だが仲間思い。加えてパイロットとして各種知識に精通するなどインテリな部分も覗かせる。
一年戦争時には戦闘機乗りとして連邦軍に所属し、後にモビルスーツパイロットへ転向。ジム・インターセプトカスタムに搭乗したものの負傷し病院船で終戦を迎えたと語る。
連邦軍人故に「ジオン系の機体を歩かせるのが精一杯」と語っているが、反射的に陸戦高機動型ザクのFCSの設定を手動で変更し、彼と接触した元キマイラ隊員全員が彼がジョニー・ライデンである可能性を抱くなど、経歴を明らかとしている人間でありながら謎が多い。
特にFCSシステムを瞬時に書き換えられた理由がレッド自身も分からず、外見自体も「ギレンの野望」シリーズのジョニー・ライデンのものと似ている部分が多い。このように彼も何らかの形で「キマイラ隊」と「ジョニー・ライデン」に関係しているのは事実だが因果関係は不明

リミア・グリンウッド

レッドと同じF.S.S.調査チームの一員。チームの技術担当であり、実質的なリーダー。レッドと共にジョニー・ライデンについての調査を進める。
ジオン共和国出身で、一年戦争時のエースパイロット、ロイ・グリンウッドの娘。
ジオン共和国から人材交換プログラムで地球を訪れた交換留学生であり、本来は工科大学院に所属する院生。
機械オタクであり、F.S.S.に於いて予算を気にせずモビルスーツを解析・研究出来る事を喜んでいる一方で物事の裏側を究明する探究心も持ち合わせる。
MSの情報解析においても優秀であり、回収した謎の青いゲルググの残骸や映像記録から、青いゲルググが連邦系とジオン系のハイブリッド機である事と連邦軍が開発に関与している可能性がある事まで突き止めた。
データ取得・保存用にジオンマークが描かれた黒いハロを持ち歩いており、頭脳労働を担当する為か甘味と食事については並々ならぬこだわりを持つ。
体型は同年代の女性と比較すると小柄な部類に入る。

アシュレイ・ブラウン・ブランドン

F.S.S.調査チームの一員。担当はバックアップ。
大柄な躯体を持つ黒人男性。温厚な性格の持ち主で普段は目立つ事はないが、チームとって無くてはならない縁の下の力持ち。
愛称はボブ(リミアとの初対面時に第一印象で勝手に付けられたもの)。
元軍人な為、肥えた体の持ち主であるにもかかわらず身のこなしは素早いらしいく、その躯体に違わぬ体力を持ち合わせている。

ジル・ブロッケン・フーパー

F.S.S.会長。同組織のトップであると同時に一番の「やんちゃ者」。
一年戦争当時は連邦軍MS部隊の大隊長を勤めており、当時の部下であるレッドをF.S.S.に誘った張本人。
おおらかな性格の持ち主だが、自らを「情報屋」と称し軍内部の裏事情に精通する。特に表沙汰には出来ないような「裏ワザ」について詳しく、自身もそれを用いた物資横領に手を染めていた事を飄々と語る食えない人物である。
本人に関しても謎が多く、現在の名前は偽名、もしくは変名であり、本名は「ウェイライン」とされる。

地球連邦

オクスナー・クリフ

政界に於いて次期首相の有力候補目されている地球連邦政府首相補佐官。出身はオーストラリアのシドニー。
一年戦争時にレビル将軍の幕僚も務めた。当時の階級は大佐。一年戦争前は開戦論者として知られているが、戦後に故郷の惨状を見て「人の負の感情の無限性」を強く意識するようになる。
F.S.S.の前身組織「連邦軍兵器群調査委員会」の初代委員長でもあり、キマイラとジョニー・ライデンを巡る一連の事件に関する事情の全てを知る人物の一人。
子飼いであるジャコビアスを使いジョニー・ライデンと思しき人物を捜索するが、それが結果として後援者であるゴップとの腹の探り合いに発展する事になる。

