志士十五というペンネームは、間違った九九だ。
人生は計算どおりにいかない。
そんな思いをこめてつけられた名前だそうだ。字だけを見たときは「交差点が多すぎて京都の地図を見ているようだ」と岸辺露伴は思った。
概要
『岸辺露伴は動かない』シリーズのスピンオフ小説『岸辺露伴は叫ばない』に収録された短編エピソード「くしゃがら」に登場したオリジナルキャラクター。
元々はスピンオフ小説に登場した人物であり、挿絵などのイメージイラストも存在しない。その為、ビジュアル的には森山未來氏が演じた十五しか画像は存在しない。
また、名前の由来は獅子文六あるいは直木三十五もしくは両方を組み合わせたものとされており、岸辺露伴(幸田露伴)や泉京香(泉鏡花)同様に文豪の名前から取られている。
なお、原作では上述の通り「間違った九九、人生は計算通りにいかない」(ドラマ版では「人生は思い通りにいかない」)と言う意味から取られたと説明されている。
人物
本名:西桂太郎(にしけいたろう)。
赤く染めた剃り込みの髪と耳に入れたピアスという風体が特徴。かなりおしゃべりかつ図々しい性格で、露伴からは一方的に話しかけられてペースを乱されるため苦手とされている一方、十五からは露伴のことを同業者として気に入っており積極的に絡んでくる。尊敬する偉人は坂本龍馬で、本人が長髪なのも憧れによるものらしい。
職業は岸辺露伴と同じく漫画家。週刊少年ジャンプで連載を持っている人気作家であり、得意なのは露伴曰く「勧善懲悪な少年漫画」。
人間的には露伴から嫌われているものの、漫画家としては露伴と近しいリアリズムを重視した価値観の持ち主であり、人間的にはともかく漫画家としては露伴から「嫌いではない」と評されている。
また、一度興味を持った物事に関しては徹底的に調べ尽くす好奇心と探求心の強さも併せ持っている。それが仇となり、「くしゃがら」と関わってしまったことで命の危機に陥ることになってしまう。
実写ドラマ版
2020年の年末にNHKで製作・放映された実写ドラマ版第2話にて登場した。
指や腕に特徴的な入れ墨を入れた、半袖の黒いコートに手首にミサンガの様なひもを巻いたファッションをした不良めいた風体の男として登場しており、家と仕事場を兼ねた事務所で生活していることなどが明かされた。
そしてこのドラマ版キャストである森山未來氏の怪演は、放映当時から『ジョジョの奇妙な冒険』に出てくるキャラクターを的確に表現していると非常に評価が高く、「原作で見たことないのに、見たことある」とTwitter上で評されたのみならず、ギャラクシー賞テレビ部門月間賞の選考理由として彼の身体能力を最大限生かした演技が挙げられるなど一躍話題になった。
2022年放送の第8話でも名前のみ登場。このエピソードで、泉京香が彼の担当編集も兼任していることが明らかとなった。
余談
実は、ドラマで志士十五を演じた森山未來氏はドラマの5年前の2015年に舞台版『死刑執行中脱獄進行中』にて主役を演じており、舞踏と言う形で既に片鱗を見せていた。ドラマ版の怪演はこの頃の舞台版で荒木飛呂彦作品に慣れていたこともあったかもしれない。
実写ドラマでは特に言及がないが、編集から渡された禁止用語リストの禁止理由について原作では「最近起こった高圧線と感電死にまつわる変死事件」が言及されておりこの人を想起させる描写になっている。