概要
作者は初野晴。角川文庫(KADOKAWA、旧角川書店からの引き継ぎ)から刊行されている。
とある高校の弱小吹奏楽部に所属する上条春太と穂村千夏のコンビが、吹奏楽コンクールの全国大会”普門館”を目指して奮闘するかたわら、日常生活に巻き起こる様々な謎を解決していく様子を描く。
なお、舞台となった高校(清水南高校)が所在する設定の地は、作者の本籍地である、静岡県清水市(現在の静岡市清水区)であったりする。
メディアミックス
テレビアニメ
2015年6月にP.A.WORKSによってTVアニメ化が決定、2016年冬アニメとしてTOKYOMX、テレビ埼玉、千葉テレビ、tvk、三重テレビ、岐阜放送、サンテレビおよびBS11ほかにて放送された。
コミカライズ
テレビアニメ版の製作に合わせる格好で、KADOKAWAの漫画雑誌「少年エース」2015年12月号からコミカライズ版が連載されている(作画担当はぶーた)。
実写映画
2016年3月17日に実写映画版(監督:市井昌秀)の製作決定が発表され、2017年3月4日から全国のシネマコンプレックスにて公開されていた。
作品情報
既刊一覧
当初角川書店から刊行され、現在は角川文庫に引き継がれている。
なお、発売日は角川文庫のものを記載している。
巻数 | 書籍名 | 発売日 | 巻末解説 |
---|---|---|---|
1 | 退出ゲーム | 2010年7月24日 | 千街晶之 |
2 | 初恋ソムリエ | 2011年7月23日 | 大矢博子 |
3 | 空想オルガン | 2012年7月25日 | 杉江松恋 |
4 | 千年ジュリエット | 2013年11月22日 | 川出正樹 |
5 | 惑星カロン | 2015年9月30日(※) | |
6(番外編) | ひとり吹奏楽部 | 2017年2月25日 |
(※)文庫本ではなく、レーベルはKADOKAWAとなっている。
TVアニメ版
題名 | ハルチカ~ハルタとチカは青春する~ |
---|---|
原作 | 初野晴 |
監督 | 橋本昌和 |
総作画監督 | 大東百合恵 |
楽器作画監督 | 杉光登 |
美術監督 | 佐藤歩 |
撮影監督 | 並木智 |
音響監督 | 飯田里樹 |
シリーズ構成 | 吉田玲子 |
キャラクター原案 | なまにくATK |
キャラクターデザイン | 西田亜沙子 |
色彩設計 | 井上佳津枝 |
CGディレクター | 平田洋平 |
編集 | 高橋歩 |
音響効果 | 中野勝博 |
音響製作 | グロービジョン |
音楽 | 浜口史郎 |
音楽プロデューサー | 吉江輝成 |
音楽制作 | ランティス |
アニメーション制作 | P.A.WORKS |
各話リスト
話数 | サブタイトル | アイキャッチ |
---|---|---|
第1話 | メロディアスな暗号 | 穂村千夏 |
第2話 | クロスキューブ | 上条春太 |
第3話 | 退出ゲーム | 成島美代子 |
第4話 | ヴァナキュラー・モダニズム | マレン・セイ |
第5話 | エレファンツ・ブレス | 朝比奈香恵&朝比奈紗恵 |
第6話 | スプリングラフィ | 後藤朱里 |
第7話 | 周波数は77.4MHz | 芹澤直子 |
第8話 | 初恋ソムリエ | 檜山界雄 |
第9話 | アスモデウスの視線 | 片桐圭介 |
第10話 | ジャバウォックの鑑札 | 上条春太&穂村千夏 |
第11話 | エデンの谷 | 草壁信二郎 |
第12話 | 共鳴トライアングル | 檜山界雄、マレン・セイ、上条春太、穂村千夏、成島美代子、後藤朱里 |
あらすじ
春——— それは新たな出会いと思わぬ再会、
そしてミステリアスな旋律と共に幕を開ける。
高校への進学を機に、吹奏楽を始めることを決意した穂村千夏(チカ)。
目指すは華麗で乙女なキュートガール。
音楽教師・草壁と出会い、憧れを募らせるチカだったが、
幼なじみの上条春太(ハルタ)との再会に廃部寸前の吹奏楽部と、
チカの青春は思いもよらない方向へ……。
部員集めに翻弄する日々と、仲間たちと交わす友情、
そして次々に現れる謎(ミステリ)。
チカとハルタの奏でる音楽が今、高らかに鳴り響く!
