概要
CV:山寺宏一
IT企業ドミナテックの社長。26歳。
アメリカの大学に留学中、若干20歳で会社を興し、僅か6年で大企業へと急成長させた新進気鋭の敏腕青年実業家。
非常に爽やかなルックスと紳士的な物腰の好青年で、浮ついた噂のないクリーンなイメージから世の女性たちの注目を集めている。
モデルの進藤亜衣とスポンサー契約を結んでいる。
槇村香とは同じ小学校に通っていた幼馴染でもあり、当時は眼鏡をかけた線の細い少年だったため、「ひょろっち」というあだ名で呼ばれていた。
少年時代は難しい本ばかり読んでいた大人しい性格で、何をされても動じることがなかった。
過去に悪ガキたちにいじめられそうになっていたところを香のハンマー攻撃で救われたことから香に対して特別な感情を抱いており、亜衣の撮影現場で香と再会して以降、彼女に「自分のパートナーになってほしい」と積極的にアプローチするようになる。
以下劇場版のネタバレを含みます。
亜衣の家庭を崩壊させた黒幕であり、その正体は自社で製造した兵器を売り捌こうと企む死の商人。
普段の言動からは想像もつかないが、その本性は冷酷非道かつ自己中心的。香に対しては異常なほどの独占欲が渦巻いている。
アメリカの大学で戦争経済について学んでいた御国は、戦争そのものを起こすのではなく、“戦争が起きるかもしれない”という恐怖を煽ることで武器を売るという「ウォーフェア理論」を論文にまとめ、それに興味を持った大物武器商人ヴィンス・イングラードの支援を受けてドミナテック社を立ち上げると、脳科学の研究者だった亜衣の父・酒井純一博士を「(従わなければ)妻子に危害が及ぶ」と脅迫してドミナテックに引き抜き、脳波で無人機器を遠隔操作する脳科学念動システム「メビウス」を開発させ、それを軍事転用した殺戮兵器を売り捌いて儲けようと企む。
本編から1か月前、メビウスを完成させた酒井博士は御国の真の目的を知ってその方針に反対し、システムに厳重なロックをかけた上で逃走。途中、自分のスマートフォンに娘へのメッセージを残したのだが、その際に車の運転を誤って交通事故を起こしてしまい、そのまま死亡してしまった。
亜衣とスポンサー契約を結んだのは、博士が鍵を託した彼女に接触するためで、表向きはスポンサー企業の社長として接し、裏では手下を使って彼女の身柄を抑えようとしていた。やがて事故直後に現場から回収しておいた博士のスマートフォンのデータ復旧が完了すると、「父の遺言を聞かせる」という餌で亜衣を自分らの元へ来るよう仕向けた。
そして亜衣の瞳のデータを入手してメビウスのロックを解除した御国は、ヴィンスをはじめ世界中から招いた武器商人たちを相手に、新宿の街を舞台にしたメビウスのプレゼンテーション…新宿ウォーフェアを実行に移す。新宿駅周辺に自社で開発した戦闘用ドローンや陸戦用のクモ型ロボットを大量投入し、亜衣と駅周辺にいる一般の人々を餌に本命のターゲットである冴羽獠を誘き出す。
獠をターゲットにした理由は、裏社会でも有名な新宿の凄腕スイーパーである彼を殺害することで自社の技術力と兵器の優秀性を誇示すると同時に、幼馴染の香が自分に靡かない元凶である彼を排除すべき邪魔な存在だと見なしたためでもある。
新宿駅から始まった新宿ウォーフェアは新宿遊園に舞台を移し、獠と海坊主を相手に激しい戦闘を切り広げる。自社の「商品」に絶対の自信を持っていた御国だったが、獠と海坊主の実力を見誤っており、ドローンとクモ型ロボットを次々に破壊され、切り札の強襲用大型ドローン…通称「鋼の死神」を投入。獠に対する殺意から、普段の爽やかな態度からは想像もつかない顔芸を披露しながら鋼の死神で攻撃する。強力なロケット弾と強固な装甲、弱点のローター部を守るシールドと、獠をして「反則」と言わしめる性能で彼を追い詰めていく。
途中、自分を説得しに現れた香に驚いた隙に、熱源センサーで標的を感知するシステムであることを見抜いた獠が池に逃亡したことで撹乱された上に獠の誘導でドミナテックの本社ビルにロケット弾が命中してしまう。
