私はお客様に料理を楽しんでいただいて そして快適になっていただくことが 最高の喜びで最大の幸せです
概要
【破壊力 - E / スピード - C / 射程距離 - B / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - C】
トニオ・トラサルディーのスタンド。見た目は顔と腕のあるプチトマトのような小さな姿をしている。不気味なデザインの上に沢山いるので、一見するととても怖い。
スタンドとしての能力は「パール・ジャムをあらかじめ料理に仕込んでおき、その料理を人に食べさせると、食べた人間が抱えている傷病や体調不良をたちどころに治す」代物。
治癒できる病状はパール・ジャムを混ぜた料理(=食材)が持つ栄養・薬効・成分によって大きく左右される。このため、トニオは料理を提供する前に客を見てから、振る舞う料理を決めるスタイルを取っている。
ただし、食材の薬効を引き上げているだけで味は純粋に料理人の腕次第なので、億泰(こう見えて結構なお坊ちゃん育ちなので、かなり舌は肥えている)が涙を流すほど感動しているその美味しさは、純粋にトニオさんが料理人として凄腕なだけである。
尚、パール・ジャムを混ぜずにそのまま口に放り込むとどうなるかは不明。
強いて欠点を挙げるなら、パール・ジャムの力で不調が治される際に見ていて心配になるような過激な治り方をする点。
例を挙げると……
- 眼精疲労解消の為、眼球が萎むほど涙が迸る
- 肩コリをとる為、肉が抉れて見えるほど一度に大量(ソフトボールぐらい)の垢がボロボロ出る
- 虫歯が弾けるように抜け飛んだ直後、超高速で新品の歯に生え変わる
- 下痢で荒れた内臓が治癒する際、腹部の破裂と共に臓器が体外へ露出する
等、瀉血治療にも程があるスプラッター具合なので、見ていてとても痛くて怖い。
第三者からすれば異様にしか見えない光景だが、仗助達が来店するまで別段騒ぎにもなってないあたり、もしかすると治療する様はスタンド使いにしか見えないのかもしれない。
ちなみに、健康な人には同じ料理を食べても治癒効果は現れない。ただのゥンまああ〜いっ料理で終わりである。
スタンドの効能ゆえにあらゆる病を治す力があるようにも見えるが、やはり限界はありパール・ジャムはあくまで食材の薬膳効果を何倍にもパワーアップさせて食べた人を治療しているので、裏返せばそれ以上の行為や効果は見込めず、実際の医療の壁と同じく薬効が通じない重病も存在する。
この場合、病気の治療に見合った特別な食材を用意しなければならない。地域の伝承として語り継がれているような神がかり的なものならば可能性がある。
『岸辺露伴は動かない』の第6話「密漁海岸」では、杜王町のみで採れる「ヒョウガラ列岩のクロアワビ」を手に入れたことで従来は治せなかった不治の病の治療に成功している。
トニオが善人なのもあって、基本的に無害なスタンドである。
余談
名前の由来は、アメリカのロック・バンド「パール・ジャム(Pearl Jam)」から。
TVアニメ版最終話では虹村億泰が肉の芽の影響で化物と化した父親の治療を試みるオリジナルシーンがあったが、結果は「健康な化物」になっただけだった。
よく考えたら、スタンドを他人に食べられているのだが、トニオ自身にダメージは無い。
そもそもがスタンドごと切り刻んだり茹でたり焼いたり調理しているのだが、この時点でトニオさんにダメージが無いのは、やはりそのような能力と考えるべきなのだろうか。無限量産タイプのスタンドとも考えられる。
他にはパール・ジャムのスタンド像はハイエロファントグリーンのエメラルドスプラッシュや、エンペラーの弾丸のようにエネルギーの顕現に過ぎない=スタンド像のないスタンドの可能性もあり得る。
本来歯の再生は不可能と言われるほどの、歯科医療を根底から覆すほどの効能の高さから、「もしスタンドが手に入るとしたら何が欲しいか」の回答に挙げるファンも多いが、前述されている通りどのような効果が発揮されるかは料理次第である。
トニオさんの料理の腕と食材に対する知識、不調を見抜ける技術があってこそのスタンドであり、素人が入手しても全く効果を発揮しないか、発揮しても劇的な効果は望めない可能性が高い。
この能力は「料理修行中に気づいたら発現していた」ものであり、杜王町のスタンドの矢によるものではない。研ぎ澄まされた「技術」から発展したその能力は、波紋法や鉄球に近いものがある。
なお、第5部スピンオフ『恥知らずのパープルヘイズ』では「弟が矢に射抜かれてスタンドが発現した際の余波」という設定がなされている。ただし、『恥知らず』は公式の続編というよりは隣の世界に似た立ち位置であるため注意されたし。
ドラマ版『岸辺露伴は動かない』では、スタンドの概念自体が存在しないためにパール・ジャムは登場せず、治癒の作用は、食材に含まれる猛毒を薬効成分が引き出されるようにトニオが調理・調整したものという設定となった。本人曰く、サソリの毒を誤って摂取してしまったことで一時危篤状態に陥り、そこから回復した際に「相手の手を調べることで体のどこが不調かを知ることができる」という特殊能力が発現し、それ以降料理の効能も強くなったとのことである(「料理修行中に発現していた」点は一応原作と共通していると言える)。
筒井康隆の小説「薬菜飯店」にも似た描写があり、一部では元ネタではないかと噂されている。が、あちらは色々と露骨にアレな描写があるのでそういうのが苦手な方は注意。まあ著者の名前で気付けという話ではあるが。
関連タグ
同部に登場した辻彩のスタンド。パール・ジャムと同じくほとんど無害で、人に有益な能力を持つ。