概要
一迅社発行の漫画雑誌『月刊ComicREX』にて、2016年7月号から2022年11月号まで連載された4コマ漫画作品。作者は安藤正基。単行本は全13巻。
もともとは同氏がTwitter上へ『息抜き』として投稿していたものだったが、好評につき漫画雑誌での連載が決まって現在に至る。
あらすじ
主人公・陣界斗は、東京都育ちの高校生。家庭の都合で愛知県へ転校してきた彼は、名古屋地区独特の方言や食文化に関心を持っていたものの、実際は期待外れ。
しかし偶然出会った方言丸出しの女子高生・八十亀最中との出会いをきっかけに、方言や食文化を身近に知る機会が増えていくようになる。
主要登場人物
CV:市来光弘
高校2年生。東京から引っ越してきた。八十亀最中たちが所属している写真部へ入部した。最中と仲良くなりたいと思っているが、いつも彼女に怒られがち。デリカシーがなく、無自覚に他人の地雷を踏むため、ぼっちではないが友達は少なめ。
CV:戸松遥
高校1年生。地元・名古屋が大好きで、東京の人間を目の敵にしている。
猫のような風貌・髪型で露骨な名古屋弁を操る。
CV:若井友希
岐阜県出身の高校1年生。さるぼぼ風の帽子を被っている。
可愛い女の子が大好きで、最中や地方アイドルのライブ参加、美少女アニメのフィギュア集め(作中では大須で『えるたそ』のフィギュアに飛びついていた〈アニメでは戸松遥つながりからかナギのフィギュアに変わっている〉)に余念がない。何故か尾行が得意。最中の東京嫌いを改善すべく、界斗を写真部へ入部させた張本人。方言訛りはなく、地元愛は無さそう。
名字の読みは『た だ く さ』。『だ だくさ(もったいないまでに無駄遣いするさま)』ではないが、色々と才能の無駄遣いはしている。
CV:小松未可子
三重県出身の高校2年生。界斗のクラスメートであり、写真部の部長をやっている。髪型は伊勢海老風のツインテール(作中で寝坊した際抱き枕も伊勢海老型のものを使っているのが判明)。
実は極度の寂しがり屋で構ってちゃんの一面がある。
「出来やんかったら(出来なかったら)」の様な特徴的な三重弁を使うが、八十亀ちゃんほど強烈でもない。
CV:東城日沙子
界斗の妹で高校1年生。最中とはクラスメイトの関係であるが、極度のビビりで、方言ばかりで意図が読めない発言とその鋭い目つきから誤解し、彼女を恐れている。
そんな調子なので最中とは殆ど会話をしたことが無く、調理実習で先生が名前を呼ぶまで、彼女の苗字を「はちじゅっかめ」と勘違いしていた。
ちなみに、東城氏は繁華登場前の2話にてコメダ珈琲店店員の役も担当し二期の二話にて店員のCVは内山悠里菜に変わったが繁華もコメダ珈琲店に行った。
CV:南條愛乃(2期~)
写真部の顧問で、英語教師。静岡県(遠州)出身。
着物に手ぬぐいにたすきがけと、お茶摘みのような格好をしている。
東海三県(愛知・岐阜・三重)からハブられがちな静岡を憂いている。無限キテレツ地獄も嘆いている。
普段は標準語だが、出身が出身なので静岡を「しずおか」と発音出来ず、「しぞーか」と言ってしまうなど、無意識に静岡弁が出てしまう。
原作では目の色は髪の毛と同じ水色だが、アニメでは緑色になっている。
CV:松井恵理子(2期~)
単行本のカバー裏に掲載されているスピンオフ作品『じゃんだら先輩は美可愛い』の主人公。
愛知県三河地方出身。名古屋に対抗意識を持っている。感情が昂ると三河弁が出る。
意識しているかは不明だが担当声優の松井氏は自身のブログのタイトルに『愛言葉は☆じゃんだらりーん!!』と付けている。
CV:赤羽根健治(2期~)
『じゃんだら先輩は美可愛い』の登場人物で鈴の後輩。千葉県出身。本編の界斗とは陸上部の関東大会で知り合った友人で、似たような立ち位置。
鈴の三河弁や三河地方自慢に困惑している。
鈴と鉄平が通う高校の生徒会書記。後述の知子の双子の姉。
CV:黒木ほの香
