概要
『週刊少年マガジン』(講談社)の2021年12号(2月17日)より連載中。
単行本は2024年10月時点で17巻刊行されている。
なお、連載開始となる12号は瀬尾公治の前作『ヒットマン』が最終回を迎えており、前作の最終回と新作の初回が同号に収録されるという異例のものとなっている。ただし、瀬尾自身、前作最終回・新作初回のリレー掲載は『君のいる町』→『風夏』で経験している。
ちなみに、『ヒットマン』最終回のアオリ文はこちら。
ご愛読ありがとうございました!
瀬尾公治先生の次回作にご期待ください!
…て新連載がまさかの同時掲載!?
女神のカフェテラス
は巻頭カラーで開店(オープン)ですっ!
あらすじ
神奈川県の三浦海岸沿いにある古びた喫茶店「Familia」。祖母・幸子の訃報を聞いた男子大学生・粕壁隼は、3年ぶりに帰省してきた。そこに待ち構えていたのは、住み込みで働いている5人のメイドたち。「Familia」再建を誓った隼は、彼女たちと前途多難な日々を過ごしていく。
登場人物
- 粕壁隼(かすかべ はやと)
CV:水中雅章
主人公。東京大学の1年生(休学、後に自主退学)→喫茶Familia店長。
幼い頃に両親を失くし、神奈川県の三浦海岸沿いで祖母・幸子と暮らしていたものの、高校入学時に意見の対立から家を離れていたのだが、幸子の死をきっかけにかつての自宅に戻ってきた。
当初は幸子が営んでいた喫茶店「Familia」を閉店・解体した上で有料駐車場にしようとしていたが、ひょんなことから2代目マスターとなる。
Familia
- 小野白菊(おの しらぎく)
CV:和氣あず未
大学2年生→3年生。キッチン担当で、掃除や洗濯といった家事全般が得意。
おかっぱ頭(ただし「Familiar」に転がりこんだ当初はロングヘアだった)で、酒に弱く微量のアルコールで簡単に酔っぱらう上に、酔うとおとなしいはずの人格がものの見事に破壊される、やっかいなおネェちゃん。
- 月島流星(つきしま りほ)
CV:山根綺
大学2年生→3年生。接客担当な他、広報も一手に担っている。
ツインテールで、お腹の中身が真っ黒で酒好きな一方、口調は厳しいものの意外と良識派なおネェちゃん。
有名な子役として名を馳せた過去がある。
- 鶴河秋水(つるが あみ)
CV:鈴代紗弓
高校3年生→大学1年生。ホール担当兼正義の味方(自称)。
血の気にはやるKYなアホの子で、調子に乗りすぎて怒られることが多い、難儀なおネェちゃん。空手の有段者。
『ストリートファイター』が好き過ぎて、なんと公式でコラボしてしまった。
- 鳳凰寺紅葉(ほうおうじ あかね)
CV:瀬戸麻沙美
19歳。フリーター(兼バンドマン)。バリスタ担当。
一見するとクールでミステリアスな雰囲気を醸し出している一方、幽霊や怪談がまるでダメなうえ、夜中に一人で便所に行けないというもの凄いビビリなおネェちゃん。
- 幕澤桜花(まくざわ おうか)
CV:青木瑠璃子
19歳。服飾系の専門学校生→フリーター。衣装・装飾担当。
真面目だがヒス持ちで要領が悪いおネェちゃん。そんな事もあり隼と度々喧嘩してしまう。ファッションデザイナーを目指しており、制服のデザインやアレンジも一手に担う。その反面コーヒーを煎れることすらおぼつかないほど料理は下手。
双子の妹・橘花(CV:上坂すみれ)がいるが、進学に際して大喧嘩してしまい、疎遠になっている。
喫茶「ファミリア」
「Familia」の前身である喫茶店で、粕壁大洋が店長を務める。
隼も含め現「Familia」で働く6人の祖母は全員この店の従業員だった。
現在、隼の祖父母・大洋と幸子以外の祖母達は存命中である。
ここでは、幸子以外の従業員達は旧姓で記載する。
- 粕壁幸子(かすかべ さちこ)
隼の祖母。旧姓は「松島」。
かつてはスペインで料理人をしていたが、息子夫婦を亡くした為に帰国した。その際、そのひとり息子であった隼を引き取ったが、喧嘩別れとなってしまった。