ゴップ

地球連邦議会議長。
一年戦争に於いては軍政を担当し、前線に出る事はなかったが、閣僚と折衝を繰り返し必要な資金と物資を必要とされる場所へ送り届ける事に尽力した。
戦後に軍を退役して政界入りし、以降ティターンズエゥーゴ等に与せずに数々の政変を切り抜け、他の軍閥が崩壊の憂き目に遭う中で自らの派閥を保ち続けて議会に於ける最大派閥へと育て上げた。
自らが大衆に寄生する寄生虫である事を自覚し、宿主の危機に対して寄生する側が立ち上がる必要性を説いている。
オクスナーの後援者であり、彼の選挙の為に根回しを行う一方で、キマイラ隊の生き残りを監視し、キマイラの遺産「ミナレット」の処遇でオクスナーと秘密裏に対立する。
手駒であるイングリッド0を表向きに養子として引き取り連れ回しており、どこまで本気かはわからないが、彼女の将来について悩む一面も見られる。

ヴァースキ

地球連邦軍特殊空挺降下部隊「ナイトイェーガー」隊の中隊長。階級は大尉。後に部下のバレンスタイン、カワセらと共にゴップに引き抜かれ、彼の私兵としてヴァースキ隊を率いる事になる。
ゴップに対しては「欲望に忠実な人間は信頼出来る」として信頼関係を築く。
ジムⅢをベースとしたジム・ナイトシーカーに搭乗し、ギャプランや「海ヘビ」など旧ティターンズ系の装備に精通する。
その容姿や言動は元ティターンズ兵士ヤザン・ゲーブルを思わせ、本人はそのことを否定しつつも遠回しに肯定する素振りを見せる。

キマイラ隊

ジョニー・ライデン

旧ジオン公国軍「キマイラ」隊隊長。本作のキーパーソンにして最大の謎。
一年戦争後に行方不明となるが、戦後も元キマイラ隊メンバーからの信頼は篤く、終戦から10年経った後も彼を慕う者は多い。
戦後はその人物像が拡大解釈されたり別人のものが混ざるなどして複雑化しているが、外科手術などで如何に外見を変えても、その身に纏った気配は誤魔化し様がなく、キマイラ隊メンバーであれば彼か否かを判別出来るとされており、作中に於いて彼と思しき人物はレッドを含めて12人確認されている。
作中では度々ジョニー・ライデンに関わった人物の回想などで登場するが、どれもMS越しの音声通信や逆光などで外見が不明な物が多く、それ故に明確な顔立ちも不明。

イングリッド0

元キマイラ隊隊員。
表向きはゴップに引き取られた養子という事になっているが、実際には彼の子飼いであり、ゴップにいいように使われ、彼方此方引き回される事に対して不満を抱く事も少なくはない。
クローン技術によって生まれながらに強化処置を施された強化人間であり、一年戦争末期にキマイラに配属されたが、終戦直前に人工冬眠させられており、目覚めたのはごく最近の事。そのこともあって最新の情勢には疎く、自身の本名すら思い出せずにいる。
レッドと交戦した際に自らを「ジョニー・ライデン」と名乗った事から、レッドからは「ジョニ子」と呼ばれる。

ジャコビアス・ノード

元キマイラ隊隊員。民間軍事会社「テミス」の社長であり、オクスナー子飼いの「猟犬」。
キマイラ隊随一のスナイパーであり、ザク・フリッパーのセンサーユニットを転用したゲルググを駆る。
狙撃戦を得手としてはいるも、MS同士の白兵戦でも抜群の腕を持ち、ユーマが駆る高機動型ゲルググ改との殺陣も演じている。
社長という立場ではあるがパイロット気質が抜けておらずデスクワークを苦手とし、社長でありながら前線に赴く事も少なくはない。
また、オクスナーの忠実な部下という訳ではなく、あえて虚偽の報告をするなど彼もまた独自の方針で動く一面も見られる。
加えて、大損覚悟で「目的」を「仕事(表の業務)」として成立させるため、損益度外視の契約を取ってくるよう部下に無茶振りをする事もある。

ユーマ・ライトニング

元キマイラ隊隊員。ジョニー・ライデンとキマイラの遺産「ミナレット」を探す青年。
キマイラの中では最年少(人工冬眠前のイングリッド0と同い年)の強化人間であり、軍人としての冷徹な面と、若さ故の無邪気さを併せ持つ。
専用の青い高機動型ゲルググを駆り、ジョニーとも渡り合える程の高い操縦技術を有する。
戦後は連邦軍第202技術試験大隊隊長の軍籍(大尉)を手に入れ、連邦軍部隊を装いながら組織だった活動を行っている。
過去にジョニーへ刃を向けた反動から彼を盲信と見紛う程に慕っており、「ジョニーに自分の存在を気づいてもらう」為に自らのゲルググを使い続ける。その結果彼のゲルググは連邦の最新資材とジオンの技術が融合したハイブリット仕様となっている。

専門用語

F.S.S.

