はじめに
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概要
さがら総、橘公司、渡航の3名のライトノベル作家たちによる、レーベルの枠組みを超えたシェアワールド作品。関連作品では「Speakeasy」のユニット名が用いられている。
前日譚と本編という構成になっており、本編はアニメが初出。前日譚とアニメは同シリーズではあるものの全く異なる作品でもある。
アニメ版では未知の侵略者(アンノウン)との異能力バトルが前面に推されているが、本来は細かな人間模様に重きが置かれているシリーズであり、前日譚ではアンノウンは脇役である。
合計7冊刊行されている前日譚の舞台はそれぞれ東京、神奈川、千葉と異なり、ストーリーも各々で完結しているので、1つのシリーズだけでも作品を充分に楽しむことができるような構成になっている。アニメとは逆に外敵との戦闘が少なく、人物と世界観の掘り下げに焦点が当てられている。
キャラクターのことを知る上ではアニメよりも前日譚が重要。
2016年7月より放送されたTVアニメ「クオリディア・コード」は前日譚の後日譚であり本編にあたる。アニメが初出の内容なため本編は所謂アニオリである。
前日譚とは逆に外敵との戦闘と世界の真相に焦点が当てられており、人物と世界観の掘り下げは前日譚に任せる形になっている。主役6名とも前日譚と比べて設定や性格にブレがある。
アニメ単体でもストーリーは理解可能なものの、アニメだけではキャラクターのことは半分も理解できないといって良いので注意。気になるキャラクターが居る、もしくはアニメを見て気に入った場合はそのキャラクターが登場する前日譚を読んでおきたい。
ストーリー
29年前、突如地球に現れた第一種災害指定異来生物、通称「アンノウン」。正体、目的も一切不明で人類は「アンノウン」と戦争となった。そのため非戦闘員の少年少女達はコールドスリープによって深い眠りにつかされた。そして21年前、人類が勝利宣言をあげ、コールドスリープから目覚めさせ始めた時、少年少女には《世界》と呼ばれる異能力が発現していた。
子どもたちは異能をもたない大人たちの代わりに今も散漫的に続く「アンノウン」の侵攻を関東で迎撃しつつ、東京、神奈川、千葉の3都市を自治している。
作品
クズと金貨のクオリディア
最初に刊行された前日譚だが他3陣営とは事情が大きく異なる。
著者はさがら総と渡航の共著、イラストは仙人掌、ダッシュエックス文庫より刊行されている。全1巻。
本編の29年前の日本が舞台で他の3作品の前日譚にあたる。異能力バトル物要素が全く登場しない。
いつか世界を救うために
神奈川陣営の前日譚。
著者は橘公司、イラストははいむらきよたか、富士見ファンタジア文庫より刊行されている。全2巻。
防衛都市「神奈川」が舞台の作品。生徒の多くは、刀や鎌などの刃を用いた出力兵装を持つ。
絶大な力を持つ主席の天河舞姫が統率をとっており、都市の一体感が高い。紫之宮晶は人類の希望ともいえる舞姫暗殺の任務を請け負っていた。
そんな世界は壊してしまえ
東京陣営の前日譚。
著者はさがら総、イラストはカントク、MF文庫Jより刊行されている。全2巻。
湾岸防衛都市「東京」が舞台の作品。前線で戦う生徒のほとんどは、飛翔能力を含む2つの能力を有する。
2つの能力を持つ「デュアル」とそうでない生徒の間で大きな格差が存在する。主人公の朱雀壱弥も「デュアル」でないがために不当な評価を受けており、「デュアル」と「それ以外」との歪んだ格差社会が主題となっている。
どうでもいい 世界なんて
千葉陣営の前日譚。
著者は渡航、イラストはsaitom、ガガガ文庫より刊行されている。全2巻。
防衛都市「千葉」が舞台の作品。生徒の多くが銃の形をした出力兵装を持つ。
ヤンキーが多い。三都市で唯一、投票によって主席を決定する制度を採っている。次期主席の座を巡る権力者争いを通じて千種兄妹の兄妹愛が描かれる。
クズと金貨のクオリディアほどではないが戦闘シーンが非常に少なく、外敵であるアンノウンは序盤のチュートリアル程度にしか登場しない。
クオリディア・コード
TVアニメ「クオリディア・コード」のノベライズ版。
著者は渡航、イラストは松竜、ダッシュエックス文庫より刊行されている。全3巻。
アニメとストーリー展開は同じだが、人物の心情描写の追加がかなり多いのでアニメとはだいぶ違った印象を受ける。
登場人物
クズと金貨のクオリディア
久佐丘晴磨(くさおか はるま)
本作の主人公。あるきっかけで千種夜羽と関わることになる。
千種夜羽(ちぐさ ゆう)
本作のヒロイン。学校でも有名な美少女だが・・・
久佐丘雨音(くさおか あまね)
久佐丘晴磨の姉。主人公が通う高校の養護教論。
千種美沙(ちぐさ みさ)
千種夜羽の妹。病弱で学校にも通えていない。
いつか世界を救うために
紫之宮晶(しのみや あきら)
本作の主人公。視界で捉えたものを斬る《世界》を持つ。
天河舞姫(てんかわ まいひめ)
本作のヒロイン。神奈川の首席で、圧倒的な強さを誇る。
凛堂ほたる(りんどう ほたる)
紫之宮晶の同僚。一定時間誰とでも「友達」になれる《世界》を持つ。
八重垣青生(やえがき あおい)
四天王の一人。通称〈姫を導く者(プリンセスロード)〉。
音無柘榴(おとなし ざくろ)
四天王の一人。通称〈音無き死神(サイレント)〉。
佐治原銀呼(さじはら ぎんこ)
四天王の一人。通称〈番犬(アイギス)〉。
隠谷來栖(なばりや くりす)
四天王の一人。通称〈不可視伯(インビジブル)〉。
そんな世界は壊してしまえ
朱雀壱弥(すざく いちや)
本作の主人公。重力を操る《世界》を持つ。
宇多良カナリア(うたら カナリア)
本作のヒロイン。歌で他人の能力を活性化させる《世界》を持つ。
鵜飼つぐみ(うかい つぐみ)
壱弥の同級生。物質発展の可能性を見ることができる《世界》を持つ。
鷹匠詩(たかじょう うた)
東京都市次席。テレパスと飛翔能力の《世界》を持つ「デュアル」。
どうでもいい 世界なんて
千種霞(ちぐさ かすみ)
本作の主人公。サーチ能力の《世界》を持つ。
千種明日葉(ちぐさ あすは)
本作のヒロイン。物質の運動を操る《世界》を持つ。
榴ヶ岡蓮華(つつじがおか れんげ)
霞の同僚。霞と共に生産科への出向を命じられる。
釣瓶朝顔(つるべ あさがお)
霞の上司。名字で呼ばれるのを嫌う。
夏目めぐ(なつめ めぐ)
千葉の次席。明日葉の実力を買っている。
テレビアニメ
詳しくは「クオリディア・コード」の項目を参照