「フ……ン シティーハンター…冴羽獠──か」
「へんな顔でにらむなよ 槇村香──あんたの相棒の妹さ!」
プロフィール
身長 | 168cm |
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スリーサイズ | B87-W59-H86 |
年齢 | 27歳(本編初登場時では19歳) |
誕生日 | 1965年(アニメ版では1967年)3月31日 |
髪型 | ショートヘア(アニメや映画では茶色か赤茶色に描かれている) |
得意 | 裁縫、絵を描く |
不得手 | 機械操作、事務仕事 |
CV | 伊倉一恵 |
演者 | 相武紗季(ドラマ『エンジェル・ハート』)、森田望智(Netflix版『シティーハンター』) |
概要【シティーハンター】
『シティーハンター』の主人公であるスイーパー・冴羽獠の現在のパートナーであり、物語におけるメインヒロインでもある。
獠の相棒であり親友でもあった槇村秀幸の義妹である。
元々は香は兄の槇村秀幸とアパートで兄妹二人暮らしだった。
獠と出会う以前からも、兄から聞いた話で彼の事をよく知ってはいたが裏世界とは全く関わりが無かった。
香の20歳の誕生日である1985年の3月31日、兄の秀幸が麻薬密売組織『ユニオン・テオーペ』(TVアニメシリーズでは国内最大の犯罪組織『赤いペガサス』に変更)が報復として放った刺客により殺された事を獠から告げられる。
ユニオン・テオーペを敵に回した獠からは、殺された兄だけでなく妹である自分も抹殺対象となっていることを教えられ「金を持って逃げろ」と勧められるが、逆に沸き上がる悲しみを堪えて、大好きだった兄の仕事を継ぐ決心をしたのだった。
「どうした 泣いてるヒマはないんだぜ!!」
「ちがうわ わたしもこの街をでていく気はないの!!この街でやらなきゃ……ならないことが…できたから!!」
「………………………!?」
「あんたには新しい相棒が必要でしょ!」
こうして香は『シティーハンター』として獠の新たなパートナーに自ら志願し、冴羽アパートへと移り住む。
家事全般や新宿駅伝言板に書かれた『XYZ』の依頼チェック、依頼人との交渉、調査、お金の管理など、いい加減な獠をアシストするしっかり者だが、数ヶ月単位で閑古鳥が鳴くほど依頼が来ないことに加え、獠の依頼者の選り好みや、ツケでの飲み歩き、いつも何かしらの事件に巻き込まれてアパートや車を破壊する(される)のが原因だからか、常に金欠に悩まされている。
ちなみに獠はヤクザから巻き上げた1億円を僅か1週間で使い果たしてしまう超絶浪費家である。
依頼が全く無い時には、『冴羽商事』を宣伝するビラ配りをしていた。
香は手先が器用で自作と思しきマスコット人形やぬいぐるみをいくつも製作しており、獠を模したストレス解消用の等身大ぬいぐるみ『リョウちゃん人形』や、キーホルダー用のマスコット人形が登場している。
更に彼女は絵心もあり、冴羽商事のビラのイラストも彼女が描き、博学ではないが、代わりに流行や最新の時事・芸能的な要素に詳しく、獠(と読者及び視聴者)に説明することも。
仕事柄、動きやすい服装をする心掛けを獠から厳命されており、普段はロングスカートを身につけず、ミニスカートやパンツスタイルで行動している。
性格と容姿
基本的に香の性格は男勝りかつ勝気であり、いわゆるラムちゃんと双璧を成す「暴力ヒロインのはしり」である。
獠の『もっこり』には、後述の『100tハンマー』や『こんぺいとうシリーズ』等の様々な道具で天誅を下すのがお約束。
しかし、香本人は恋愛方面には全くの初心で鈍感であり、男性から惚れられても、その好意には他人に指摘されるまで全く気づかないばかりか、例え指摘されも冗談だと思って信じない程に鈍い。
反面、嫉妬深く依頼人に嫉妬心を燃やすのも多々あり、早とちりや嫉妬からハンマーで制裁することもあった。
普段は獠に惚れているが、実は中性的な美男子タイプに弱く、そうした相手の前では顔を赤らめる。
香の一人称は主に「アタシ」だが、高校時代に一人称が誰かさんの悪影響のせいで「オレ」になってしまい、そのせいで劇中に初登場した当初は一人称が「オレ」のままだった。
二人称は「おまえ」「アンタ」、激昂すると「てめえ」で、893言葉で喋ることが多かった。
物語が進むにつれて女性の依頼者達と多く絡んだせいか、言葉遣いは普段から女性語を操れるくらいに女性らしく成長していき、過去を知る高校時代の同級生だった北原絵梨子からは非常に驚かれていた。
初期の頃の香はショートヘアで長身のうえに言動や服装が男っぽく化粧も全くしなかったため、美男子やオナベに間違われることも多く、本人もかなり嫌がっていた。
原作漫画で初登場時の香は兄の秀幸とケンカして野暮ったい格好をして家出中であり、自分を男だと勘違いしてしつこく言い寄ってきた風俗嬢の客引き女を殴ろうとして、一部始終を見ていた獠から 「フ…みっともないぜ 男が女を殴るなんてな!!」 と顔をひっぱたかれる始末。
