概要
ストライカーユニットとは人類が発明した、魔力を動力にする「魔導エンジン」により駆動される機械装置のことを指す。
対ネウロイ用に開発されたウィッチ(魔女)専用の装備であり、機械の働きによって魔力を適切にコントロールする事が可能であり、これを装着することによって訓練を積んだ一部のウィッチにしか出来なかった飛行能力や身体能力強化、防御魔法などを特別な訓練無しに使えるように出来る様になった。基本的な出力は搭載された魔導エンジンによって決まるが、使用者のコンディション次第で許容範囲以上の出力を出すことも可能であり、用途によって形態は航空タイプや陸戦タイプなどがあり、それぞれ航空機や戦車・装甲車等に相当する。
独特なスタイル
軍人であるため、普段から軍服を着ているが、ストライカーユニットを装備する際には腰の部分にはパンツの様なズボンを穿き、素足かスニーカーソックスのような長さがとても短い靴下・ハイソックス・ニーソックス・サイハイソックス・タイツ・ストッキングでなければならない。
ただし、扶桑皇国海軍ではスクール水着に似たボディスーツを着用し、その上にセーラー服か士官服を重ねて着ている。扶桑皇国陸軍では巫女装束に小具足を組み合わせたより戦闘的な服装をまとう者も多い。ちなみに、劇中ではこれらのスタイルは人々には自然なこととして認識されているらしく、彼女らは自分の格好に羞恥心を感じることは無い(そもそも主人公は徴用前の女学生時からセラスクであり、非ウイッチな同級生も同じ格好をしていた)。
なお、装着時は使役する使い魔の影響でその使い魔の耳と尻尾が生えるため、尻尾との干渉を避けるため彼女達が穿いているものはローライズが多く、扶桑のボディスーツの場合は尾部に穴が空けられている。
飛行脚(航空用ストライカーユニット)
魔力で発現した飛行魔法を使い、飛行することが可能なストライカーユニットである。
魔力を増幅することにより重い銃火器を持つ事が可能となり、防御シールドを張る事で使用者を護る等補助的な役目も果たす。使用者の魔法力を機械がコントロールするので、魔法力さえ足りていれば魔法の訓練を受けていなくても飛行魔法や防御シールドの使用が可能になる。
無論、魔法技術に精通している魔女ならばより強力な力を発揮できるので、使用者には魔法の訓練が必須となる。特に飛行には大きな魔法力が必要であり、飛行脚は魔法力の大半を飛ぶ事その物に使ってしまっている。その為、稼動安定性では歩行脚に劣り、防御や身体強化は割り当ての少ない魔法リソースを上手にやりくりする必要がある。
その装着時の姿は脚の大腿部までがストライカーユニットの内部に収納されているかのように見えるが、実際はユニット内部は魔導エンジンなどの機器が入っており、脚を収納するスペースはない。装着部にある魔力フィールドによって脚は別次元へ移動し、大腿部でユニットと固定されることになる。プロペラのように見えるものは、高速かつ連続に発生する飛行魔法が大気中のエーテルと反応して可視化したものであり、実体はない。そのため通常のレシプロ戦闘機では不可能な空戦機動やホバリングまでもが可能となり、劇中では偶然の産物ながら超音速飛行も達成している。膝の所で脚を曲げることは出来なくなるため、基本的に地上の移動は考慮されていない。離陸の時は、魔導エンジンの始動によって魔法陣の姿をした魔力フィールドを発生させ、その上を滑走して飛び上がることになる。OVA版では先端に収納式の滑走用車輪が付いている。
ストライカーユニットを始動する際の魔力の消費は激しく、主に発進促進システムによる魔法陣などの補助機関で離陸をするが、砂漠の多いアフリカでは発進促進システムが使用できる場所が少ないので発進の際は魔導エンジンにエアを送り込んでエンジンの回転数を補助して離陸をするという独特の発進方法がある。やはり魔力の消費は激しくなるが、技量によっては垂直離着陸も可能。 機体名は第二次世界大戦時に使われた航空機から引用しており、アニメ版では大戦中・後期の機体(例:零式艦上戦闘機、メッサーシュミットBf109など)が、小説版では大戦初期の機体(例:キ27、ハリケーンなど)が登場している。
デザイン面ではイラストコラム版連載時など初期には膝の部分に関節があり通常の脚同様に曲がるという設定が存在した。また増加艇体と呼ばれる別ユニットを腕に装備する、あるいはウィッチがそれにまたがるという現在のそれとは異なるギミックを持ったものもあった。しかしアニメ版開始までにはそれらの設定はオミットされて現在の姿となっており、イラストコラム版やアニメ『ストライクウィッチーズ2』では現実のジェットエンジン・ロケットエンジンに相当する噴流式魔導エンジンを備えた高速機も登場している。
アニメ版における航空用ストライカーユニットを開発したのは宮藤芳佳の父である宮藤一郎であり、以前からの艇体にまたがったり別のエンジンユニットを必要とした形から、彼の「宮藤理論」と呼ばれる魔導理論を元に脚に「履く」スタイルに昇華されたのである。その時テストを担当するウィッチとして深く開発に関わっていたのが、少女期の坂本美緒である。また、ストライカーユニットは分割する事が可能であり、美緒が負傷し扶桑へ帰還する際には車椅子の座面下に収納されていた。 中世の扶桑に「天駆具足」と呼ばれる、飛行脚に外観や用途が似た装備が存在した。
歩行脚(陸戦用ストライカーユニット)
飛行脚と同じく脚に装着するが飛行能力はなく、キャタピラ状の装置で陸上を移動する。
魔力の大半を飛行する事その物に使っている航空歩兵と比べると防御や身体強化に回す分の魔法力に余裕があるので、より大威力・大重量の火器(火砲)を携行可能としており、シールドの防御力も遥かに強いと言われている。また、作戦行動の持続時間も長く、対ネウロイの地上戦における切り札として各地の戦線に投入されている。
しかし、飛行脚を装備する魔女より機動力が低いためネウロイの航空攻撃に対して殆ど無力に等しい陸戦魔女(陸戦ウィッチ)は機械化航空歩兵(ストライクウィッチーズ)による制空権の確保が絶対条件となっている。だが、飛行する程の魔法力を必要としないのでネウロイとの戦闘に参加するウィッチの中では陸戦ユニットを装備して地上で戦う魔女達の方が圧倒的に多く、実質的に対ネウロイ戦線を支えているのは彼女達である。 歩行脚の名称は飛行脚と同様に第二次世界大戦時に使われた戦車・装甲戦闘車両から引用している。
主な歩行脚
- マチルダII
セシリア・グリーンダ・マイルズを始めとするブリタニア王国陸軍が使用する陸戦用ストライカーユニットである。携行火器の威力は平凡だが、シールド強化能力は高い。 北アフリカの戦線にも派遣され、同地での地上型ネウロイを相手に大きな戦果を挙げている。
モデルはイギリス陸軍のマチルダ歩兵戦車。
- ティーガー
シャーロット・リューダーが登場するカールスラント陸軍の陸戦用超重戦闘装甲脚である。
カールスラントが母国奪回のための決戦兵器として開発したものであり、大型の88mm砲を搭載するため、他のストライカーユニットとは一線を画する巨体を誇り、その姿はまるでパワードスーツのようである。フレデリカ・ポルシェ技術少佐の率いる実験部隊によってアフリカ戦線に持ち込まれた。
モデルはドイツ陸軍のティーガーⅠ重戦車。