概要
分類 | 重爆撃機・雷撃機 |
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試作名称 | キ67 |
愛称 | 飛龍 |
呼称 | 四式重爆、ロクナナ |
製造 | 三菱重工業 |
設計者 | 小沢久之丞 |
最高速度 | 537km/h |
航続距離 | 3800km |
武装 | 12.7mm機関砲×5、20mm機関砲×1、爆弾800kg |
「四式重爆撃機」は、第二次世界大戦時に大日本帝国陸軍が運用した重爆撃機である。
通称は「飛龍」、略称は「四式重爆」「ロクナナ」、雷撃機仕様のみ「靖国」とも呼ばれていた。連合軍が付けたコードネームは「Peggy」。
本機は量産された最後の陸軍爆撃機で、太平洋戦争(第二次世界大戦)の実戦に投入した双発重爆撃機であり、日本航空機開発技術の集大成と呼ぶに相応しい性能を有している傑作機であった。
性能
重爆撃機と称されながらも爆弾の搭載量は低かったが、それを補って余りある飛行性能を有していた。その秀逸な運動性能は、双発の大型機でありながら非武装状態であれば宙返りなどの曲芸飛行も可能と言われていたほどである。また陸軍爆撃機は総じて航続距離が短かったが、本機は三菱側の判断でその欠点を改良して航続距離3800kmという、当時の日本軍機の中でもトップクラスの航続距離を有していた。また、機体も運動性に相応しい強度を持っており、重爆撃機にもかかわらず急降下爆撃用の急降下速度計が装備され、600 km/h以上を示しても何ら異常は無かった。
また九七式重爆撃機や一〇〇式重爆撃機は右側の操縦席の計器類が省略されていた(爆撃手席への通路があったため)が、本機は胴体幅を広げて通路を中央に設け、左右に同じ計器類を配置できている。これによって左右どちらの席も正操縦士席として使えるようになり、編隊が組みやすくなった。
魚雷の搭載も可能だったため(元から想定していたわけではなく、途中で追加された機能である。そのため一式陸攻などと違い、魚雷は爆弾倉に収まりきらないので機外に懸吊する)、一部は海軍の指揮下で訓練を受け、敵艦船への夜間雷撃を行った。
海軍はこの陸軍雷撃隊を『靖国部隊』と呼び、それに伴い上述の通り本機を(非公式に)『靖国』と呼んだ。
大量生産のために各地の工場で分割製造されたが、空襲によって工業地帯が甚大な被害を被り、635機しか完成しなかった。
派生型
本機は大型機としてはかなり高い運動性能を持っていたためか、幾つかの癖のありすぎる、もとい特徴的な派生型が誕生している。
爆弾の代わりに75mm砲を積んだキ○ガイ…もとい迎撃機タイプ。
個別記事参照。
重量3tの巨大成形炸薬弾「桜弾」を搭載したもの。
ちなみに桜弾は機体に固定されている。つまり特攻用。
あまりにもデカイためそのままでは搭載できず、操縦席の後部をかさ上げしている。
そのため元の精悍な機体形状は壊され、背中に腫れ物ができたような不細工な姿となった。
当然ながら空気抵抗も重さも増加したせいで操縦性は大幅に悪化、当時の陸軍内部でさえ「これで敵の防空網を突破して艦船に特攻するのは無理がある」という意見が出ていた。
関連イラスト
関連タグ
荒野のコトブキ飛行隊:第5話にて空賊が使用。日本軍機ばかりの異世界が舞台なので、史実では仲間であった一式戦闘機と流星艦上攻撃機によって撃墜されたが、その速力で主人公たちを苦戦させた。また、それ以後も自由博愛連合の所有機が登場している。