F-20
えふにじゅう
開発経緯
低コスト高パフォーマンスが売りのベストセラー戦闘機F-5の後継機として、輸出(特に台湾向け)に主眼を置いて計画開発された。
開発当初はカーター政権下での国内法の縛りにより新鋭機(F-16)の輸出が規制されていたため、初度に与えられた類別番号はF-5Gであった。
機体設計
原型機にあたるF-5シリーズがGE社J85ターボジェットエンジン双発であったのに対し、本機はより出力の高い同社製F404ターボファンエンジンの単発となった。
レーダーを始めとするアビオニクス(航空機用電子機器)も改良され、特に兵装オプションの運用については同時期の新型機F-16より優れていた。
また空力特性の改良や新素材の採用によっても、機体の軽量化及び運動性能の向上が図られており、非CCV機でありながらF-16にも勝る運動性能を獲得した。
これら各部の改良により、当然コストもF-5E/F以前に比較すれば高い物となったが、それでもF-16より安価に設定されていた。
生産状況
レーガン政権で先述の国内法が撤廃された事から販売競争でF-16に敗れ、量産されることなく試作機3機が製造されるにとどまった。
(購入を検討した諸国も『安価でも性能が未知数のF-20』よりも、『多少高価でも一定の性能が保障されているF-16』を望んだとのこと)
更にその3機の内2機が、Gロック(過剰Gによるパイロットの意識喪失)が原因と見られる事故で失われている。
エリア88(漫画)
日本での(世界的に見れば異様な)タイガーシャーク人気の元となった作品。
主人公である風間真がF-5Eやドラケンに続き乗り込み、一度除隊するまで乗機とした他、最後の神崎悟との決闘時に再度搭乗した。
航空機の専門書である「世界の傑作機」シリーズにおいては異例ながらも同機を扱った書籍で風間真仕様機が表紙に描かれている。
エースコンバットシリーズ(ゲーム)
エースコンバット5及びエースコンバットZEROにおいて、プレイヤー操作可能機体として登場する。
レッズ・イン・ブルー(漫画)
主人公ローラ・リンが、所属するアグレッサー部隊の機体換装に伴い地上に降りざるを得なくなった際、チャック・イェーガーより譲り受け同隊解隊まで乗機とした。
このとき換装された機体がF-16である。
カナダと韓国で行われたデモフライト中に2機を失ったF-20だが、3号機(82-0064 (GI.1002))だけは辛うじて現存しており、ロサンゼルスのカリフォルニア・サイエンス・センターにて宙吊り状態で静態保存されている。