高校時代以前は、そのボーイッシュな容姿や性格からタカラジェンヌ的な意味なのか、同性に憧れを抱かれ、ラブレターやバレンタインチョコレートを山の様に貰う。
香の髪は癖毛であり、原作初期では逆立ったパンクヘアーのような髪形をしていたが、中期ではTVアニメ版と同様の落ち着いた髪形となり、更に原作後期では襟足が伸びてセミロングには至らない長さまで伸ばしていたのだが、海原戦の前には決意の表れとしてベリーショートに。その後は髪が多少伸びている。
香は怒ると巨大な『100tハンマー』を振り回すためにがさつで乱暴なイメージを抱かれがちだが、人当たり自体は決して悪くなく、普段は気さくで人懐っこい(100tハンマーを振り回す理由も獠の女にだらしない面が大半である)。
ハンマー攻撃する相手も専ら獠かミックに対してのみ(ただし、何故かミックは避けようと思えば避けられる)。
本質的には彼女は優しく、住む世界の裏表に関わらず誰に対しても分け隔てなく接する思いやりを持つ。
獠とはライバル関係にある海坊主やそのパートナーである美樹とも香は仲が良い。
冴子に対しては、彼女が獠を色目使いで騙してタダ働きさせて利用するために、香は初期の頃は毛嫌いしていた。しかし、彼女が亡き兄である秀幸の刑事時代の相棒だったと知って打ち解けてからは、獠の『もっこり』の抑止力として感謝する事が多い。
妹の麗香に対しては、彼女が「刑事時代の相棒だった友村刑事の仇討ち」の一件で世話になった獠に惚れ込んでしまっており、隙あらば獠と二人で「夫婦探偵」に成ろうと狙い続けているので一応警戒はしている。
この、香の「人としての暖かさ」は獠を皮切りに、依頼人や同業者のスイーパーであるブラッディ・マリィーやミック・エンジェルなどの裏社会の人間にまでも多大な影響を与える程である。
特にミックは本気で香に惚れてしまい、最終的には彼女のためにユニオン・テオーペをたった一人で敵に回すことすらも覚悟して仕事を放棄した程であった。
それと同時に、香は何事にも物怖じしない度胸と行動力も併せ持っている(ただし、幽霊みたいなオカルトは苦手)。
また彼女は芯が強く、犯罪者の娘であったがために血縁者とも生き別れになり、刑事だった義父の死後は唯一の家族だった義兄の秀幸をも殺されてしまうと云う暗い過去を持つものの、挫けずに真っ直ぐ生き続ける。そして、兄を失った悲しみや辛さを周囲には微塵も感じさせず、気丈に振る舞うのである。
獠からどれだけ突き放されようとも、彼について思い悩みながらも傍に居られるように努めており、ブラッディ・マリィーから自分が知らない獠の過酷な過去を教えられた際には、幼い頃の飛行機墜落事故のために自分の本名ばかりか自分の年齢も、そして誕生日すらも知らない獠のために「お互いが出会った日」を「獠の誕生日」だと決めて毎年一緒に祝おうと決めた。
その、香の気丈さと優しさはマリィーからも認められており、彼女の嘘偽りのない純心さは「女性を口説いて自分のものにするのが趣味」だったミックを本気で惚れさせた程であった。
獠から香は普段は女扱いされていないが、どんな依頼人に負けない持ち前のスタイルの良さに加え、ファッションデザイナーである友人の北原絵梨子のプロデュースによって化粧とカツラで変装した時は多数の男たちからナンパを仕掛けられている。
しかも、普段の外見のままでも新宿の街には香の隠れファンが多数いるらしく、本人が知らない間に隠し撮り写真が町中で売買されていたりした。
2019年公開のアニメ映画『劇場版シティーハンター 新宿PRIVATE EYES』でもプロのファッションデザイナーからその容姿とスタイルを評価され、ピンチヒッターのモデルとしてウエディングドレスを着用しての写真撮影を行い、撮影風景を見ていた周囲のモデル達からは大好評だった。
槇村家について
兄の槇村とは血の繋がりはなく、彼女は義理の妹である。
養子となる前の本名は久石香。
実の両親は生後間もなく離婚しており、香は刑事であった秀幸の父が追跡中に事故死させてしまった殺人犯・久石純一の娘だった。
当時まだ赤ん坊だった香は、槇村家に養女として引き取られ、秀幸の妹として育った。
実母は既に他界しているが、後に母に引き取られていた2歳上の実姉・立木さゆりが登場する。
さゆりと香は両親が離婚する直前、共に母親から指輪を買ってもらっている。獠のパートナーとなってからしばらくした経った頃にさゆりが依頼人として香の前に現れ、紆余曲折の末に彼女が実の姉だと知るに至る。
危険な世界に身を置く妹を心配したさゆりに彼女の赴任先であるアメリカへ連れて行かれそうになるが、最終的に香の意思を尊重し、元のままという形で収まっている。
さゆりはそれ以降は物語には登場していないが、ミックがさゆりの勤める『ウイークリー・ニュース』の特派員記者として働くことになる。
槇村家では香が養女であることは本人に伏せられており、20歳の誕生日を迎えたら母の形見の指輪を渡し、秀幸が真実を話す筈だった。
