赤福とは
赤福とは三重県伊勢市の伊勢神宮内宮入り口近辺に店を構える郷土和菓子屋である。
従って『赤福』とは実は企業名であって、同社が販売する銘菓は商品名としては「赤福餅」が正確なのであるが、実際には企業名と共に菓子名も赤福の名で通用する。
大相撲の懸賞でもお馴染みである。
赤福餅の歴史は古く、詳細な始業年数は定かでないが、販売元では文書に登場する宝永五年(西暦1708年)を始業年数としている。
和菓子としては非常に滑らかな小豆の漉し餡で、これもまた大層、柔らかな餅をくるんだ甘みの強い製品で、『銘菓に美味いもの無し』と云われるお土産物業界では頭一つ抜けた売り上げを誇る。
なお、赤福餅は西日本を中心に多くのキヨスクや駅内販売店で販売されているので、ある程度遠方に住まう方でも購入でき、全国的な知名度を高めるのに一役買っている。西は遠く岡山県内でも販売されており、名古屋駅では関東方面からの出張客が赤福を爆買いしている光景も見られる。
ネックとして、保存料を一切使用していない生菓子なので、賞味(消費)期限が短く、足が速い点には注意。
その他、夏限定の『赤福氷』、冬限定の『赤福ぜんざい』、1月を除く毎月1日にその月にちなんで発売される『朔日餅』が本店及び直営店で販売されている。
不祥事
…が、当初から『店に並べている赤福は全て当日、製造された商品で売れ残った場合は全て廃棄処分している』とアナウンスしながらも、2007年に一部商品を冷凍保存し、解凍した日付を製造年月日としていた事、並びに売れ残った商品を関連会社の商品に転用していた事実が判明し、折しもこの時期は食品関連の偽装や汚職が多数発覚した頃でもあった為に、赤福は創業三百年の節目を無期限営業停止で迎えるという悪夢のような汚点を店の歴史に残すに至ってしまった。
このような最悪の事態に、誰もが雪印のように食品関連の不祥事で凋落した企業の後を追うと思った2008年1月30日、営業停止処分が解除されて販売が再開されると、伊勢の本店では地元の人や愛好家が開店前から列をなし、開店時には「待ってました!」の声がかかるなど、不祥事でも見限らずに待っていてくれた根強いファンも少なくなかったことが判明。
これ以降も赤福の売上はそれまでと遜色なく、改めて赤福の『味の良さ』を思い起こされる悲喜交々な事件となった(製造元も営業停止期間中を有効活用する形で老朽化した設備の改修や偽装および不正防止対策の積極的な導入を行っており、『不正発覚前より、かえって信頼できる』と考えた消費者も多くいたようだ)。
その売上は三重テレビのコマーシャルに於ける赤福の多さを数えて頂ければ垣間見ることが出来る。
…しかし、この後も赤福は、賞味期限偽装以降問題を起こしていないライバルの御福餅とは対照的に、不祥事を繰り返している。前述の信頼回復を行ってきた前社長の息子は、それを不服とする前社長夫妻によって2014年に排除され、以降前社長は夫人を通して院政を敷くようになった。2017年には偽装を引き起こし退任した前社長が復帰した。
2020年には暴力団との黒い関係が発覚して再び辞任した。取引の長年の隠蔽まで発覚しいまや信頼は再び地に堕ちている状況である。
失言
赤福会長(当時)は2013年、JR東海参宮線を廃止し、伊勢市駅跡地に自動車1000台分の駐車場を設置する案を立てるモータリゼーションを推進する発言をやらかした。
思いっきり在来線を軽視した発言であり、当然JR東海は反発。