概要
週刊少年ジャンプ50周年記念の一環としてジャンプ2018年13号に掲載された「岸辺露伴は動かない」の短編エピソード。掲載当時はEp.10だったが、単行本掲載時にはなぜかEp.9となっている。
肉体改造に魅入られた一人の若者が徐々に狂っていく様が語られている。
この話は珍しく露伴が窮地に立たされる回であり、冒頭では彼と関わった事で漫画家として大事な手を負傷し、激しく後悔する露伴の姿が描かれ読者に衝撃を与えた。OVAでもこの話の最初に周囲に怯える露伴が描写され、いかにこの物語が彼にとって恐ろしいものであったかが強調されている。
ストーリー
原宿にたまたま遊びに来ていた若者・橋本陽馬はモデル・プロダクションのスカウトに声をかけられた。
そして、雑誌に写真が載って小さな役で映画にも出られるようになる。
スカウトされた時、そのプロダクションの担当者に――こう言われた。
「映画スターとプロのモデルはねただ立ってるだけでオーラを放つ存在なのよ。肉体を鍛え上げなきゃ駄目……!才能より美しい立ちポーズが優先よッ!」
爽快で晴れやかな気分───。
橋本陽馬の人生で一番───最良の日々が始まった。
それからしばらく後。岸辺露伴は偶然ジムで会った陽馬に、興味本位でトレッドミルの速度を徐々に限界まで速め、限界に達したと同時に停止ボタンをとって押した方が勝ちという勝負を挑む。
1度目は策略で露伴が勝利。この日は2回目の勝負であったが、これが露伴にとって最も後悔する勝負になるとは思いもしなかった…。
本作のオリジナルキャラクター
余談
- 筋肉
本作は、部を重ねるごとに控えめになった筋肉の描写が極めて多くなっている。荒木先生本人も敢えて初期のような筋肉重視のキャラを描いたとの事。
2021年末に放送されたNHKドラマ版「岸辺露伴は動かない」ではこの話の冒頭に不動産屋との交渉シーンが挿入されているが、その際に第4部「ダイヤモンドは砕けない」で発した「この岸辺露伴が金やちやほやされるためにマンガを描いてると思っていたのかァーッ!!」が発言されている。