秀幸は知らなかったが、香は高校生の時点で自分が養女だとは気づいており、獠にそのことを話している。
但し香自身は非常に兄想いで、血の繋がりは無くとも心底大切に思っている。また兄の形見の指輪を大切にしている。
獠との関係
リョウ香も参照
実は香は19歳で獠と出会う以前に、高校時代に一度だけ彼と会っており、その日が3月26日であり、この日を獠の誕生日と決めたのである。
最初は刑事を辞めた兄が「仕事」で組んでいるチンピラ風貌の獠を訝しみ、正体を見極めようと彼の後を付けて写真を取るが気付かれてしまう。
その時、獠を襲ってきた暴漢達との乱闘騒ぎを見て香は腰を抜かしてしまい、獠は仕方なく彼女をアパートに連れて行くことにした。
獠は香を「男のガキ」だと勘違いしており、街中で女性をナンパしては口説いてばかりだった彼のスケベ行為の一部始終を見ていた香は「我が身の危険」を感じ、咄嗟に男子のフリ(獠曰く「変なシュガーボーイ」)をして誤魔化した。
その後も「シュガーボーイ」として獠に付きまとって、その正体を暴こうとするのだが、獠がその狂暴さとは裏腹に「公園で泣いていた少女」のために依頼料500円で仕事をしていた(しかもその500円玉を獠はこっそりと少女のポケットに返した)真実を知って、その優しい人間性を気に入り、兄の相棒として認めたのだった。
初期の香の「オレ」等の男言葉は、この時に獠に付きまとうために無理に男子のフリをしようと「獠の言葉使い」を真似していたらクセになってしまったことが始まりだったのだ。
ちなみに19歳の時に獠と再開して、男と間違われてひっぱたかれた日も偶然に3月26日だったのだが、獠は「シュガーボーイ」の一件を完全に忘れていたのか、香が誰だか全く判らなかった。
香が獠のパートナーになってからは、彼が唯一「もっこりしない女」だと公言されていた。
しかし、実は香が獠の相棒になりたての頃は頻繁に香で『もっこり』していた事実があり、物語序盤の強敵である将軍(ジェネラル)との戦闘中にも構わず香の悲鳴で欲情して『もっこり』してしまった時は「ところかまわずおっ立てるな!!気色悪い!!」と怒られていた(この頃の香にはまだお馴染みの『100tハンマー』はなかった)。
逆に中期になると獠が香に『もっこり』しないのを逆手に取って、獠に化けていた殺し屋『銀狐』の正体を香が暴いたりもした。
こうして紆余曲折を経て、パートナーとして長年過ごすうちに互いを信頼し、掛け替えのない関係を築く。
獠に惚れた依頼人もふたりの関係に入る余地なしと諦めて去っていくことが多い。
その影響で獠は人間らしい温かさを徐々に取り戻しており、アメリカ時代にパートナーだった者達からは驚かれている。
獠と香は互いに意地っ張りなのに加え、獠自身が不器用で(獠の過去や立場を考えれば仕方のない面もあるが)、香が恋愛面では非常に鈍感な事から、関係がなかなか進展しなかったが、様々な出来事や困難を乗り越え、物語終盤では会話をしなくても気持ちが互いに通じ合うまでになっていた。
100tハンマー
獠の『もっこり』に対しては、香は主に鉄槌『100tハンマー』や刺鉄球付き鎖鎌『こんぺいとうシリーズ』(1〜6号まである)を愛用し、天誅を下している。
他にも煩悩退散棒(寺の鐘をつく棒のようなもの)を使い、獠を布団でミノムシにしてアパートの屋上から吊るし上げを食らわせるなど制裁もどんどん過激になっていき、今や定番と化している。
ハンマーには大抵文字が書かれており、何も描かれていないパターンの方が少ない。
このほか『連載1周年記念プラチナハンマー』や『100ギガトンハンマー』、または『アニバーサリーVer.』として使用時の話数が描かれているものなど多数のバリエーションが存在。
香以外にもレギュラーキャラクターの女性や依頼人が持っており、これで迫ってきた獠を撃退するのが『シティーハンター』での「おやくそく」だった。
そのほぼ全てが獠に対するお仕置き用だが、香は幼い頃からハンマーを自作して愛用し、これでいじめっ子を撃退していた(毎回どこからハンマーを取り出しているのかは不明で、明らかに物理法則を無視した取り出し方をすることもある)。
このため、映画『劇場版シティーハンター 新宿PRIVATE EYES』では幼い頃は「爆走ハンマー女」と呼ばれていた。
兄の秀幸が撮った昔の写真の1枚に『ハンマーを自作する香』と云うタイトルが付けられた幼い頃の香を写したものがあり、持ち主同様にまだ小さいハンマーには「いちとん」と書かれていた。
あくまでギャグ要素であり、シリアスシーンでは牢屋の鉄扉を破壊できなかったり、悪人が撃った拳銃の弾であっさり破壊されたりと、さしもの天下無敵の『100tハンマー』もシリアスシーンでは小道具扱いで銃の攻撃には敵わない模様。
香の戦闘力
スイーパーとして香は最初こそド素人だったが、獠のパートナーとして過ごすうち様々な知識と技術を身につける。
当初は戦闘スキルが皆無で、危機意識が乏しく獠に守られることに依存していたが銀狐のリベンジに対して、獠にパートナーを辞めるように突き放された際、「プロ」としての意識に目覚める。