代わりに5人の女子を、経営する喫茶店「Familia」の従業員として雇うついでに一緒に住まわせた。なお、その5人の女子とは、実はある繋がりがあったりする。
炬燵で居眠りをしている内に亡き夫と息子夫婦の元に旅立ってしまった。
- 粕壁大洋(かすかべ まさひろ)
CV:水中雅章(若い頃)
隼の祖父で既に故人。旧「ファミリア」の店長。
顎髭を生やしている事以外は隼と瓜二つであるため、元従業員の祖母達は隼を見て「大洋さん」と驚いていた。
バレンタインにはチョコレートではなく羊羮を希望するなど、洋風文化を嫌っていた。
- 八重山春恵(やえやま はるえ)
CV:平野文 / 青木瑠璃子(若い頃)
桜花と橘花の祖母。
桜花同様、ファミリアでは服飾を担当していた。若い頃の容姿は桜花と瓜二つ。
- 龍田勝代(たつた かつよ)
CV:佐藤智恵 / 鈴代紗弓(若い頃)
秋水と恵里の祖母。
以前から難病を患っておりその影響で認知症(のちに誤診と判明した。脳腫瘍の可能性も。)となっていたが、大洋に瓜二つの隼から「龍田二等兵」と呼ばれた事で記憶を取り戻した。若い頃の容姿は髪型以外は秋水と瓜二つ。また若い頃は高身長で、大洋の次に背が高かった。
- 宮古明美(みやこ あけみ)
CV:??? / 和氣あず未(若い頃)
白菊の祖母。
アルコールに弱い体質は孫娘にも受け継がれた。若い頃の容姿は髪型以外は白菊と瓜二つ。
- 姉川由美子(あねかわ ゆみこ)
CV:??? / 山根綺(若い頃)
流星の祖母。
かつては昭和を代表する女優だった。若い頃の容姿は髪型と髪色以外は流星と瓜二つ。
- 千早洋子(ちはや ようこ)
CV:勝生真沙子 / 瀬戸麻沙美(若い頃)
紅葉の祖母で鳳凰寺家当主。
若い頃は大洋に好意を寄せていた。若い頃の容姿は髪型と髪色以外は紅葉と瓜二つ。
千代田食堂
元々はカフェレストラン「Family」という名前で、「Familia」を潰すライバル店だったのだが、企みが失敗に終わり切り捨てられたのを不憫に思った隼が店を買い取り、「千代田食堂」と改めた。
- 千代田莉々歌(ちよだ りりか)
CV:竹達彩奈
元子役の駆け出しアイドルだったが、炎上騒動を起こした事でクビになってしまい、YouTuberへ転向した。一応、千代田食堂の店長でもある。
当初は流星を敵視していたが、和解後は先輩として慕っている。
- 高崎舞乙(たかさき まお)
CV:高橋李依
読者モデルとして活動するフリーター。
下ネタ好きで、周囲をからかう。
- 宗谷萌美(そうや もえみ)
CV:上田麗奈
実家が老舗の日本食店の大学生。
普段はゆったりとした口調だが、和帽子を被る事によって腕利きの料理人に変貌する。
- 吉野碧流(よしの へきる)
CV:花澤香菜
小説家を目指している、ちょろイン属性のあるフリーター。
隼を巡る恋模様を外野から楽しんでいる。
- ヴァレンティーナ吾妻(- あづま)
CV:芹澤優
ブラジル出身のハーフで、自称旅人。
カポエイラの使い手で、よく秋水と一緒になって悪ふざけをする。
- 雁谷崎零(かりやざき れい)
秋水のライバルであった空手家のおネェちゃん。高校3年生→大学1年生。
大学進学に伴う住み込み先としてかつ桜花のピンチヒッターと言う格好でFamiliaに勤めていたが、桜花が早々に復帰したため、千代田食堂に移籍した。
真面目過ぎて、ややズレた妄想をする事が多い。
その他
- 不破重久(ふわ しげひさ)
CV:飛田展男
資産家の老人であり、本作品におけるメインヴィラン。
隼の祖父母とは若いころから色々あり、度々言い掛かりや因縁をつけて来る。
詳細は当該記事を参照。
テレビアニメ
手塚プロダクションの手によってテレビアニメ化されている。
2022年9月にテレビアニメ化が発表され、翌年4月から6月にかけて放送された。
第1期終了後には第2期の制作決定が発表され、2024年7月から9月にかけて放送された。
放送局はいずれもAT-Xのほか、BS日テレに加えて中国放送をはじめとするTBS系列局(製作ホストは毎日放送)。
主題歌
- 運命共同体!
