血栞塗
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ちしおりみどろ
スピンオフ小説『岸辺露伴は叫ばない』に収録された一編。
〈真っ赤〉なんですって。
文字も絵もなく、ただただ〈真っ赤〉……。
『ジョジョの奇妙な冒険』の外伝作品『岸辺露伴は動かない』のスピンオフ。宮本深礼による短編作品。「ウルトラジャンプ」2018年1月号に掲載されたのち、「岸辺露伴は叫ばない 短編小説集」に収録された。
岸辺露伴は、フグ毒についての「リアリティ」のため、『河豚食の誘い』という本を探しにS市の図書館に訪れていた。
ただ、『河豚食の誘い』は稀覯本(珍しい本)。貴重な本や高価な本は閉架書庫に保管されているため、司書に書庫から探し出して持ってくるよう依頼する。面倒くさいとぶつくさ文句を言いゴネる司書にうんざりする露伴だが、ふと、図書館にあまりにも人がいないことに気がつく。
聞けば、図書館には変な噂が流れており、みな気味悪くて図書館に近づかなくなってしまったのだという。見つけた者に不幸をもたらす〈真っ赤な栞〉の噂。不幸の手紙だとかの類のもののように指示が細かに書き込まれているわけでもなく、ひたすらに真っ赤。
好奇心をそそられた露伴は、司書が本を探す間にその〈真っ赤な栞〉を探すことにした。だが、何十万とある図書館の本を全て調べるのは無茶にも程があるだろう。そんな時、露伴の目に一冊の本が止まった。児童向けの棚にあるはずのない、今司書に書庫に取りに行かせているはずの『河豚食の誘い』がそこにあった。
奇妙に思った露伴は本を手に取り、慎重に捲っていく。そして……その『河豚食の誘い』の中のページには、〈真っ赤な栞〉がはさまれていた。
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