『中秋の名月』
『望月家』の忙しい夜のお話
あらすじ
関ヶ原の戦いから家系図が記されている『望月家』。
家系図によると、奇妙なことに、彼等一族の命日は例外なく全員「中秋の名月」であった。ある者は蜂に刺されて、ある者は川に溺れた子供を助けようとして。だが、「中秋の名月」だからといって必ず死ぬわけではない。長生きした先祖、その者たちは皆、その日にお月見をしていた。
16代目当主の昇は、「中秋の名月」の日は家族全員の外出を禁止し、日が変わるまで必ずお月見をする事を決定した。庭にテーブルやスピーカー、テレビ、バーベキューコンロ、ラジコンのヘリコプターなどを各々準備し、望月家の奇妙なお月見が始まる。