音莉飴による第1期オープニングテーマ。作曲は音莉飴とメブキユウ、編曲はMARUMOCHI。
- ドラマチック
佐藤ミキによる第1期エンディングテーマ。作詞は上坂梨紗、作曲は塩野海。
- チャージ!
小玉ひかりによる第2期オープニングテーマ。編曲はNaoki Itai。
- なっちゃった!
アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノによる第2期エンディングテーマ。作詞・作曲はキノシタ。
補足
時系列としては、実は『風夏』『ヒットマン』よりも前に相当する。
事の発端は『君のいる町』。最終話であろうことか作中時間を数年ほど進めてしまい、『ヒットマン』まで現実世界の7〜8年先を描くことになった。
この状況を回避するためなのか、作中時間をなんと過去へ遡ることにした。
議論・余談
ネット上では「『五等分の花嫁』にストーリー展開、ヒロインたちのキャラクター性が似ている」との指摘が多々ある。
具体的な例としては「何の前触れもなく、数十年後にストーリー場面が切り替わる」などが挙げられ、確かに『五等分の花嫁』を彷彿させた描写がある(他にも、メインヒロインが全員同居である点と人数が同じ、アニメ(1期)の製作会社が同じなど。ちなみにアニメの2期には『五等分の花嫁』の出演実績がある竹達彩奈と花澤香菜が出演している)。
しかし、そのような風を感じたのか、第3巻を最後に数十年後の描写がほぼほぼ鳴りを潜め、代わりに数十年前の描写(=メインキャラクターの祖父母世代の縁)が挿入されるようになった。
『五等分の花嫁』のメインキャラクターの姓は「戦国武将に関連付けられている」が、『女神のカフェテラス』のメインキャラクターの名は「旧日本軍の機甲兵器に関連付けられている(※)」特徴がある。
(※あくまでも極一部の読者からの推測であり、公式から明言されていないので注意。詳細は以下の通り)
- 粕壁隼=一式戦闘機『隼』
- 鶴河秋水=キ200試作高高度局地戦闘機(並び局地戦闘機)『秋水』
- 月島流星=艦上攻撃機『流星』
- 小野白菊=機上作業練習機『白菊』
- 鳳凰寺紅葉=二式陸上初歩練習機『紅葉』
- 幕澤桜花=特殊攻撃機『桜花』(双子の妹の橘花も同様と推測)
また、ヒロイン5人の祖母の旧姓(=姉川、竜田、千早、宮古、八重山)はいずれも通報艦の名称である。
更に千代田食堂の面々も、下記の推測が揚げられる。
- 千代田莉々歌=巡洋艦『千代田』
- 高崎舞乙=運送艦『高崎』
- 宗谷萌美=運送艦『宗谷』
- 吉野碧流=巡洋艦『吉野』
- ヴァレンティーナ吾妻=巡洋艦『吾妻』
- 雁谷崎零=零式艦上戦闘機(いわゆる『零戦』)
ヒロイン5人の姓と誕生月は花札の光札に由来する(作者のツイート)が、キャラクター花札の商品化は『五等分の花嫁』に先を越されている。
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前述された『五等分の花嫁』と同様、ストーリー展開がどことなく似ている。また、舞台地が神奈川県で少年マガジン連載という点も共通している。上記から時代錯誤という意見も存在している。
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