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エンジェル・ハート

えんじぇるはーと

「エンジェル・ハート」とは、北条司による漫画およびそれを原作とするアニメ、ドラマ。
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概要

同作者の代表作『シティーハンター』を、家族愛をテーマとしてリメイクし、同作のパラレルワールドとして描かれている(ただしアニメ版ではアナザーストーリーとなっている)。

連載開始時には『シティーハンター』の続編・後日譚として捉えていた読者が多かったため、ヒロインである槇村香が冒頭で死んだことで大きな混乱が生じた。


主要キャラクターには、『シティーハンター』と同名のキャラクターが登場している(冴羽獠、槇村香、海坊主、野上冴子など)。しかしパラレルワールドであるためか、キャラクターの設定や年齢、性格が大きく変わっている。

・獠と香の出会い方

・キャラクター達の職業や階級

・香の射撃の才能の有無

・冴羽獠という名前の付けられ方

・槇村の死因

・シティーハンターの成り立ち

・海坊主が日本人の伊集院隼人ではなく、アフリカ系アメリカ人のファルコンになっている。

・海坊主の失明の原因

・シティーハンターでは成人女性だった美樹が幼児の姿で登場し、名前もカタカナの「ミキ」になっている。

また『シティーハンター』でレギュラーキャラクターだったミック・エンジェルや野上麗香、教授、名取かずえなどが登場していない一方で、『シティーハンター』と関わりのない本作オリジナルのキャラクターがレギュラーキャラクターになっている。


第1部『エンジェル・ハート』(全33巻)は「週刊コミックバンチ」にて2001年創刊号から2010年36・37合併号まで、第2部『エンジェル・ハート 2ndシーズン』は「月刊コミックゼノン」にて2010年創刊号から2017年までそれぞれ連載された。

テレビアニメ(全50話)は、2005年10月から2006年9月まで読売テレビホスト、日本テレビ系列の一部にて放送された。制作は『キャッツ・アイ』を手掛けたトムス・エンタテインメント。アニメはシティーハンターの時と違い、オリジナルの話はなく、原作に忠実である。原作に2010年には北条司の作家生活30周年を記念して杉本有美を香瑩役にイベント舞台化もされた(雑誌の付録DVDになっており、今でも中古で度々出回ってる)。


2015年7月には連続ドラマ化が発表され、同年10月から12月にかけて日本テレビ系列全30局の日曜ドラマ枠(22:30~)で放送された。

『シティーハンター』の実写化は1994年公開のジャッキー・チェン主演の映画版・2011年の韓国ドラマ版のみで、冴羽獠を日本人キャストで演じた人物は一人もいないことから、そのキャスティングに注目が集まっていた。そして連続ドラマ化発表から一ヶ月後の2015年8月に冴羽獠は上川隆也が演じることが発表された。上川は冴羽を演じるにあたって50歳にして体脂肪率10%以下に削ぎ落として撮影に臨んだ。

また、香瑩役には舞台版にも関わったスタッフが居たことから舞台で同役を演じた杉本を起用する声も上がったが最終的に三吉彩花が演じることになった。


ストーリー

台湾の犯罪組織に殺人兵器として養成された少女、コードネーム「グラス・ハート」。彼女の暗殺は常に完璧だったが、人を殺す罪の意識に追い詰められていき、自ら死を選んでしまう。彼女は新宿での任務の後、飛び降り自殺し、心臓をビルの下の鉄柵に貫いて死んだはずだった。

しかし、優秀な人材であるグラス・ハートの喪失を惜しんだ組織は、彼女に強奪したドナー心臓を移植し、蘇らせようとする。それは「シティーハンター」冴羽獠の最愛のパートナー・槇村香の心臓だった…。

香の心臓が移植されたことで、グラス・ハート、そして香の死後は抜け殻のように日々を過ごしていた獠の運命は大きく動き出す!!


登場人物

  • 香瑩(シャンイン) / グラス・ハート (CV:川崎真央) / (舞台版:杉本有美)/ (演:三吉彩花)

主人公。正道会の暗殺部隊「朱雀」に所属していた少女。部隊有数の暗殺者だったが、人の命を奪うことに疲弊し、50人目の暗殺の後に自ら命を絶つ。その結果、心臓を失ったが、香の心臓が移植されたことで一命を取り留める。

移植後は目覚めることを拒絶し眠り続け、その間に香の生前の記憶を夢として見ていた。その状態のまま一年が経ち、業を煮やした組織に処分されそうになるが、その直前に覚醒、組織の施設から逃亡し、夢で安らぎをくれた獠を求めて、新宿にたどり着く。

