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F-CK-1

えふしーけーわん

台湾が独自開発した戦闘機。契機はカーター政権によるF-16の輸出禁止で、代替機(F-20、F-16/79)にも不満があったので独自開発する事となった。当初は256機を配備する予定だったが、レーガン政権がF-16輸出を許可したので調達数は130機に留まった。
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ハヤブサかイタチザメか

 1970年代台湾(中華民国)は次世代航空機として陳腐化していたF-5E/Fの後継としてF-16の購入を希望していた。
 ところがアメリカ合衆国政府はこれを拒否。理由は『アメリカが(中国大陸において)戦争を煽っていると取られかねないから』というものである(当時のアメリカ大統領はジェームズ・アール・カーター、クリーンではあるものの有能ではなく、特に人権外交を行うが弱腰とも取れる外交政策で有名、引退後も外交活動を行い、ノーベル平和賞を授与されている。彼は「NATO諸国とイスラエルにのみF-16の輸出は許可される」と発言しているが実際は彼の反対ではなく、議会の反対である)。
 アメリカ側からの代替案としてF-5最終発展型のF-20や、F-16のダウングレード版(格下げ品)であるF-16/79が提案されたものの、台湾『当方の要求性能を満たさない』として(後から見るにF-CK-1と性能はそれほど変わらず、自国生産により技術を導入したかったための言い訳と思われる節がある)いずれも不採用を言い渡す。
 替わってとられた方策が『戦闘機の独自開発』というものであり、開発にはでゼネラル・ダイナミクス(F-16F-111の開発元、航空機部門はロッキードに売却、造船業などが本業)、ギャレット(民間ビジネスジェット機のエンジンを主に手掛けるメーカー、合併を経て現在ハネウェルとなっている)、火器管制装置はウェスティングハウス(アメリカに存在した電機メーカー、軍事関連はノースロップグラマンに譲渡、会社自体は買収した放送局であるCBSに乗っ取られる形で解体されブランド管理のみを行う)も関わっている。
 なお、本機は『経国(チンクオ)』と呼ばれる事もあるが、これは開発が開始された1988年当時の中華民国総統「蒋経国(蒋介石の長男、あとを継ぎ総統担ったものの民衆運動に悩まされ、民主化に舵を切った)」の名前から付けられている。

ここまでの中台の歴史

 支那事変において、日本は中国大陸に進出し、『中国(この時点で主体は中華民国であると解釈されるが、この状況では地方に割拠する軍閥なども一定の勢力を保持していた)』と戦争状態にあった(一般には日中戦争とも呼ばれるが、大陸進出時点では両国ともに宣戦布告されておらず、太平洋戦争へと拡大していくために一連の戦争と取る見方もある。大東亜戦争とは一連と戦争を踏まえての名称だが、あまり一般的ではない)。
 現在、尖閣諸島をめぐる問題で中国は『諸島の日本の領有を認めない』との立場をとっているが、ここで言う『中国』とは中国共産党(中華人民共和国)の事である。中国国民党(中華民国)は沖縄に付属する形でのアメリカ合衆国の管理を認めていたわけであり、返還後後に台湾が「領有を認めない」という意見は矛盾する可能性が存在する(中華民国総統であった李登輝の「尖閣諸島は日本が所有権を持つ」はそう解釈するならば意味が通っている)。
 第二次世界大戦終結後、中国共産党国共合作(大日本帝国に対抗した第二回)の意義がなくなったため中国の人民には迷惑なことに中国大陸での内戦を再開。中国共産党はソビエトの後押しを受けており、一方戦争で疲弊し、アメリカからも信頼されなくなり、それまでの言動により国民からの支持も失っていた中国国民党では対抗できなかった。結局中国国民党は台湾への転進(事実上の撤退)、なんとか守り通した金門島を除く大陸からは姿を消した。以来、数度の軍事衝突を経ながらも関係はそのまま続いている。

F-16/79

 エンジンの輸出規制を回避するため、F-16の設計を変更し、エンジンをGE製F-100ターボファンエンジンからJ-79ターボジェットエンジンとしている。エンジン寸法が大きくなるのに合わせ、胴体は大幅に変更され、延長もされた。アビオニクス(航空機用電子機器)も格下げされる予定だったようで、そのため台湾は導入を断った。
 この航空機はアジアオーストリアナイジェリアなどに売り込みを行い、シンガポールが購入予定であったが結局正規のF-16が輸出可能となったため試作のみとなった。

『チンクオ(経国)』あらわる

 F-CK-1こと、「経国」の開発は1982年から始められており、初飛行は1989年となった。また5年後の1994年には配備が開始されている。
 完成した機体はF-16F/A-18を足して2で割ったようなものとなった。また、正面などの角度によってはラファールのように見えない事もない。この事は「本来F-16採用が本命だったから当然」とも言うべきで、少なくとも同じようなものに纏まっている。
 もちろん開発には当時の最新技術をとりいれてあり、ブレンデットウィングボディや尾翼つき切り落としデルタ翼の採用などはF-16に似通っている。主翼前縁に設けられた大型のストレーキ(ヒレ)などはF/A-18に良く似たもので、胴体下部のエアインテイクはF-16、それが左右別に設置されている事などはラファールのようである。火器管制装置は国産の「金龍53型」で、これは元々F-20用だったAPG-67をもとに開発した。
エンジンはギャレットのTFE-1042-70を搭載しており、これは元々民間ジェット機用のエンジン(TFE-731)を改良したもので当初グリペンへの搭載を目指し開発されたものであり、この航空機に搭載されたものはアフターバーナーを搭載している。F-16のF-100(および改良型のF-110)に比べて出力が小さいため、F-CK-1はこれを2基搭載して補っている。wikiの記事によるとアフターバーナー出力は41.14Knとあるが、これがF-16のF-110ではこれが128.9Knとなる。この差は最大離陸重量の差に表れており、F-16では20tにも達するが、F-CK-1は12t少々である。
 ただし、TFE-1042-70はF-5のJ-85比でほぼ2倍の出力を持っており、また機体の重量(空虚重量)もF-5の1.5倍程度である。従って推力対重量比では大きく改善されており、この事は大きな優位となっている。

現在、そして未来の中台海峡上空

 現在の台湾F-16A/B BLOCK20(結局国産化とフランス製航空機の導入により危機感を覚えたアメリカが輸出を許可した、ただしレーダー等が劣化している)とミラージュ2000、そして本機「F-CK-1」という3段構えとなっている。
 対する中華人民共和国SU-27の国産化である殲撃11型を始めとした新型戦闘機の配備を進めており、現代まで大きな技術的格差の存在によりバランスが取れていた両国の軍事関係が、将来大きく崩れようとしている。唯一の救いは、中華人民共和国は国境を接するほとんどの国と紛争あるいは戦争を起こしており(一応そういうことがないのは朝鮮民主主義人民共和国が存在)、必ずしも外交関係が良好とはいえないことがあるという事(いったん事を起こすと周囲はすべて敵国となる可能性があり、全方面を防護する必要がある)であり、軍事バランスが崩れた時に、一体何が起こるだろうか。
 ただこの二国間に戦争が起こった場合、わが日本も他人事ではいられない。なぜなら、日本に輸入される石油はほとんどがこの付近を通過する(中東方面、あるいはアフリカ東部からの石油に限る、アメリカ大陸より輸入の場合は別ルート)のだから。

関連項目

第4世代ジェット戦闘機 F-16
中華民国 台湾
崔亦菲

参照

wikipedia:F-CK-1_(航空機)
ニコニコ大百科:f-ck-1 経国

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