概要
岸辺露伴は動かないシリーズの小説「岸辺露伴は叫ばない 短編小説集」に掲載されたエピソードのタイトルで、同エピソードに出てくる単語。
作者は北國ばらっど氏。
2020年にNHKで制作された実写テレビドラマ版の「岸辺露伴は動かない」第2話に採用された。
ドラマ版キャストでは、岸辺露伴を高橋一生が、志士十五を森山未來が演じている。
ジョジョシリーズとしては、初の映像化された活字作品となった。
特に本エピソードの中心人物である志士十五の狂気に侵食されていく様子と、物語の核心部分となるシーンは絶妙な気色の悪さを醸しており、余韻の不気味さもあって某オカルトホラー番組に引けを取らないダークなエピソードとして形作られている。
あらすじ
カフェで漫画のネタを練っていた岸辺露伴の元に、同様に少年ジャンプで連載している漫画家である志士十五が話しかけてきた。
十五によると、一か月前に担当編集から漫画で使用してはならない「禁止用語リスト」を貰ったと言い、内容の殆どは十五も常識として知っているものばかりだったが、その中に一つだけ、「くしゃがら」と言う謎の言葉を発見したという。
どこかの地方の方言なのか、それとも何かとんでもない何かについての暗喩なのか、皆目見当のつかない言葉だったため、それについて調べ始めることにした十五は、露伴ならこの言葉について知っているのではないか?と彼に話しかけたのだが、勿論、露伴にも皆目見当がつかない。
やがて十五はくしゃがらと言う言葉に取り憑かれたように常軌を逸した行動を取るようになり、露伴はついにくしゃがらの秘密について知ることになる。
余談
なお「くしゃがら」は、実際には別の単語を置き換えた単語であるとされている。
実際の劇中の言葉にすり替えないでそのままその言葉を掲載しようとした場合、読者が十五と同じように取り憑かれる可能性があるのはもとより、禁止用語なので書くことすらできないだろう。ドラマ版のラストでもそれに関した注意事項が流れた。
十五が作中で「この××××野郎がぁー!」と露伴を罵倒するシーンがあり、原作では「とても書き記せない内容」との事で伏字になっていたが、ドラマ版では「このビチグソ野郎がぁー!」と包み隠さずに表現されている。
この事に関してTwitterでは「ビチグソはNHK的には放送禁止用語ではない」と話題になった。脚本の小林靖子氏によれば差別用語ではないからいけるみたいだとのことである。
この他、冒頭で露伴が読んでいる新聞に「派遣ハベスト」「吉良吉影容疑者」などといった4部からの小ネタも仕込まれている。
関連項目
好奇心は猫をも殺す(警告及び注意書きに用いられている。この後に描かれたエピソード密漁海岸では「好奇心は、漫画家を殺す。」というなぞらえたキャッチコピーが用いられている)
ズンドコベロンチョ…本作のくしゃがら同様に、主人公を振り回す単語。
ががばば…本作のくしゃがら同様に、検索してはいけない言葉