概要
山梨県北西部にある市。八ヶ岳の南側に位置し、西側には南アルプスがある。八ヶ岳から南東側三十キロにも及ぶ「七里岩」が伸びている。
面積は602.48km²あり、山梨県最大の自治体である。参考までに東京23区が627.57km²なので、どれだけ広いかがわかるだろう。一方で人口は43,000人程度と東京23区の約300分の1である。標高差があり、最高地点は八ヶ岳の2,899m。主要施設だと清里駅が1,274m(日本で2番目に高い場所にある駅)なのに対し市役所の標高は482m程度の場所にある。
市名は北杜と書いて「ほくと」と読む。ちなみに「北斗市」ではない。北斗市は北海道に実際あるので注意。
地域区分
平成の大合併によって北巨摩郡に属する7町村によって合併した市である。基本的に以下の山麓ごとに分かれている。
八ヶ岳:高根町、大泉町、長坂町、小淵沢町
奥秩父山塊:須玉町、明野村
甲斐駒ヶ岳:白州町、武川村
合併の経緯
当時山梨県で1番大きい郡であった北巨摩郡の自治体が広範囲に合併したため、経緯がかなり複雑である。
まず市役所の場所で難航し、当初はほぼ中心部にある長坂町役場を使用しようとしたが、これに特急が多く止まる小淵沢駅を持つ小淵沢町が反発。長坂町とケンカになり怒った小淵沢町が合併協議がら離脱してしまった。一方他の町村も「長坂町役場が小さすぎるし市役所を新築する予算はない」と慎重姿勢となり、須玉町にある高校の廃校舎を利用することで決着し(それまでの役場は市役所支所として活用)。
次に市名であるが、当初は多数勢力の八ヶ岳側の3町(小淵沢町は離脱したため除外)によって「八ヶ岳市」という名前が候補に挙がっていたが、他の町村が反発し、奥秩父山塊側の2町村は「茅ヶ岳市」、甲斐駒ヶ岳側の2町村は「甲斐駒ヶ岳市」を主張した。埒が明かないので山の名前は使わないことになり、北巨摩郡の別称である峡北を意味する「峡北市」という名前が提示されたが、「中巨摩郡の市が峡西市ではなく南アルプス市になったから峡の字にこだわる必要はない」とのことで別の名前を検討した結果、植物のヤマナシの当て字である「杜」をとり、その北側に位置することから「北杜市」で決定した(ちなみに山梨の由来は植物のヤマナシとはまったく無関係。詳しくは山梨県を参照)。
かくして2004年に6町村で北杜市が誕生した。その後単独でやっていくのが厳しいと改めて理解した小淵沢町が合併を申し入れて2006年に吸収し、現在に至っている。
交通
鉄道
中央本線 小海線
中心駅は小淵沢駅。甲府駅から特急「あずさ」で25分、新宿駅からは110分。
道路
関連項目
山梨県
サントリー:ウイスキー「白州」は旧白州町で製造されているほか、「南アルプスの天然水」はウイスキーの製造拠点周辺からくみ上げている。
シャトレーゼ:旧白州町に工場があるほか、県内の工場で提供されている水は市内の工場からくみ上げて運搬している。
スーパーカブ(小説):旧武川村が舞台。但し主人公の小熊が住む団地は旧長坂町。