『「銃は剣よりも強し」 ンッン~名言だなこれは』
概要
能力値【破壊力/B スピード/B 射程距離/B 持続力/C 精密動作性/E 成長性/E】
タロット大アルカナ4番目のカード「皇帝」の暗示を持つスタンド。 本体はホル・ホース。
拳銃の像を持つ装備型スタンドで、ホル・ホースが構えれば即座に手の中に現れ、発射できる。弾丸もスタンドのため、その弾道を自在に操れる。リロードの必要もなく、本体の精神力が続く限り弾切れの心配もない。
射程は有視界内程度と銃にしてはあまり長くなく、標的が射程外だと弾丸の威力は下がるが、射程内での貫通力は高い。
本体の手から一瞬にして出現するため、早撃ちや至近距離からの暗殺で真価を発揮する。出現時の効果音は『メギャン』。
自動拳銃ともリボルバーともSF的光線銃ともつかぬ独自デザインの銃だが、発射毎に撃鉄を引き起こす動作が必要なシングルアクションリボルバーらしく、連射時は西部劇のガンマンのように左掌で撃鉄を操作していた。
障害物をかわしたり標的を外してもUターンして戻ってきて、再度相手を狙うような芸当も可能。
ただし射程距離から離れると威力がなくなってしまう事と、ホル・ホースの視界から外れると弾道操作の制御が効かなくなるという欠点がある。ボインゴと組んでの再戦の時は、この弱点のために自分の弾丸を食らってしまうという結末を迎えた。
またスタンド使い以外には見えないスタンド全般の特性ゆえに、一般人に銃口を突きつけて脅すという用途に使うことができないのも欠点だが、街中で構えてもすぐには一般人に騒がれるリスクが少ないという長所にもなり得る。
弾丸を発射するまでは一切の音を立てないので暗殺向きではあるが、装備型スタンドゆえ防御手段を一切持たない欠点があり、正面きっての戦闘には不向き。
射程距離が意外と短いため確実に仕留められる間合いまで近づかなければならないのに、手を捻られただけで無力化されてしまう。
ホル・ホース本人が自認しているように、「誰かと組んでこそ真価を発揮できる」タイプのスタンドである。
スピンオフ作品「クレイジー・Dの悪霊的失恋」では、エンヤ婆がタロットを引きスタンド名を決めていたという事になっており、これについてエンヤ婆は「『皇帝』の称号は自分の息子のJ・ガイルにこそふさわしかった」と不満気で、ホル・ホース自身も「『恋人』のカードの方が良かった」と漏らしている。
銃のスタンド
ジョジョで銃火器に関連したスタンドというと、他には第五部で登場する「セックス・ピストルズ」と第六部で登場する「マンハッタン・トランスファー」が挙げられる。マンハッタン・トランスファーは特に遠距離狙撃に特化した能力のため、エンペラーは同じ拳銃使い同士としてセックス・ピストルズと比較されることが多い。オールスターバトルのPVではグイード・ミスタと対決するシーンが挿入されている。
両名とも共通していることは銃弾の軌道をコントロールできる能力だということ。しかしそれ以外の要素は非常に多くの相違点とメリット、デメリットが存在している。
まずピストルズは正確に表現すると弾丸の軌道をコントロールする小人を6人出せる能力であり、スタンド能力の真価を発揮するには本物の銃と弾丸が必要である。そのため銃が破壊されたり弾切れを起こしたりすると戦闘力を失うという欠点がある。また連射数は銃の構造に依存するため、ミスタの愛銃の場合6発までしか連続して攻撃できず、弾を打ち切るとリロードが必要になる点も大きな欠点と言える。
その点エンペラーは銃も弾丸もひっくるめてスタンドのため、弾切れや故障といったトラブルとは無縁である。スタンドを消しさえすれば完全に手ぶらを装うこともでき、また弾も発射後に消せるため証拠が残らない事にも繋がる。
しかし銃も弾丸もスタンドであることから、ダメージのフィードバックも当然ある。
作中では直接描かれなかったが、ホルホースの発言からアヴドゥルとは相性が悪い能力だと思われる。もしも火で壁を作られてしまえば、弾を通せば大火傷は必至である。
一方でピストルズの最大の特徴として、小人たちが使い手の意思とは独立した人格を持つという点が挙げられる。これによりザ・グレイトフル・デッド戦では、気絶しているミスタをピストルズが独自に行動することで守り、本体の指示なくブチャラティに敵の情報を伝えにいくなど、「意思を持つスタンド」の利点をこれ以上なく発揮している。
また弾丸を打ち込んだ先が本体の目の届かない場所であった時、エンペラーはホル・ホースの視界の中でしか制御できないが、ピストルズは小人たちがそれぞれの目で視認する事で本体の死角にも弾丸をコントロールでき、またそこの情報収集の役割を担うこともできる。
精密動作性に関しては、ピストルズが「A」である事に対しエンペラーは「E」と、大きな隔たりが存在している。おそらく銃弾の命中精度に直結するステータスのためこれは無視できない値であり、実際話中でエンペラーの弾丸は結構外れている。しかし、ピストルズは小人の蹴りにより方向転換を行うため直線的な方向転換となるが、エンペラーの弾は弧を描きながら曲げる事ができるなど双方に特徴が存在する。
このようにそれぞれの能力は両方に長所が存在し、一概にどちらの方が強いとは言い難い。
と言うか互いの能力の性質上、張り合うのではなくエンペラーの弾丸にピストルズが取り付いてコントロールできれば、互いの短所を消し合い長所を両取りしためちゃくちゃ良いコンビになれると思われる。
なお、何の因果かエンペラーのタロットの番号は「4」である。
……少なくともミスタとホル・ホースの銃スタンドコンビは、ミスタ側がこれをどう受け取るかである。