🥎概要
ソフトボールとは、野球から派生した球技で野球と基本形は同じだが、グラウンドサイズ、使用球、ボールの投げ方などルールがいくつか異なっている。野球に比べ、狭い土地でも行うことができ、ボールも大きく安全性が高いため、老若男女を問わずにまた、野球の出来ない国々でも楽しむことができる。2003年のジュニア女子より導入された20秒以内に投球動作開始しなければボールが1つ追加されるWBSC規程も勿論存在する(野球は2019年のパンアメリカン競技大会野球競技より導入された)。
国際競技連盟は元々国際野球連盟(IBF)とは別組織で国際ソフトボール連盟(ISF)として活動していたが、世界的な普及率の低さや性別による普及率の格差から2008年の北京オリンピックを最後に競技から外されてしまう。以後オリンピック復帰を目指していくつもの組織改革や運営力の強化が為される過程で世界野球ソフトボール連盟(WBSC)に統合され、現在に至る。WBSC発足後は両種目を1競技(男性は野球、女性はソフトボール)扱いにして復帰を目指している。
🥎野球との違い
以下に、野球との主な相違点を挙げる。
- 投手は打者に対して下手投げでボールを投げる。この際、手と手首が必ず体側線を通過していなくてはならない。腕を風車のように1回転させて投げるウィンドミル投法が有名。
- 投手板はあるがマウンドはなく、ピッチャーズサークル内も他のグラウンドと同じく平坦である。
- フィールドの形状は四分円が原則とされる。そのため、本塁から外野フェンスまでの距離はどこをとっても均一となる。また、芝は通常外野のみに敷かれ、内野部分は土のグラウンドが一般的である。
- 塁間は60フィート(18.29m)で、野球の三分の二の距離である。また外野フェンスまでの最低距離も女子220フィート(67.06m)、男子250フィート(76.26m)と短めになっている。
- 一塁ベースはダブルベース(白色ベースとオレンジ色のベースがくっついたものであり、両方とも同じ大きさ)を用いる。このダブルベースの置き方は、白色ベースが内側、オレンジ色のベースが外側で、一塁線をまたぐように置く。基本的に野手は白色、打者走者はオレンジ色のベースを使用する(ただし、走者は白色ベースを使用しなければならない)。打者が打撃後、一塁で最初のプレイが行われる場合、打者走者は一塁上のクロスプレーによる野手との接触を避けるため、ファウルラインの外側に設けられたオレンジ色のベースを踏む。一塁を通過して次の塁に進塁する場合などは白色ベースを使用してもよい。
- 投球は、ウインドミルやスリングショット、エイトフィギュアのいずれかの下手投げで行う。この際、肘と手首が体側を通過しなければならない。腕の回転は2回以上回転させるとイリーガルピッチとなる。
- 球種にも野球と異なる点があり、ライズボールという下から浮き上がる変化球がある。また、反対に落ちるボールはドロップボールと呼ばれる。基本的にソフトボールの投球にはストレートという球種はなく、ライズ系のファストボール、ドロップ系のファストボールといった具合に呼ばれている。
- 野球のボールデッド、インプレイに加えて、ディレードデッドボールという一種のアドバンテージルールがある。
- ピッチャーが打者への投球でボールをリリースする瞬間より前に離塁をするとその走者はアウトとなり、その時の投球以降のプレーはすべて無効となる。基本的に投手がピッチャーズサークル(投手板の中心を基準にして半径2.44mの円)内に球を持って入っている場合は走者は離塁できない。
- イニングは7回制で行う。7回の裏終了時点で決着がつかない場合、8回からは無死二塁の状態から始まるタイブレーカーを用いた延長戦を行う。その際二塁走者は前のイニングで最後に打撃を完了した選手が入る(この際、二塁走者に代走を起用しても差し支えない)。
- スターティングメンバーのみ、一度交代し試合から退いた後も、もう一回のみ再び同じ打順に復帰することができるリエントリー制度がある。そのため、試合の序盤から代走が起用される事も珍しくない。
日本の実力
女子ソフトボールはオリンピックでメダルが期待できる種目として注目され、シドニーオリンピック以降、開催された4大会で金2回、銀・銅がそれぞれ1回とメダルを逃したことはない。アジア大会においてはほぼ無敵状態で、2023年までに6回連続金メダルに輝いている。
日本女子ソフトボールと言えば切っても切り離せない存在がピッチャーの上野由岐子で、22歳でアテネオリンピック(2004年)の代表に選ばれてから約20年近く不動のエースとして君臨し続けている。
社会人ソフトボールでも日本は世界有数のリーグがあり、上野の同世代にして最大のライバルピッチャー、アメリカ代表のモニカ・アボットやキャサリン・オスターマンも日本のチームで活動していた経歴を持つ。
世界的な活動方針から女子よりあまり目立たないものの、男子ソフトボールもちゃんと活動しており、世界ランキングはこちらも上位をキープしている。
ちなみに野球ではまだ日本との差が目立つオーストラリアは男女共にソフトボールが盛んで、男子ソフトボールでは世界ランキング1位輝くこともある強豪国の一つ。
主な実業団チーム
男子
ホンダエンジニアリング、豊田自動織機、デンソー、トヨタ自動車、埼玉県庁クラブ、YKK、ジェイテクト、旭化成等。
女子
トヨタ自動車レッドテリアーズ、ビックカメラ高崎BEE QUEEN、太陽誘電ソルフィーユ、豊田自動織機シャイニングベガ、デンソーブライトペガサス、シオノギ製薬ポポンギャルズ、SGホールディングスグループギャラクシースターズ、日立サンディーバ、Honda Reverta、伊予銀行ヴェールズ、花王コスメプロダクツ小田原、YKK、ペヤング 等。
関連タグ
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