正式名称は「Federation Survey Service」。
一年戦争後に発足された「兵器群調査委員会」を母体とし、幾度かの規模の拡大縮小と組織改編の末に現在の形に落ち着いている。
半官・半民組織であり、所属役員の約10%は幽霊役員と呼ばれる軍部などからの天下り組であり、それら組織からは格好の天下り先として捉えられている節もあり、それ故に様々な便宜や組織的な保護が図られている。
また、彼らを受け入れる代わりに公には出来ない極秘資料など様々な資料や記録を保管する記録保管庫的な業務も請け負っており、そこに所蔵された極秘資料を全て公開した場合は連邦政府が転覆するとまで言われている。
情報開示が可能なレベルの資料に関しては、公的機関や民間への提供が行われる他、一般公開可能な資料に基づいたドキュメンタリー番組の制作や、番組の映像ソフト販売も行っている。

キマイラ隊

一年戦争時、旧ジオン公国に於いてキシリア・ザビ旗下の将校であったヒュー・マルキン・ケルビン大佐が提唱し、ザンジバル改級「キマイラ」を中心にオールドタイプによる対ニュータイプカウンター部隊として発足されたジオン公国突撃機動軍特別編成大隊。
当初は大隊定数に満たない人員であったが、最盛期には大隊定数を超える人員が集まった事もあり、「特別編成大隊」と称される。
所属するモビルスーツパイロットからメカニックを初めとしたサポート要員をはじめとした人員、モビルスーツや艦艇などの装備など最高のものが揃えられていた。
部隊は大きくわけてキマイラを中心とした艦隊、戦力の中核たるエースパイロットで構成されるモビルスーツ部隊、中核隊の予備ともされる艦隊直衛MS隊、そして技術部隊「ヒュドラ」の4つに区分される。
特にヒュドラの保有する技術に関しては、戦後10年を経て尚技術的なアドバンテージを失わない程であるとされている。

ミナレット

キマイラ隊の兵站を支えたヒュドラが誇る巨大プラント艦。
キマイラに属する各エースパイロットの個別要望によるカスタマイズも数日で実物が完成するといったような高度な技術力、生産力を有しており、一年戦争時にキマイラ隊によって秘匿され、戦後は無人で宇宙を周回しており、アクセスするにはザンジバル級戦艦サングレ・アスルに搭載された航路検索システムが必要となる。
内部は細かなアクセス制限が施されており、その全容を知る人間は極めて少ない。
戦後それを欲する者、破壊すべきと考える者などから狙われる、本作のキーパーソンの一つである。

テミス

ジャコビアス・ノード率いるキマイラ第一小隊が母体となった民間軍事会社。
幾度もの戦役を経て元ジオン、元連邦、元ティターンズなど様々な人員の寄り合い所帯となっているが、元軍人の集まりというだけありその練度は高い。
ジャコビアスの雇い主であるオクスナーから送られて来る旧公国軍系装備やティターンズからの払い下げ品といった装備もあって一個中隊規模の戦力を維持している。
主力機たるジム・クゥエルの他、ガウ攻撃空母なども保有する。

ザビ家の復讐装置

ミナレットの内部に隠されていると言うもの。
ミナレットは徹底的にアクセスが制限されており、多くのキマイラ隊員たちも知らない未知の区画も多数存在しており、この「ザビ家の復讐装置」もその一つである。
その正体は環境破壊用生物兵器アスタロスをスペースコロニー内部にばらまくシステムであった。地球よりも多様性の少ないコロニーにアスタロスが散布されれば間違いなくコロニーは居住不能に陥るのである。
システムの起動認証画面には以下の文句があった。
「宇宙移民の独立を、意思を、それを体現したザビ家を受け入れぬ世界など消滅するがよい。そして人類は宇宙世紀をもう一度やり直すのだ」
オクスナー・クリフはこれを使って棄民政策として宇宙進出から始まった宇宙世紀を終わらせ、もう一度希望を持った宇宙移民からやり直そうとしているのである。
名前に「ザビ家」があるがこの装置に「ザビ家の復讐装置」と名付けたのはヒュー・マルキン・ケルビン大佐である。

関連項目

機動戦士ガンダム
MSV MSV-R
ジョニー・ライデン
Ark_Performance

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