海坊主から彼の師である『マイケル・ガーラント』直伝のトラップを教わり、免許皆伝を与えられた。
そのトラップの腕前は銀狐を追い詰め、ミックと本気で対決した時にはリモコンでビルを半分だけ爆破して脅し、更に大量のトラップで牽制して応戦するなど大奮闘した。
依頼人の女性が冴羽アパートに宿泊する際は、獠が 「ひ…人の家をジャングルと勘違いしてんじゃねーのか?」 とぼやく程の海坊主仕込の様々なトラップをバスルームや寝室までの廊下に大量に設置して依頼人を獠の魔の手(もっこり)から守護する。
香が使用する拳銃は兄の秀幸の形見でもあるコルトローマン・MkⅢの2インチモデルである。
香は冴子から教えられるまで、獠から与えられていたこのコルトローマン・MkⅢが兄の形見だとは全く知らなかった。
香には射撃の才能はあったのだが、獠が渡したこのコルトローマン・MkⅢは「香に殺人をさせない為の細工」がされており、どんなに狙って撃っても銃身がブレて絶対に弾が命中しないようになっていた。
これを知らない香は自分には射撃の才能が無いのだと思い込んでいた。
但し、この状態でも標的に直接弾が当たらなくとも、跳弾で周辺の物品を破壊して間接的にターゲットにダメージを与えていた。
後に香の本気の想いを受け取った獠から「パートナーとして受け取ってほしい」とサイトとバレルを調整し直し「もうガラクタじゃあない」本来の状態となったコルトローマン・MkⅢを 「おれの おまえへの…あ(カンジンなセリフをとちった)…だ…」 として渡されている。
トラップの師匠である海坊主の影響か、重火器を好んで使い、戦闘スタイルはド派手で豪快そのもの。
バズーカ砲や対戦車ロケット弾による爆撃に加えて重機関砲の乱射、更には手榴弾の乱れ投げに至っては致命傷に成らない程度のダメージで相手を気絶させる器量はあり、これによって周囲は銃撃痕と爆発痕だらけの焦土と化すが死人は一人も出しておらず、その奇跡的な光景に獠や海坊主は「プラマイゼロ」の評価を述べている。
至近距離からのリボルバー式拳銃への護身法(撃鉄を起こしてないリボルバーはシリンダーを押さえるとトリガーが引けなくなる)も初期に獠から教えられており、元々運動神経は悪くなく、素手でも素早い身のこなしで敵を倒したこともある。
数々の依頼をこなしスイーパーとしての場数を踏むうちに度胸もついて戦闘スキルも高くなって行き、中盤では刃物を持った素人程度ならバッグを盾にして咄嗟にあしらえるようになり、終盤では獠なしで重火器や手榴弾を駆使して南ガルシアの諜報員を撃破した。
敵側からは獠の数少ない弱点(ウイークポイント)だと思われる事も多く、敵に何度も拉致されたり捕まったりしており、縛られることも多々あるが、その対策としてカミソリを隠し持ち、拘束を自力で解いた事が一回だけある。
また牢に閉じ込められた際には『100tハンマー』で破ろうとした事もあった(が、シリアスシーンではハンマーはただの小道具でしかなく、最終的には隠し持っていた手榴弾で扉を見張りごと吹っ飛ばした)。
香は根がお人好しで詰めが甘いが、『シティーハンター』である冴羽獠の相棒として活動できる程にポテンシャル自体は高いためか、屡々テロ組織や犯罪組織の術中に嵌まり利用されることがあった。
TVアニメ版『シティーハンター2』のアニメオリジナル回である第49話と50話「さらばハードボイルド・シティー(前編、後編)」では、香は前編でテロリスト集団『ブラック・アーミー』に拉致されて洗脳されてしまい、催眠装置付きイヤリングで操られることにより、組織の女エージェント『セイラ』として仕立てあげられ、後編では海上の船に居るブラック・アーミーのボスから遠隔操作される形で獠達と新宿のビル街で対決(そもそもこの「セイラ」というネーミングは個人名ではなく、組織の作戦用コードネームに過ぎない)する事態になった。
正確な射撃に、トラップの能力など、香の本来の実力が垣間見られる。
戦闘スタイルもいつもの重火器を撃ちまくる豪快なスタイルではなく、敵の力量を冷静に見極めて油断を突きく冷徹なものに変貌し、性格は作戦失敗後の自決も辞さない程のクールさとなった。
ブラック・アーミーによって小型原爆が仕掛けられた新宿のビル屋上で身も心も完全に『セイラ』と化した香は獠と対峙するが、「お前を撃ちたくない」と必死に訴える獠の脚を無情にもセイラは撃ち抜く。
それでも立ち上がり向かってくる獠にセイラは動揺するが、ボスの命令で原爆のスイッチを入れてしまう。
その時、催眠での指示に気付いた獠のコルトパイソンでの狙撃によって香の精神をコントロールしていた両耳のイヤリングは破壊される。
それでも、なおも香は正気には戻れずに獠の心臓を狙って銃を突き付けるが、獠の命懸けの説得により、涙を流しながら正気に戻る。
「いいさ…撃てよ。お前がもとに戻らないのなら、生きていてもしょうがない…」
「お前を泣かす男が、今はお前を…」
