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ビゲン

びげん

スウェーデンの開発した戦闘機。サーブ35の後継機として開発され、装備変更で海上パトロールから対地攻撃、制空戦闘まで対応している。
目次[非表示]

概要

「ビゲン」とは「稲妻・雷光」を意味している。
「サーブJ-37」と表記される事もあるが、
スウェーデンでは戦闘機の頭文字が「J」なので、あながち間違ってはいない。
(ドイツ語で言うところの「イエーガー」)

派生型としては対地攻撃機型の『AJ-37』に始まり、
続いて写真偵察機の『SF-37』や海上パトロール機の『SH-37』が登場している。
複座練習機の『SK-37』が登場し、最後を飾ったのが戦闘・攻撃型の『JA-37』である。

各種合わせて331機が生産されたが、その全てはスウェーデンで使われた。
輸出にも力を入れる予定ではあったのだが、
スウェーデン政府が『好ましからぬ客を避けた』事、
武器輸出が紛争の火種になることを嫌ったアメリカが、
エンジン輸出を盾にとった外交的圧力を掛けた事もあり、輸出には失敗している。

スウェーデン製超音速戦闘機(第2弾)

開発にあたって、スウェーデン防衛装備局は条件を出した。
・優れた運用性はそのまま
・時代に即しての性能向上

これら「普通」の要求に加え、前作『ドラケン』の反省点を加えている。
・小さな迎え角(機首上げ)でも離着陸できること
というのがそれで、ドラケンではジェット排気が滑走路を痛めてしまう欠点を抱えていた。

このため、ビゲンではドラケンのようなダブルデルタ翼をさっくり取りやめて、カナード(先尾翼)を取り入れている。
このカナードにより、離着陸で気流をうまく調整し、揚力を増やそうというわけである。

カナードとデルタ翼

なおこの方式は、デルタ翼の弱みである離着陸性能を補えるために相性が良く、
ビゲンの成功を受けてクフィルタイフーンJ-20のような後進が登場している。
ただしステルス性能では不利という欠点もあり、安定性を過度に下げることにもなるため、米ロでは採用されていない。

ビゲンの特徴

このビゲンは長さが約16m、幅が約10mと比較的小型に作られている
(参考までにF-4は19mと11m)

これはスウェーデン独自の防衛戦略によるもので、いわゆる専守防衛である。
その為に牛舎に偽装した格納庫に隠蔽し、
小屋前の道路からそのまま発進するという訓練が平素から行われているという。
このような場所は国内では無数にあり、場所によってはこれが住宅街とトンネルになるという。

この為に離着陸性能は最大の関心が払われており、
離陸には400m、着陸でも500mと、とても短い距離で行えるようになっている。
その秘密は前述の「カナード付ダブルデルタ」や「スラストリバーサ(逆噴射装置)」で、
スラストリバーサなどは本機とトーネードだけの装備である。

ビゲンの欠点

反面として航続距離・搭載量は犠牲にしており、
航空自衛隊ではそれが理由で選考から漏れている。

また「フリグモートルRM8A」エンジンアメリカのJ-52で、
これはA-6のエンジンに国産のアフターバーナーを追加したものである。
当然ながら、輸出にはアメリカ]の許可が必要という事になる。 (クフィルもアメリカ製エンジンを使う為、輸出3か国に限られた)

また、国内での利用にも不都合があった。
スラストリバーサ等の厳重な装備がアダとなり、重量が重くなってしまったのだ。
空虚重量なら12tを上回っており、
離着陸できる長さの道路は多くても、その道路が12tに耐えられない事も多かったのだ。

この反省として後継機の『グリペン』は軽量化されている。
装備を簡略化したので離着陸距離は伸びてしまったが、
軽くなったことで逆に使える道路は増えたという。

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