八十亀の従妹。大阪出身。
上半分が茶色で下半分がクリーム色のたこ焼きみたいな瞳と、常に口にくわえた爪楊枝がトレードマーク。
コテコテの大阪弁で話し、他人にも面白いことを強要する典型的な大阪人だが、アドリブには非常に弱く、急なギャグには対応できない。
最中のことは「もなねー」と呼び、何でも言うことを聞いてくれる子分扱いしている。
そんな性格なので最中からはロボ化して逃避されるほど苦手とされているが、嫌われているわけではないようで、一度仲良くうどんと冷やし中華を食べに行ったことがある。
CV:伊藤彩沙
紫春の友人。京都出身。
生八橋の髪飾りをつけている。
京言葉で話し、遠回しに嫌味を言いがちだが、本人はあまり自覚していない。
こってり味が好みで、湯葉は「味がしない」とあまり好んでいない様子。
普段は紫春に同調しているが、彼女が度を過ぎた行動をとった際には叱りつけるなど、保護者のような立場にある。
なお、原作では茶色い瞳だが、アニメでは臙脂色の瞳をしている。
CV:長縄まりあ
一宮市出身の中学生。
東京にあこがれており、界斗を「兄さま」と呼んで慕っているが、その一方で、最中のことは「O-758ウイルスに感染して名古屋好きになっている」と思い込んでいる。
本人は標準語で話しているつもりだが、方言を直しきれていない。
CV:上坂すみれ
界斗たちが通う高校の生徒会長。神奈川県出身。
水兵帽子を被り、白地に青の縞々の靴下を履いている。
写真部が廃部の危機に陥った際には怠惰な行動に目を光らせる一方で、どうすればいいのかしっかりアドバイスをするなど、情に厚い。
副会長の恵と会計のきぃなからは完全にナメられているばかりか毛嫌いされており、ふざけた言動をとられるたびに叱りつけている。
CV:徳井青空
生徒会副会長。千葉県出身。
小さい王冠をかぶり、ピーナッツがプリントされたタイツを穿いている。
生徒会選挙で副会長に選ばれたのが嫌で、それゆえ湘を生徒会長の座から引き摺り下ろそうと常に考えており、自己紹介の際には「副」を小さく発音する。
CV:倉知玲凰
生徒会会計。埼玉県出身。
バッテンがプリントされたマスクをしている。
故郷に対して悲観的で、声も小さいが、湘のことは「会長のアホ」と大声で怒鳴るほど毛嫌いしている。
元写真部の生徒。和歌山県出身。
パンダを思わせる髪型と瞳をしていて、耳にみかんのピアスをつけている。
在籍当時はポートレートなどの被写体を主にしていて、いわゆるインスタ映えする写真をよく撮っていた。
現在は高校を退学し、読者モデルとして活躍している。
後にやん菜の通う高校にスタッフを連れて再訪して一緒に写真を撮り、モデルにならないか?と誘うが断られ、やん菜の気持ちを尊重して去っていった。
9月に長野県から転校してきた1年生。
2本のアホ毛と4本の三つ編みがあるイナゴのようなロングヘアーと、リンゴのような瞳、眼鏡とギザギザの歯がトレードマーク。
自称「信州が生んだ頭脳」だが、実際はとんでもないおバカであり、補習を3日連続で受けている他、「ペンは剣より強し」や「手塩にかける」などのことわざと「座学」の意味を勘違いしている、授業中にノートをとらずに付箋にメモをしているなど、アホの子ぶりを見せる。
新聞同好会(部員は彼女一人だけ)に所属しており、界斗たち写真部と部室をめぐって勝負をしたことがあるが、ほとんど負けている。
知多半島出身の生徒。
「チーターイーツ」と称して学校内で便利屋を営んでおり、トイレの掃除から、溶接・発電まで何でもこなせる他、キッチンカーの運営もしているなど商売っ気が強い。
名古屋弁と三河弁のハイブリッドである知多弁を話せるが、最中が話す名古屋弁は、方言がきつすぎて半分くらいしか理解できなかった。
前述の渥子とは双子の姉妹で、両親の都合で離れて暮らしている。
その他の登場人物
CV:間島淳司
世瑠蘭に仕える執事。