(TVアニメ版公式サイトより引用)
登場人物
清水南高校吹奏楽部
穂村千夏(ほむらチカ)
実写映画版:橋本環奈/TVアニメ版:ブリドカットセーラ恵美
通称『チカ』。本作の語り部で、吹奏楽部でフルートを担当する。
中学時代まではバレーボール部で、高校からは女の子らしくなろうと吹奏楽部に入部する。
ホルン担当のハルタとは幼馴染で、また同時に彼との三角関係に頭を悩ませている。
上条春太(かみじょうハルタ)
通称『ハルタ』。中性的な顔立ちの美形で頭脳明晰。吹奏楽部でホルンを担当する。
チカとは小学校に上がるまで家が隣同士だった幼馴染で、高校で9年振りに再会。彼女との三角関係に悩んでいる。
草壁信二郎(くさかべしんじろう)
学生時代に東京国際音楽コンクールの指揮部門で2位になった経歴を持つ、将来を嘱望された指揮者であったが、何故かその道を捨てて教職についている。
穏やかで生徒思いの先生で、チカとハルタの憧れの人である。
成島美代子(なるしまみよこ)
CV:千菅春香
オーボエ担当。中学時代に吹奏楽コンクールで普門館(全国大会)に出場した経験を持つ。
ハルタとチカに吹奏楽部に勧誘された際、亡くなった弟が遺した六面全てが白色のルービックキューブを完成させてみせろと挑む。
マレン・セイ(Mullen Sei 馬倫清)
CV:島﨑信長
アルトサックス担当。中国系アメリカ人で、「マレン」が姓、「セイ」が名。
父親がサックス奏者であり、自身もサックスの名手。演劇部の幽霊部員だったところを吹奏楽部にスカウトされる。
片桐圭介(かたぎりけいすけ)
トランペット担当。清水南高校吹奏楽部の部長を務め、ハルタとチカのひとつ上の先輩にあたる。
後藤朱里(ごとうあかり)
CV:山田悠希
バストロンボーン担当。ハルタとチカのひとつ下の後輩で、中学校から吹奏楽部に所属している。
芹澤直子(せりざわなおこ)
プロのクラリネット奏者を目指す女子生徒。筋金入りのアンチ吹奏楽部。
とある事情により進路の再考を余儀なくされていた時に吹奏楽部からの誘いを受け、一度は断るもののその後度々関わりを持つこととなる。
檜山界雄とは幼馴染の関係。
檜山界雄(ひやまかいゆう)
ローカルFM放送のトーク番組でラジオパーソナリティを務めていた、不登校だった男子生徒。
中学2年の頃まで市のジュニアマーチングバンドに所属していた。芹澤直子とは幼馴染の関係。
清水南高校吹奏楽部(アニメ・コミカライズ版)
朝比奈香恵(あさひなかえ)
CV:小見川千明
クラリネット担当。双子の姉で、ハルタとチカのひとつ上の先輩にあたる。
朝比奈紗恵(あさひなさえ)
CV:宮島えみ
チューバ(バス・チューバ)担当。双子の妹で、ハルタとチカのひとつ上の先輩にあたる。
西川真由(にしかわまゆ)
CV:幸田夢波
コントラバス担当。成島美代子の元友人で、ハルタとチカの勧誘活動に協力した。
アニメ版ではそれが縁となり、自身もハルタ、チカ、成島に勧誘されて吹奏楽部に入部している。
清水南高校吹奏楽部(実写映画版)
宮本(みやもと)
演:平岡拓真
サックス担当。野球部での故障をきっかけに吹奏楽部に入部する。
妙子(たえこ)
演:上白石萌歌
チューバ担当。チカの勧誘によって吹奏楽部に入部する。
わかば(わかば)
演:二階堂姫瑠
オーボエ担当。吹奏楽部部長である片桐圭介の彼女。
その他の登場人物
日野原秀一(ひのはらしゅういち)
CV:松田健一郎
清水南高校の生徒会会長を務める、ハルタとチカのひとつ上の先輩。
好きな言葉は「天上天下唯我独尊」。頭のてっぺんから爪先まで変人。
名越俊也(なごえしゅんや)
CV:西地修哉
清水南高校演劇部の部長。
生徒会執行部にマークされている「ブラックリスト十傑」のひとり。
藤間弥生子(ふじまやえこ)
CV:福圓美里
演劇部の部員で、黒い丸眼鏡をかける女子生徒。安定した暮らしを求めない役者魂の持ち主。
萩本肇(はぎもとはじめ)
CV:亀岡孝洋
清水南高校発明部の部長。「ブラックリスト十傑」のひとり。
萩本卓(はぎもとすぐる)
CV:織田圭祐
発明部の部員で、萩本肇の弟。「ブラックリスト十傑」のひとり。
麻生美里(あそうみさと)
CV:五十嵐裕美
地学研究会の部長。ヘルメットを被る黒髪の美少女で、「ブラックリスト十傑」のひとり。
朝霧亨(あさぎりとおる)
CV:木村良平
「初恋研究会」代表。「ブラックリスト十傑」のひとり。
芹澤響子(せりざわきょうこ)
CV:逢川亮子
芹澤直子の伯母。オーストラリアで雑貨店を営んでおり、清水南高校の卒業生でもある。
岩崎浩二(いわさきこうじ)
CV:西山宏太朗
私立の名門校、藤が咲高校吹奏楽部の部長を務める男子生徒。ユーフォニアムを担当している。