暗殺・戦闘技能のみならず、語学能力にも長け、多数の言語に通じている。危険を感じると(例え睡眠中であっても)攻撃してしまう習性を持つ。

なお、彼女のコードネームは、警戒心が強く、用意周到で繊細な手口で完璧に相手を仕留めることから、組織に畏怖と嫉妬混じりに臆病者の意味で「ガラスの心臓」と呼ばれたことが由来である。


「シティーハンター」と呼ばれる新宿の始末屋。前作の主人公だったが、今作では香瑩の義父として保護者的な存在となる。中年になったが、スイーパーとしては凄腕であり、「玄武」の気配すら容易く察知するほど。

香にプロポーズするものの、直後に彼女を交通事故で亡くしてしまう。それ以来、表面上は以前と変わらず明るく振舞うが、依頼も受けずに空虚な日々を過ごしていた。唯一の希望として、強奪された香の心臓が何者かに移植され、いつかその相手と再会出来ると信じており、移植された人物を探し続けていた。

基本的な性格は変わっていないが、香をいまだに愛しているためか、「もっこり」は控え目(但し女好きなところは変わっていない)。香への態度が屈折していた前作に比べ、こちらでは彼女に不器用ながら素直に愛情を示している。

また経歴も前作とは異なっている。元は傭兵で日本に密入国し、負傷して倒れていたところを香に助けれたのが初めての出会い。そして香に名前を決めてもらい、「シティーハンター」をしていた槇村の相棒になった。

正道会の新宿での抗争の後は香瑩を引き取り、彼女を新しいパートナーとして「シティーハンター」を再開した。


獠の最愛のパートナー(内縁の妻)。本作では交通事故で死亡しており、故人。享年28歳。しかしドナー登録され摘出された心臓に意識が宿り、心臓が移植された先の香瑩の中に存在し続けることになる。香瑩の暗殺者としての習性を抑えており、香瑩を介して話したり、時には幻となって現れたりすることも。

昏睡状態で暗殺者時代の悪夢に苦しむ香瑩を励まし(香瑩は香の記憶に安らぎを感じていた)、香瑩が組織に始末されそうになった時には、死の間際の記憶を見せ、彼女の覚醒のきっかけを作る。更に新宿では内なる声として、彼女を導くかのように語りかけ続けた。

前作ではヒロインだったが、今作では香瑩の義母として保護者的な立ち位置になる。そのため母親的な役割に重点が置かれており、前作とは最も性格が異なっているキャラクター。母性的で慈愛深い女性であり、戦闘スキルも皆無。射撃の才能は全くなく、トラップの技術も習得していない。但し、十八番の100tハンマーは健在で、生前は獠の「もっこり」には天誅を下していた模様。

今作でも槇村家の養女で、2歳の頃に実の両親が離婚、父に引き取られるが、その父が犯罪者となって逃亡中に事故死し、その追跡をしていた槇村の父に引き取られることになった。こちらでも後に母に引き取られていた実姉・立木早百合が登場する。

前作では獠のパートナーになる以前は何をしていたのかは不明だったが、今作では中学卒業後、兄や新宿の人々の役に立つため、看護師として働いていたことになっている。看護師としても優秀で、区内の東新医科大学の看護学校を首席で卒業している。

新宿の多くの人々から慕われ(命日には献花が殺到するほど)、大きな影響を与えていた。直接の登場はないものの、その存在は回想などで語られている。


香瑩と共に「朱雀」の訓練を受けていた青年(訓練生時代の番号は36番)。自分の名前を覚えていることから、香瑩よりも年上の可能性もある。香瑩が最初に殺した人物だったが、実は奇跡的に蘇生しており、現在は正道会の戦闘部隊「青龍」に所属している。新宿での任務に派遣され、李大人を狙撃した。


獠の悪友。新宿で「喫茶キャッツ・アイ」の切り盛りをする店主。元傭兵で、獠の同業者だった。失明しているが、その実力は健在で、前作と同様にバズーカを用いて戦い、「玄武」の気配も察知出来るほど。

盲目であるが、普段の生活に支障はなく、気配から相手を読み取ることも可能で、香瑩と立木早百合から香の面影を感じていた。但し失明してからの方が活躍していた前作とは異なり、リアリティを出すためか、車の運転など、出来ないことも増えている。また失明の原因も異なり、傭兵時代に味方だった獠の救出に行った際に負傷したことになっている。

獠からは前作と同じく「海坊主」というあだなで呼ばれているが、日本人の伊集院隼人ではなく、アフリカ系アメリカ人のファルコンである。但し、猫が弱点なのは共通している(今作では猫アレルギーという設定)。