彼女が東京に憧れる発言をした際に現実を突きつけるなど、正直な部分がある。給料が安いらしい。
CV:小山茉美
フルネームは不明。
一宮市市章のような髪型をしている。
理由は不明だが東京を危ない場所と思い込んでおり、一人娘の世瑠蘭が東京に行くことを嫌がっているばかりか、体育祭で界斗を娘に悪影響を及ぼす人物と勘違いし、生徒会に監視を命じた。
その後、界斗が優秀に世瑠蘭の家庭教師として連れて来られたエピソードで監視は解除したが、いまだに不信感は拭えていない模様。
最中の母親。
最中ほど訛っておらず、娘の名古屋弁に対して「この子、私より訛ってんのよ」と言っている。
最中と紫春の祖母。
最中が東京を嫌いになった元凶だが、これにはあるすれ違いが…
舞衣の母親。
本編ではなく、最終巻の書き下ろし漫画に登場。
やん菜の母親。
こちらも最終巻の書き下ろし漫画に登場。
CV:稲田徹
通称・レッチリ先生。界斗とやん菜の担任。恰幅がよく、頭に国旗を刺している。
CV:寺田晴名
通称・リカちゃん先生。最中と舞衣と繁華の担任。科学記号のような六角形の眼鏡をかけている。
CV:樋浦勉
通称・クック先生。調理実習の際に登場。学食の監修も行っており、生徒思いなあまり、学食で醤油の使用を禁止したことがある。
CV:五十嵐裕美
札幌女子。白い恋人のようなマフラーをしていて、両目の瞳孔が五稜郭のような星型になっている。札幌弁で喋る。
CV:佐藤聡美
仙台女子。伊達政宗の兜のような髪型で、三日月の髪飾りと眼帯をしている。仙台弁で喋る。
CV:愛美
神戸女子。明石焼きのようなシニヨンに神戸ポートタワーと神戸海洋博物館の髪飾りをしている。神戸弁で喋る。
CV:成海瑠奈(2021年12月に引退したため、後任未定)
広島女子。もみじ饅頭のような髪型をしていて、広島カープの応援グッズを持っている。広島弁で喋る。
CV:田村ゆかり
博多女子で、アニメオリジナルキャラクター。博多ラーメンの麺を思わせる髪型をしていて、ラーメンどんぶりのようなヘッドホンをかけている。博多弁で喋る。
アニメ3期最終回で上述の4人と共にアイドルユニット「TGC5」として登場し、最中とラップバトルを繰り広げたが、見事に打ち負かされる。
最終巻でもアニメから逆輸入され、上述の4人と共に1コマだけ登場。
CV:花橋星香
第4期終了後に放送された特番に登場したキャラクター。
ツシマヤマネコのような模様の入った髪の毛とスーツがトレードマーク。長崎弁で喋る。
テレビアニメ
1話あたり5分のテレビアニメ(ショートアニメ)。『人外さんの嫁』でアニメーション制作を手掛けたサエッタと、総監督を担当したひらさわひさよしが再びタッグを組み、同作品で作画監督を担当した早坂皐月がキャラクターデザインを手掛ける。
なお配役についてはキャラクターの出身県と中の人の出身県が同じになるように設定している(例外は陣兄妹)。さらにはEDのクレジット欄には作画など制作スタッフまで含めた全員の出身地が括弧書きで追記されているが、『イリノイ州』とか日本国内でない地名もチラホラ。
地上波での放送局は地元・テレビ愛知と東京の独立局・TOKYOMXの2局。また、CS放送・AT-X(毎週金曜日22時40分~)での放送のほか、dアニメストアやニコニコ動画などの媒体でインターネッ卜配信も行われた。第3期ではTOKYOMXに代わってBS11でオンエア。
テレビ愛知が映らずBSも見られない家庭ではLocipoで無料視聴可能。
YouTubeでも一部の回がテレビ愛知のチャンネルで配信されている。
- 第1期は2019年4月から6月にかけてオンエア。テレビ愛知では本放送終了後に再放送も行われた。
- 第1期の最終回放送後、第2期の制作が発表された。第2期「2さつめ」は2020年1月から3月にかけてオンエア。
- 2020年9月には第3期の製作が発表。第3期「3さつめ」は2021年1月から3月にかけてオンエア。