(※フルネームは原作5巻『惑星カロン』の登場人物一覧より)
松田(まつだ)
CV:前田玲奈
藤が咲高校吹奏楽部の副部長を務める女子生徒。三つ編みが特徴。
堺(さかい)
CV:丹沢晃之
藤が咲高校吹奏楽部の顧問。部員への激烈指導やその体格から『ゴリラ』というあだ名で呼ばれている。
大河原有佳(おおかわらゆか)
CV:浅野真澄
藤が咲高校で教育実習を受けている夜間大学の実習生。31歳。
同高校の出身であるが、校則違反を理由に自主退学をしている。堺はその当時のクラス担任で、彼女が藤が咲高校で実習を受けることが出来たのも堺の尽力によるものである。
渡邊琢哉(わたなべたくや)
CV:諏訪部順一
吹奏楽部顧問の草壁信二郎を取材しようとする、飄々とした立ち振る舞いのフリーライター。
上条南風(かみじょうみなみ)
CV:生天目仁美
ハルタの姉で、上条家三姉妹の長女。一級建築士。彼の複雑な人格形成に影響を及ぼしたひとり。
山辺真琴(やまのべまこと)
CV:高垣彩陽
高名な音楽家、故・山辺富士彦の孫娘。クラビエッタを携えて日本各地を放浪する謎多き27歳で、その出で立ちから『スナフキン』というあだ名を付けられる。
主題歌
オープニングテーマ
「虹を編めたら」
歌 - fhána 作曲 - 佐藤純一 作詞 - 林英樹
エンディングテーマ
「空想トライアングル」
歌 - ChouCho 作曲・編曲 - 中山真斗
作中に登場する楽曲
「初恋ソムリエ」
交響曲第6番「悲愴」(Symphony no6 (Pathetique))より 第1楽章/ピョートル・チャイコフスキー
(清水南高校吹奏楽部のコンクール自由曲(※B部門で出場)として登場)
「空想オルガン」
喜歌劇「こうもり」(Die Fledermaus)/ヨハン・シュトラウス2世
(県大会B部門の「台風の目」と呼ばれる新進気鋭の高校、清新女子高校吹奏楽部のコンクール自由曲として登場)
「千年ジュリエット」
クラリネットと管弦楽のための第1狂詩曲(Première Rapsodie for Clarinet and Orchestra)/クロード・ドビュッシー
(文化祭における吹奏楽部のプレゼンを急遽変更した芹澤直子と山辺真琴が、クラリネットとピアノで即興演奏を披露する)
ウィーアー!/田中公平
映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」より 彼こそが海賊(ウィンズスコア版)/ハンス・ジマー 編曲:宮川成治
ユーロビート・ディズニー・メドレー(Eurobeat Disney Medley)/編曲:磯崎敦博
シング・シング・シング(Sing Sing Sing)/ルイ・プリマ 編曲:岩井直溥
(清水南高校文化祭における吹奏楽部の演奏曲として登場)
交響曲第9番 ホ短調 作品95「新世界より」(From the New World)第2楽章/アントニン・レオポルト・ドヴォルザーク
(文化祭終了後、屋上に上がったマレン・セイが録音放送の代わりに独りで演奏する)
TVアニメ「ハルチカ~ハルタとチカは青春する~」
歌劇「ローエングリン」より エルザの大聖堂への行列(Elsa's Procession to the Cathedral - from"Lohengrin")/リヒャルト・ワーグナー
(藤が崎高校吹奏楽部のコンクール自由曲として登場。TV番組として放送され、穂村千夏が吹奏楽部に入部しようと決意するきっかけになっている)
ホルン協奏曲 第1番(Horn Concerto No 1 in D major KV412)/ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
(屋上で個人練習をしていた上条春太の練習曲として登場)
白鳥の湖(Swan Lake)/ピョートル・チャイコフスキー
(成島美代子の中学時代のコンクール自由曲として登場)
吹奏楽のための第1組曲 変ホ長調(First Suite for Military Band in E♭)/グスターヴ・ホルスト
第3楽章「マーチ」(March)
(藤が咲高校との合同練習において、藤が咲高校吹奏楽部が練習曲として演奏する)
「カルメン」第1組曲より 闘牛士(Carmen Suite No.1 Les toreadors)/ジョルジュ・ビゼー
(吹奏楽コンクール静岡県地区大会(B部門)に出場した団体のうちの一校の自由曲として登場)
晴れの日に/浜口史郎
(清水南高校吹奏楽部のコンクール自由曲として登場)
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