キャノンガンダム
きゃのんがんだむ
型式番号F70。
雑誌企画『F91-MSV』に登場。
サナリィのフォーミュラ計画によって開発された中距離支援用試作型モビルスーツ(MS)。
Gキャノンの前身に当たる機体で在り、F90のミッションパック装着形態の一つであるF90サポートタイプをベースに、量産を前提に再設計した機体と成っている。
またコックピットやスラスター等の一部構造は、並行して開発されていたF91が参考にされている。
本機はスペック上はF90に匹敵する高性能機であった。
しかしその実態は、構造が特注機なみに複雑かつ高額な高精度部品によって構成されており、大量生産はおよそ不可能と言える設計で有った。
また、動作も極めて不安定で在り、ソフトウェアにはブラックボックスが多く、サナリィの専門技術者でなければ修理もままならない等、前線での運用を無視した仕様で有った事が発覚した。
このため連邦軍はサナリィのキャノンガンダムを不採用とし、アナハイム・エレクトロニクスが本機をベースに、低コスト化と安定性の向上、既存の機体との部品の共用化など、量産に適した再設計を施した機体がGキャノンとして制式採用されている。
支援機として開発されているものの、ある程度の汎用性を有している事から攻撃型MSとみなされる事もある。
なお、名称には「ガンダム」と冠されているが、頭部センサーはバイザーに覆われておりV字型アンテナも持たない等、外観にガンダムタイプの特徴は少ない。
設定上はかなりの高性能機とされ、サナリィが設定的に「善玉」、アナハイムが「悪玉」とされている事から様々な願望込みの考察と共に必要以上に美化されているきらいが有るが(初出記事からしてアナハイムの「落ち度」を告発する様な体裁、数少ない立体物はヒロイックかつ過度なアレンジを施されたものばかり)、映像作品では登場せず、また模型誌の作例やゲーム等での公式メディア展開もほとんど見られない事から実態は実はわからない。
漫画『機動戦士ガンダムF90FF』にも登場。
ジョブ・ジョンが自ら搭乗してテスト運用を行い、その後はファステスト・フォーミュラに配備され、ハジメ・タスカーの搭乗機として運用される。
しかし、エゥーゴ残党「エグム」の一員であるサイファーが駆るMSA-0120との交戦の際に、メガブーストに翻弄された末にコクピットをビーム・サーベルで貫かれ撃破された。