「あたし…あたしは……」
獠は神業のような狙撃によって起爆装置を解体し、さらに「白の配線」を切断した事で原爆はその機能を停止した。
しかし香は正気に戻った直後に気絶してしまっており、前後の記憶が曖昧でその時の事をよく覚えていなかった。
こうして香は数年間に渡って獠とコンビを組む中で、彼とアイコンタクトなしでも互いの行動が予測可能な程にまでなり、息の合ったコンビネーションを発揮できるまで成長。
相手の力量には下手なお世辞を言わない獠からも認められるようになった。
2019年の映画『劇場版シティーハンター 新宿PRIVATE EYES』ではオープニング前のアバンタイトルで見せた新宿の街中でのテロ集団との派手なカーチェイス以外は残念ながら香の戦闘シーンはなし。
最終局面で拳銃を手に黒幕の元へ単身乗り込むも不覚を取ってあっさりと捕まってしまった。
しかし、続く2023年の映画『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』では獠も真っ青になる程の驚異のドライビングテクニックを披露したり、海坊主のバズーカを借りパクして、いつものようにあらぬ方向へと砲撃して結果的に依頼人のピンチを救ったり、仇敵の『赤いペガサス』の武装集団に大損害を与える等の思わぬ戦果を上げていた。
劇場版&TVスペシャルでの活躍
基本的に中盤~終盤で捕まって人質にされるのがお約束となっており、戦闘シーンはほぼ皆無。
愛と宿命のマグナム(1989年)
東ガリエラ国の破壊工作資料が詰まったマイクロチップを巡る戦い。
獠と海坊主はピアニストのニーナから父親を探してほしいと依頼を受ける(友人からの紹介で二人を私立探偵だと思っている)。
例によって獠はニーナの着替えを覗こうとするなどセクハラをかまして来たため、香はあの手この手で獠を撃退することに。
実はニーナの祖父クラウスがマイクロチップを隠していたことが判明し、終盤では東ガリエラの駐日大使ボンダルの息が掛かった特殊部隊に拉致される。香はクラウスを助けるべくヘリコプターにしがみついて追い掛けるも敵は精鋭の特殊部隊。手も足も出ず捕まってしまった。
20年前、クラウスはニーナの父親が東ガリエラ情報部の人間だということで「娘(ニーナの母親)の前から消えなければお前を撃ち殺してやる!」と怒鳴り付けた過去があった。この時、クラウスの娘はニーナを身ごもっており、結果、ニーナは父親の顔を知らずに育つこととなった。
だがクラウスは、獠と香の信頼し合う姿を通して「娘から父親を遠ざけたのは間違いだったのではないか」と考えるようになっていた。香はクラウスから「どうしてそんなに明るくしていられるのじゃ? 怖くないのか? 自分を不幸だと思わないのか!?」と尋ねられるが、獠が助けに来てくれることを信じているから怖くないと答える。これはクラウスにとって決して小さくはない衝撃を与えた。
獠と海坊主が助けにやって来るが、香はボンダルの側近であるギュンターに人質に取られてしまう。隙を突いてギュンターの手に噛みつく香。更にクラウスが捨て身の体当たりをしたことで隙が生まれ、ギュンターは獠の銃弾の前に戦闘不能となった。
エンディングではニーナと父親が出会うところで幕を下ろす。改心したクラウスは何も言うことなく微笑を讃えて背を向けるのだった。
ベイシティウォーズ(1990年)
美樹と一緒にベイシティホテルの落成式に参加したところ、クロード少佐率いる兵士たちにホテルを占拠されてしまう。獠は美樹と共闘して抵抗するが、クロード少佐から「抵抗すればここの人々が犠牲になる」と脅され囚われの身となる。
ホテルの外では獠と海坊主も共闘していた。クロード少佐たちに彼らの正体がシティーハンターとファルコンであると知られ、香と美樹は人質として別室へと連れて行かれる。
美樹はドアを開けると起爆するトラップの部屋に拘束され、香の方は黒幕であるギリアム将軍がいるコントロールルームに軟禁される。
ギリアム将軍は南米のコステロ共和国の支配者だったが、麻薬の密輸を行ったことでアメリカ軍に追われる身となっていた。そこでホテルのスーパーコンピューターを用いてアメリカの防衛機構にハッキングし、ミサイルを落とすことで復讐しようとしていた。
しかもホテルを爆破することで自身の死を偽装して追及の手から逃れようとも画策していた。手始めに用済みとなったクロード少佐を手にかけようとする。香は助けようとしたがそれは叶わずクロード少佐は銃殺された。
ギリアムの娘ルナは、コンピューターのスペシャリストだった。彼女の手によって復讐が成されようとしたその時、獠が駆け付け銃口を向ける。しかしルナは「あなたに女性は撃てないわ」と言い放ちコンピューターを操作しようとする。
だが美樹と共に現れた海坊主がスーパーコンピューターを破壊したことで復讐計画は阻止された。追い詰められたギリアム将軍はホテルの爆破スイッチを押すが、獠によって撃たれ、体勢を崩したところで破損したスーパーコンピューターに触れ感電死する。