寡黙で頑固な人物だが、根は優しく、香を亡くした獠を気に掛けていた。獠は香瑩を引き取るが、彼も後に信宏を住み込みの店員として、ミキを養女として引き取ることとなる。


獠と協力関係にある新宿西警察署の署長。警察の情報を提供したり、獠達の騒動をもみ消したりしている。階級は警視正。獠とは長い付き合いで、彼の前の相棒である槇村の恋人でもあった。年齢は30代後半になっている。

勇敢で優秀な警察官というところは前作と共通しているが、香と同じく性格が異なり、セックスアピールが控え目で真面目、槇村よりも獠に好意を抱いている、年齢を気にしている、母親になることに憧れているなどの相違点がある。


獠の前の相棒で、香の義兄。彼が刑事をしながら「シティハンター」を始めたことになっている。前作では序盤で死亡するため、香との生活場面や警察官を目指した背景などは詳しく描かれなかったが、こちらでは彼の父も登場するエピソードが描かれている。東大に入学出来るほど優秀だったが、父の影響で高卒で警察官になった模様。

また冴子に結婚指輪を買っているなど、彼女とは明確に恋人関係だったことになっている。


新宿でストリートチルドレンとして暮らしていた幼女。容姿で言えば前作と最も変化があるキャラクター。本を読むことが上手。

関わる人を幸せにする不思議な力を持ち、海坊主と冴子に大きな影響を与えることになる。後に海坊主に引き取られ、彼の娘として暮らすようになり、小学校にも入学した。

海坊主とは前作ではパートナーだったが、今作では親子の関係になっている。


  • 李堅強(リ・ジィエンチャン)(CV:有本欽隆) / (演:竜雷太)

台湾最大のマフィア「正道会」の大ボス。周囲からは敬意を込めて「李大人(タイジン)」と呼ばれている。獠の旧友でもある。

香瑩の実父だが、13年ほど前に起きた部下の謀反により、長らく生き別れの状態だった。謀反で妻を失い、香瑩も生存が絶望視されていたが、彼女の生存を信じて探し続け、つい最近、偶然にも、彼女が「朱雀」にいることを知る。その直後に自殺してしまった香瑩を生かすために、輸送中だったドナー心臓の強奪と移植を命じた(この時点では香の心臓だとは知らなかった)。

反乱が原因とはいえ、娘を暗殺者にさせた上に、裏の世界に巻き込んでしまったことに強い自責の念を抱いており、自分が父親だとは名乗らず、正道会の新宿での内乱後は獠に娘を託した。

マフィアのボスらしく威厳のある人物だが、かなりの親馬鹿な面もある。


  • 李謙徳(リ・ジィエンダァ)(CV:有本欽隆

李大人の双子の弟。香瑩の実の叔父。兄と同じく獠とは長い付き合いだった。

兄の影武者を進んで務め、部下ですら本人と見分けがつかないほどだった。但し、幼い頃の香瑩は父が二人いると気づいており、その上で「両方とも好き」だと話していた。また謙徳の方も香瑩を本当の娘のように愛していたようである。

新宿に来訪していた際に、彼を李大人の弟とは知らなかった信宏に狙撃されてしまう。しかし死の間際に獠に香の心臓を利用したことを謝罪する言葉を託した。その遺灰は李大人の希望により海に撒かれた。


李大人に信頼されている侍従の老人。「玄武」の指揮官でもある。香瑩が獠と新宿で暮らすようになってからは、新宿で中華料理店「玄武門」を営みながら、後見人として彼女を見守る。獠と同様に女好きでもあり、年齢の割にはかくしゃくとしている。


  • 楊芳玉(ヤン・ファンユイ)(CV:緒方恵美

獠の傭兵時代の友人。隻眼の勇ましい雰囲気の女性で、性格も豪快。現在も傭兵を続けており、黒豹部隊を率いている。その一方で、各地の戦災孤児を引き取り育てる母親としての側面も持つ。

傭兵時代の獠にプロポーズされたことから、彼に惚れている。香の生前は身を引いていたが、獠と結婚しようと画策しており、現在は冴子をライバル視している。


  • カメレオン

変装を得意とする殺し屋。香瑩や獠ほどではないが、戦闘能力は高い。男性だが、普段は女装しており、女性言葉で話すこともある。その技量は非常に高く、本人と見分けがつかないほどの精巧な変装が出来る。