- 2021年11月には第4期の製作が発表。第4期「4さつめ」は2022年4月から6月にかけてオンエア。第4期放送に関連して、限定グッズゲットやアニメクレジットが掲載される権利に関するクラウドファンディングが3月中に行われた。
補足・小ネタ
- 原作4コマ漫画には「やとがMEMO」と題して解説が掲載されている。(アニメでもきっちり初登場キャラの紹介文などで再現されている)
- 作中のヒロイン・八十亀最中は2017年より「名古屋市観光文化交流特命大使」のメンバーの1人になった。
- テレビアニメ版では冒頭に『おことわり』が表示されるが、そこまで配慮するべきなのか……という心の声が聞こえてきそうな気配もしないでもない。2期でも継続して表示される。
- その冒頭の『おことわり』のナレーションは毎回起用キャラが変わるが、作品内の登場キャラではない人物も担当しており、第1話はテレビ愛知のアナウンサー、第5話は高柳明音氏、第8話はBOYS AND MENの本田剛文氏&辻本達規氏、第10話は河村たかし名古屋市長、第12話はアニソン歌手・水木一郎氏が担当した。
- ちなみに、一期第1話で界斗が東京と名古屋の文化の違いを楽しもうと思ったのにと嘆くシーンで味噌煮込みうどん、エビフライ、手羽先、味噌カツと共に男性の顔が目線付きで映るのだが、顔のエラの張り具合に加えて背広を着ているうえに議員バッジらしきものを付けているのが確認できるため河村市長と思われる(ED表記は『男』でCVは梅津秀行氏が担当。梅津氏は2期6話での名古屋飛ばし、7話でのご当地アイドルについてのナレーション、12話での味噌の声も担当)。
- 2期の『おことわり』は1話が1期の一話と同じアナウンサー、2話がTEAM SHACHIの大黒柚姫、3話がOS☆Uの香田メイ、4話がdelaの沢口愛華、5話がコスプレイヤーのえなこ、6話が亜咲花、7話が名古屋おもてなし武将隊の前田慶次、8話が主題歌担当の+α/あるふぁきゅん。、9話が乃木坂46の佐藤楓、10話が古畑奈和が11話が戸松遥つながりなのか天野ケータ(ED表記はキャラ名のみでEDに表記されている出身地は『さくらニュータウン』になっており、おことわり内で妖怪を呼ぼうとするのだがなぜか最中を呼ぼうとし、最中が妖怪じゃないと言う中の人ネタをやっている)、12話が原作者の安藤正基と担当編集者が担当。
- 第3期以降の『おことわり』は梅津秀行氏が第1話で担当するのみで、第2話からは無音声。
- 以下の実在店舗が実名登場している
- 第1期第12話で『かんなぎ』の『motto☆派手にね!』のカラオケ版を流したのは、同じ出版会社、掲載誌、中の人ネタがあった縁から(只草舞衣の紹介文参照)。
- 第1期の最終回・第12話は戸松遥氏が歌う『燃えよドラゴンズ!』でEDを締めくくった。ちなみに、12話中にうつるカラオケの週刊ランキングでは一期のED『DELUXE DELUXE HAPPY』が1位になっている。
- 第2期でも名古屋ご当地CMが流れるのだが、この枠自体はさりげなく一迅社枠であり、その枠を使ってCMを流しているようだ。
- EDの最後に日記帳が映る。1期の時は一冊だけだったが2期では二期の表記が『八十亀ちゃんかんさつにっき 2さつめ』という表記のためか2冊になり、3期では3冊…と徐々に増やされる。
- 2期のEDが流れた後に『じゃんだら先輩は美可愛い』が流れる(1話、7話、9話のみでそれ以外の回は無し)。雀田来鈴と鉄平くんが登場し、一言喋って終わる。
- 2期2話ED明けは、八十亀最中が夕暮れの学校にてジャージ姿で熱心に手を振り回す場面で終了するがこれはED前に決まった球技大会の種目のタスポニーというスポーツの練習をしているためである。⇒日本タスポニー協会公式サイト
- 第3期に『シキザクラ』の出演声優が出ていた関係もあってか、シキザクラ最終話においてゲスト出演が実現している。