ホテルは爆破されたが香たちは無事に脱出していた。ルナと生き残った兵士たちが警察に連行される中、香は獠に問う。「あの時、海坊主さんが現れなかったらルナさんを撃っていた?」と。獠からは「さあな」という返答しか返って来なかった。
百万ドルの陰謀(1990年)
ベイシティウォーズの後日談。冒頭では香が獠に振り下ろした100tハンマーを片足で受け止められるというシーンが描かれた。
獠を引っ張り出して冴羽商事の広告活動をしていたところ、ロサンジェルスからやって来た美女エミリー・オハラから依頼を受ける。マフィアの息子の誘いを断って病院送りにしてしまい、命を狙われているらしい。報酬には100万ドル(日本円にして1億5000万)を支払うという。
報酬に目が眩む香。そこに付け込んだ獠は「もっこり一発も追加で!」と言い放つ。怒る香だが「100万ドルを諦めるか? もっこり一発をつけるか? 二つに一つだ」と強気な態度を取られ、結局報酬の方を選んでしまうのだった。
しかしエミリーへのセクハラは許さないとしていつもの攻防戦を繰り広げる。
エミリーをアパートに匿った後、スーパーに買い物に行くと海坊主と遭遇。恥ずかしそうにする海坊主から「ロサンジェルスから獠を狙った殺し屋が来ているらしい」と聞き、香はエミリーに疑心を抱く。
しかしエミリーの正体はCIAのキャリアエージェント(25歳)であり、獠を狙う殺し屋はダグラスという青年だった。エミリーはダグラスに兄を爆殺された過去があり、獠の側にいれば仇討ちが出来るとして近づいてきたのだ。
獠はエミリーに「引き金は憎しみで引くものじゃない。心で引くものだ」と語り復讐心から解放させようとしたが「銃は殺すための道具よ。あなたなんかに何が分かるの!」と跳ね除けられてしまう。
それを聞いた香は、兄を殺されたのは自分も同じだということ、そして兄と獠は親友だったことを告げる。獠の言葉がただの綺麗事ではないとエミリーに衝撃を与えた。
終盤ではエミリーの上司ディッグ支部長からの情報でダグラスのアジトが判明する。アパートから駆け出したエミリーを追い掛ける香。だがこれは罠だった。二人はダグラスによって催眠ガスを嗅がされ、廃墟となった競馬場に監禁されてしまう。
助けに来た獠とダグラスが激突する中、香とエミリーの前に黒幕であるディッグ支部長が現れる。シティーハンターを誘き出す餌としての役割を終えたということで銃を向けられるが、間一髪のところでダグラスを倒した獠が駆け付ける。
ディッグは自国と敵国の二重スパイとして情報を売り渡し荒稼ぎをしていた。それをエミリーの兄に知られたことでダグラスに暗殺させたというのが真相だった。しかも秘密をダグラスにも知られてしまったため、獠の暗殺という名目でぶつけさせ獠にダグラスを殺させようとしていた。
逃走するディッグだがエミリーの追跡によって逮捕され、最後に二人を爆殺しようと息を吹き返したダグラスも獠に殴り倒された。
ハッピーエンドかと思いきや獠はエミリーの下着を大量に隠し持っていた。そのことを見破った香は制裁のハンマーを振り下ろすのだった(ダグラスが獠対策に盗んでいた物を獠が取り返しただけで、獠が盗んだわけではない。まあ、獠が盗もうとしたら既にダグラスが盗んでいたというのが真相であるが……)。
シティーハンター(1993年・香港映画)
幼少の頃、兄を殺されたことで私立探偵の獠に引き取られた。だが階段を下りている内に成人女性に成長したことで獠を驚かせている(階段を下りるのは時間の流れを現していると思われる)。
獠にとって香は娘や妹のような存在なので恋愛感情は見られないが、香の方はまた違うようだ。
獠にハンマーでツッコミを入れるものの原作と比べると出番が少なく、香のポジションはヒロインの清子(家出した大新聞社の令嬢)に取られてしまっている。
清子を追って豪華客船に乗り込んだ獠と香は、船内を占拠したマクドナルド大佐たちと戦うことに。
中盤にて香は、屈強な敵幹部キムに見初められ寝室まで連れて行かれてしまう。色仕掛けで隙を作ってから殴るなど抵抗を見せたが、まったく歯が立たず力尽くで手籠めにされそうになる。だが駆け付けた獠がキムと激突をする。
しかし今度は獠が捕まってしまい、香だけは寝室から逃げ出す形となってしまう。獠は処刑されそうになるが、香は冴子たちの力を借りて救出に成功する。だがしかし、またもや香は大佐に捕まってしまう。香を助けるべく獠と冴子は協力して最終決戦に臨む。
ザ・シークレット・サービス(1996年)
ビデオ屋の源さんのところでアダルトビデオを鑑賞中の獠をハンマーでぶっ飛ばし、依頼が来ていないか確認しに行く香。依頼は来ていたが名前が男性だったため獠はさっさと姿を消してしまう。
その後、獠が金髪美熟女と一緒の車に乗っているのを目撃。ナイショのアルバイトを取ったと察し追い掛けることに。
依頼人はガイナム共和国の次期大統領候補ジェームス・マクガイア。獠と一緒にいた美女は秘書のローザ・マルチネスだった。
