D・N・A(岸辺露伴は動かない)
でぃーえぬえー
「はちにんこ」
『ジョジョの奇妙な冒険』第4部「ダイヤモンドは砕けない」のスピンオフという側面のある本作品では、一部の例外を除き基本的に岸辺露伴以外のジョジョの登場人物は登場しない。
本作は、その貴重な例外の一編であり、同時に第4部における登場キャラクターのその後や、本編中では語られなかったキャラクターの別の一面が垣間見える作品となっている。
2020年12月にNHKで「岸辺露伴は動かない」が実写ドラマ化された際、本エピソードが最終回のエピソード(3話目)に選ばれた。
ただ、他の2話とは異なり、物語の根幹となる「遺伝」という要素はしっかり残しつつも話が大幅に再構成されており、ほぼドラマオリジナルのエピソードとなっている。
本作は本編との関連が一切排除されているため、山岸由花子は登場せず、その代わりに「富豪村」のゲストキャラであった泉京香が引き続き出演する。
片平真依の娘:真央も設定が変更されており、精子バンクを利用せずに自然妊娠した結果生まれた存在として描かれている。
また、原作では逆さ言葉しか喋らない、足音を立てずに歩く、立っている足元がなぜか濡れている、睫毛が目の下側にしか生えず量も普通より多い、顎まであるもみあげ、触れると衣服を含めた全身が保護色と化してしまう尻尾が生えている等、やや怪物染みた描写になっていたが、ドラマでは逆さ言葉を喋ることと姿を保護色化させてしまう能力があること以外の設定はオミットされ、その代わりに瞳の色が左右で違う「オッドアイ」という外見的特徴が加えられている。
また、ある人物が真依の死別した夫の臓器提供により命を助けられていたという新たな設定が盛り込まれており、その人物と真依との関係が物語の大きな鍵として描かれている。
「ヘブンズ・ドアー」の演出として他のエピソードでは原典同様顔にページが現れてパラパラめくれる描写がなされていたが、第3話ではなんと人間を完全な本そのものに変えている。
- 本の見た目には、元の人物の特徴や性質がある程度反映されるような描写がされている。
- 片平真央は可愛らしいピンク色の装丁の絵本になった。母親の真依も娘と共通のデザインで色違いの絵本になった。
- 泉京香は本人の写真と「kyoka」の文字が表紙に印刷された雑誌になった(自己主張の強い女性らしく、元が誰だったのか一目瞭然)。
ちなみに高橋一生、中村倫也、瀧内公美は共に『凪のお暇』で共演しており、ニュースサイトのレビュー記事にも現況された。