冷酷で悪趣味な性格だが、イケメン好きという面もある。


君塚弥生

笠井葉月


ドラマ版出演者

ミッキー・カーチス ゴリ 山寺宏一


正道会(チェンダオフェイ)

新宿に進出している台湾最大のマフィア。ボスは香瑩の父である李大人。李大人の弟・謙徳の遺産が台湾の国家予算一年分に相当していること、組織内で多数の暗殺者を育成していることから、相当な資金力を持つ組織だと窺える。

組織の実行役として暗殺部隊「朱雀」、戦闘部隊「青龍」、斥候部隊「白虎」、李大人直属の隠密部隊「玄武」が存在している。「朱雀」は個人行動が主で、「青龍」は複数行動で強襲をかける。「白虎」は斥候であるため、最も生存率が低い。「玄武」はこれらの部隊の中で最も強く、獠クラスの凄腕でなければ気配を感じることも出来ないほど。

各部隊の交流はないが、超一流の暗殺者であるグラス・ハートの名は他の部隊でも知られている。

他の部隊は不明だが、「朱雀」は幼少期から暗殺者としての過酷な訓練のみを施して育てた「殺人マシン」と称される隊員達で構成されている。香瑩も信宏も朱雀の訓練生だった。


呼称表

が\にシャンイン冴羽槇村野上ミキリュウ伊集院
シャンインわたしパーパマーマさえこさんミキちゃんシンホンうみぼうずさん
りょうシャンインオレかおりさえこミキちゃんシンホンうみぼうず
かおりシャンインりょうアタシさえこさんミキちゃんシンホンくんうみぼうずさん
さえこシャンインりょうかおりさんわたしミキちゃんシンホンファルコン
ミキシャンインりょうかおりさえこアタシシンホンファルコン
シンホンシャンインさえばさんかおりさんさえこさんミキちゃんオレダンナ
はやとシャンインりょうかおりさえこミキシンホンオレ

主題歌

オープニングテーマ

「虚ろな心」(第1話)

作曲:岩崎琢

「Finally」(第2話 - 第24話)

作詞 - 藤林聖子 / 作曲 - 森元康介 / 編曲 - Takuya Harada / 歌 - Sowelu

「Lion」(第25話 - 第38話)

作詞 - 松井五郎 / 作曲・歌 - 玉置浩二

「Battlefield of Love」(第39話 - 最終話)

作詞・作曲・歌 - 伊沢麻未 / 編曲 - DJ CLAZZIQUAI

エンディングテーマ

「虚ろな心」(第1話)

作曲:岩崎琢

「誰かが君を想ってる」(第2話 - 第12話、第14話 - 第19話、第24話、最終話)

作詞・歌 - Skoop On Somebody / 作曲・編曲 - 土肥真生 + SOS

「Daydream Tripper」(第13話、第20話 - 第23話)

作詞 - 森雪之丞 / 作曲 - 石井妥師 / 編曲 - 土橋安騎夫 & 石井妥師 / 歌 - U_WAVE

「My Destiny」(第25話 - 第41話)

作詞・作曲・編曲・歌 - カノン

「哀しみのAngel」(第42話 - 第46話)

作詞 - Satomi / 作曲 - 羽場仁志 / 編曲 - 水島康貴 / 歌 - 稲垣潤一

「FEEL ME」(第47話 - 第49話)

作詞・作曲 - 中西圭三 / 編曲 -上野圭市 / 歌 - 中西圭三


余談

アニメ『シティーハンター』には、「エンジェル・ハート」という名前のアニメオリジナルキャラクターの登場話がある。


獠が見惚れた27歳のグラマラスな金髪美女が実は海外のスイーパーであるエンジェル・ハートで、獠が彼女のサポートを申し出るというストーリー。


ゲストヒロインは自立した強い女性であっても弱さを見せ、それを獠が助けるという展開が多いなか、同話ではゲストヒロインのエンジェル・ハートは「地獄の天使」の異名を持つほどに強者で、獠にセクハラをされても動じないだけでなく、戦闘の窮地でも余裕がある。もちろん幾多も獠に助けられることになり、また最後には獠に心を許すが、助けられるお姫様というよりは、お互い対等な良き相棒といった関係性で、異色のエピソードといえる。



関連イラスト

<エンジェルハート>シャンインおやすみおやすみ


関連タグ

マンガ アニメ 北条司 シティーハンター

AngelHeart / エンジェルハート(表記ゆれ)


外部リンク

ドラマ公式サイト


同名の楽曲

エンジェル・ハート


キッドPが投稿した鏡音レンオリジナル曲

マジカル☆ぬこレンレンのイメージソング。


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