実はシークレット・サービス(冴子の部下)である新庄安奈は、マクガイアの生き別れの娘であった。脅迫状が届き安奈を襲うと脅され、彼女の護衛をしてほしいと依頼して来たのだ。
18年前、安奈はマクガイアの側で母親が息絶えているのを目撃していた。それからは遠ざけられるように日本へと送られ、父親との思い出がないまま今まで過ごして来た。そのことからマクガイアを「心の無い、虚栄心だけの人」「父親を憎みたくないから会いたくない」と複雑な感情を抱くようになる。
しかも母親が死因が『マクガイアが見つけたダイヤモンド鉱脈を掘り起こすかどうかの仲間割れに巻き込まれた』と知り、そんなもののために母親は死んだのかと父親を激しく憎悪するようになる。
しかし同じく肉親を失った香は安奈を放っておけず、始めは拒絶されたものの自信の境遇を絡めて話すことでマクガイアとの和解を約束させた。
敵の正体は、マクガイアのかつての同志ゴンザレスだった。ダイヤモンド鉱脈の在り処を白状させるために安奈の存在に目を付けていた。
終盤ではローザが拉致されてしまい、マクガイアは罠だと分かっていながらゴンザレスたちのいる船に乗り込む。安奈も追い掛けて囚われの身となってしまった。
獠と海坊主の活躍によってゴンザレス一派は一網打尽にされ、犠牲が出たものの安奈とマクガイアは救出された。
本作では珍しく香が人質にならず、また最後の戦いにも参加しなかっため終盤の出番が殆どなかった。
グッド・バイ・マイ・スイート・ハート(1997年)
本作の香は、新宿歌劇団の男役・真風笑美から依頼を受けて盛り上がるというミーハーな一面を見せている。逆に獠は、笑美に対して気のない態度を取るという対照的な描写がされた。
笑美(男装)のポスターに見惚れているところを獠から「そういう趣味だったのか。それなら二丁目のお姉さんを紹介してやるぞ」とからかわれた時は激怒し、獠の口を縫い付けてやると襲い掛かった。
とはいえ笑美も美女なので、獠が笑美のシャワーシーンを覗き見した後は積極的にいつものセクハラ攻防戦を繰り広げることに。
笑美は13年前に行方不明になった兄・武藤武明から花束が届いたことで日本に来ていることを確信。シティーハンターに兄を探してほしいと依頼する。
だがしかし、今の武明は海外で名を馳せるテロリスト――通称「プロフェッサー」と呼ばれていた。日本に来たのも妹の笑美を殺して過去を消すためであった。
そんな思惑を知らない笑美は今も兄の身を案じており、同じく兄を喪った香とは友人のような関係となる。
やがて武明に呼び出された笑美は、現在の兄がどんな人物なのかを知る。その後は自ら囮になることで武明を誘き出し、獠に命を奪ってでも兄を止めてほしいと頼んだ。
終盤では香と笑美が乗る新幹線に爆弾が仕掛けられてしまい、起爆すれば新宿中に仕掛けられた爆弾が一斉に爆発するという状況になる。
乗客たちがパニックになる中、香も動揺していたが獠から「守るんじゃなかったのか? 命にかえても彼女のことを!!」と叱咤されたことで冷静さを取り戻す。
爆弾は笑美が座る椅子に仕掛けられており、衝撃はもちろん重量が変化すれば即座に爆発する。始めは取り作っていた笑美も恐怖に耐えられなくなるが、香が励ましたことで立ち直らせた。その後、獠の提案により体重の近い香が椅子に座ることで笑美は自由を取り戻す(笑美の体力と精神力ではこれ以上は持たないと判断された)。
終盤ではプロフェッサーが直接車内に乗り込み獠と壮絶な一騎討ちを繰り広げることに。
緊急生中継!? 凶悪犯冴羽獠の最期(1999年)
今作では香のサービスシーンがあるのが特徴。
テレビ局“メガシティーテレビ”の陰謀によって獠がニュースキャスター朝霧さやかを誘拐したと仕立て上げられる。だがさやかこそメガシティーテレビに命を狙われており、マッド・ドッグなる人物にジャック社長を殺されて局を乗っ取られたという。
香は共に逃亡しながら獠のセクハラからさやかを守り続ける。
ストーリーが中盤に入る付近で香は男装をするのだが、そのまま戦闘の女湯に入ろうとしたことで番台のおばちゃんに注意されてしまう。そこでシャツをたくし上げ、ズボンを下ろして下着姿(ピンク)を晒すことで女性だと証明しようとした。しかしそれでも怪しい目で見られたため「悩むな!」と怒ってしまうのだった。
終盤ではメガシティーテレビがでっち上げの放送をしているとして腹を立て、無謀にも敵地に乗り込む。そこで死亡したはずのジャック社長から声を掛けられ驚愕。社長室に通されて話をするが、いつの間にか背後に回って来ていたマッド・ドッグに睡眠薬を嗅がされてしまう。
監禁部屋で目を覚ますとなぜか目の前にはさやかがいた。だがさやかは獠も香も知らないと言い放つ。
「まるでさやかさんが2人いるみたい……」と口にしたことで、依頼人の“朝霧さやか”は偽物だったことに気づく。ジャックもマッド・ドッグも“朝霧さやか”もグルであり真の標的は獠だったのだ。
香は爆薬を仕込んだブラを取り外すとドアノブに巻き付けてを爆破しようとしたが、火種がないことに気づき断念。結局いつものハンマーを取り出して力尽くでドアを破ることに。