激昂した御国はヴィンスの忠告を無視して獠を仕留めることに固執するが、最後は高性能な火器の数々が仇となり、ロケット弾の発射間隔を見切った獠に発射直後のロケット弾を拳銃で撃ち抜かれ、誘爆によって機体は内部から爆発。その衝撃で崩れた岩山の下敷きになり、鋼の死神も完全に破壊されてしまった。
新宿ウォーフェアが失敗し、ヴィンスに支配権を全て乗っ取られそうになるが御国はこれを拒否。香を殺そうとしたヴィンスを射殺して新たなウォーフェア・メーカーを名乗り、往生際悪く兵器を作り直そうとメビウスのプログラムが入った端末を持ってドローンで逃亡する。
しかし、ビルに乗り込んできた獠に端末を拳銃で撃ち落とされ、それを回収しようと降下したところで、自分を追ってきた香に銃を向ける。
この時点で御国にとって香も最早「自分を理解しない、拭い去るべき汚点」と化しており、引き金を引こうとするが、それよりも一瞬早く、香の陰に隠れていた獠の弾丸が御国の拳銃を破壊。そして亜衣の願いにより、彼女の父親の遺産であるメビウスも獠に破壊され、文字通り全てを失った御国は警察に逮捕された。
劇場版本編では、御国がウォーフェアの舞台に故郷である新宿を選んだ理由は語られなかったものの、新宿を「くだらない街」「消えてしまって構わない」と新宿を恨んでいるような発言が見られた。
ノベライズ版では御国の過去や、彼が新宿を憎む理由について掘り下げられている。御国の実家は町医者であり、ある日、重病を患った少女を治療し、一時は小康状態となったが、その翌日に急性の発作で命を落としてしまう。
その後、御国家はその少女の父親と彼の組織から圧力をかけられるようになり、父に救われ「いつか恩を返す」と言っていた町の人たちも自分が巻き込まれることを恐れて見て見ぬふりをし、やがて両親は心労が祟って体を壊し、病死してしまった。
そして、両親の遺産を使ってアメリカに留学した御国は「力を持つことが正義」、「力は行使して初めて価値が出る」という“真実”を見出し、新宿を「両親を死に追いやり、自分を追い出した街」として憎むようになる。それに伴い、いじめっ子を追い払ってくれていた香の存在も上述した“真実”を教えてくれた恩人という歪んだものへと変わっていった。
関連タグ
新宿PRIVATEEYES サイコパス 片思い 絶対殺すマン ヤンデレ
北辰…中の人が同じ劇場版のみに登場するド外道キャラ。
アルバート・マーベリック…科学技術を悪事に転用しようとした悪人つながり。さらにそれに反抗した技術提供元の人間を殺害している点でも共通している。
リディ・マーセナス…ある人物への失恋の傷心から主人公に強い憎悪を向けている点で共通。上述の顔芸を披露しながらメビウスを真っ赤に発光させるシーンはあたかもNT-Dが発動したサイコフレームのようである。
オルフェ・ラム・タオ…本作からほぼ丸5年後の同時期公開された同じ制作会社の劇場版作品のラスボスで、こちらも主人公の恋人を自分のものにしたいがために主人公を殺害しようとした人物。ヒロインへの病的ともいえる独占欲から主人公に対しひたすら罵詈雑言を浴びせる、もう一つの行動原理が「戦争抑止のプランを成就するための過剰武力を用いた恫喝行為」であるなどキャラとしてはかなり似通っている。
デビン・ウェストン…同じく軍事力や権力を私欲の為に好き勝手に使った悪逆非道な社長同士。ただし御国と違って無能そのものでカリスマ性も大した事がないとある意味、御国以上に救いようのない存在である。
風の聖痕…シティーハンターと設定や雰囲気が似ているライトノベル。番外編《すべては愛のために》に登場する土御門貴明&香久夜という兄妹は、御国との共通点が多い。特に妹の香久夜は、本性を現した御国とまったく同じ役回りを演じている。主人公の過去も「周囲から虐められていたところをサブヒロインに助けられ、海外に逃げた後もそのことを忘れずにいた」など御国とちょっとだけ似ている。