テレビカメラを通して獠がジャックとの一騎討ちの最中であることを知り、最後の戦いの場へと向かう。そこへ“朝霧さやか”――ジャックの恋人サユリ・クラウディアが立ちはだかる。
10年前、獠とジャックはサユリの愛を巡って決闘をしたが、獠は止めに入ったサユリに構わず引き金を引き彼女を撃ってしまっていた。そのことからサユリはジャックの恋人になり、共に獠を殺す計画に加担したのだった(サユリは整形してさやかの顔になっていたが、獠は最初から“朝霧さやか”の正体に気づいていたという)。
香はこれらの事情は知らなかったがサユリから「獠は私に銃を向けて撃ったのよ!!」と言われても「ブラを盗んでもあいつは女を撃ったりしないよ! 獠のパートナーだから分かる!」と笑顔で返す。
直後、サユリは当時の獠が自分のペンダントを狙って撃ったことに気づく。そしてサユリは獠とジャックの決闘に割って入り、皮肉にもジャックの凶弾の前に倒れてしまう。そしてジャックは、獠によって撃たれこの世を去った。
サユリは10年前の決闘を止めに入った時、ジャックを庇うように立っていた。その姿に何かを感じたのか、獠はわざとサユリのペンダントを撃ち、黙って姿を消してしまった。結果、サユリはジャックの恋人になった。
しかしサユリのペンダントの中には獠の写真が入っていた。なぜ獠は自分を撃ったのか、本当に殺意があったのかを確かめることが目的だったのだ。
ジャックは最後にテレビ局を爆破するという置き土産を遺していたが、獠と香は大怪我を追いながらも生存。仲良く入院生活となり、懲りずに看護婦たちをナンパする獠に制裁のハンマーを振り下ろすところで物語は幕を閉じる。
概要【エンジェル・ハート】
香瑩の事実上の義母として、獠同様に彼女の保護者になっているが、獠と結婚式の写真を撮る道中、車に轢かれそうになった子どもを庇い交通事故で亡くなり、第1話の時点で故人。
生前にドナー登録をしており、彼女の心臓は死後に移植用として摘出されていたが、その心臓が正道会に強奪され、グラス・ハート(香瑩)に移植され物語が始まる。
本来は起こりえない事であるが、心臓が移植された香瑩の中に意識として生き続けている。移植により死んで苦しみから逃れようとしていた香瑩の心に変化が起き、組織を脱走して獠の元へ。また暗殺者の香瑩が普通の人間として生きることに彼女の心臓も影響を与えるようになる
(上述の通り「ドナーの意識が残る」ことは現実では起こり得ないが、現実でもドナーの記憶が僅かに受け継がれ、レシピエントの性格に変化がみられるといった報告もあるにはある。「記憶転移」と呼ばれているが、現状解明出来ておらず、反論も多い)。
事故死する直前に獠にプロポーズされており、本作でのふたりの関係は最初から実質的に内縁の夫婦。自分の心臓を受け継いだ香瑩を娘と思っており、獠と共に香瑩の義親となる。
槇村家の養女であることはシティーハンターの時と共通しているが(後に生き別れの実姉・立木早百合が登場する)、こちらでは獠のパートナーになる前に看護師をしていた。獠とも患者として出会い、名前のなかった獠に「冴羽獠」の名前を付ける。(多くの偽造パスポートや免許証の中のひとつにあった名義が『冴羽獠』)
またかなり男勝りだった前作に比べ、こちらでは母性的で慈愛深い性格になっている。
シティーハンターでは獠が銃に細工をして正確な射撃が出来なかったが、こちらでは本当に射撃の才能が無かったという設定である。
なお、エンジェル・ハートに於いても100tハンマーは健在で、彼女の自室クローゼット内に一本備え付けられ、娘になった香瑩に受け継がれた。
関連イラスト
関連タグ
シティーハンター / エンジェル・ハート 武器:100tハンマー
パートナー:冴羽獠 / 義兄: 槇村秀幸 / 養女:香瑩 義理の父:海原神 / 友人:美樹
師匠:海坊主 / お得意様:野上冴子 / 実姉:立木さゆり / ご近所さん:ミック・エンジェル・名取かずえ / 幼馴染み:御国真司 親友:北原絵梨子
カップリングタグ
関連人物
神谷薫:別作品のヒロイン。そのお転婆な性格と、主人公の過酷な過去と正体を知ってもなお傍で支えようとする姿勢が共通している。名前もどこか似ている。但し香の方が料理上手である。
神凪綾乃:風の聖痕の女主人公。スケベな何でも屋の主人公に武器でツッコミを入れる、身内を殺されたことで主人公と共闘して仲を深める、赤髪(黒髪)のヒロイン、才能はあるが主人公たちと比べるとまだ未熟など共通点がある。
リーンベル:エンドオブエタニティのヒロイン。「軍隊出身の凄腕の何でも屋と同居している」「気が強く、何でも屋のスケベな言動には容赦なく物理的なツッコミを入れる」「実力的にはまだまだ未熟」など類似点が見られる。ただし恋仲になるのは何でも屋とは別の人物。また「研究所から逃げて来た被験者でコードネームで呼ばれていた(体内にあるものが移植されている)」など香瑩との類似点も見られる。