概要
新挑 限(別名義:ばかやろう)氏による漫画作品の一つ。
2019年10月26日に作者のTwitterとpixivに第1話が掲載され、2020年2月29日よりニコニコ漫画で連載開始した。最新話は作者のtwitterとpixivで隔週土曜午前11時に更新された他、作者のFANBOXやFantiaにて次回が先行公開されていた。
また『コミックアルナ』(KADOKAWA)にて2022年8月号(創刊号)より本作初となる紙媒体での連載も行われていた。
2024年6月15日、最終回を迎え完結。全199話+0話+番外編2話。
併せて同月21日に単行本も最終巻が刊行された。全8巻。
現代の青森県弘前市付近をモデルにした架空の農村を舞台に、ひょんな事から若返ってしまったおしどり夫婦を中心に繰り広げられるドタバタや、田舎町の悲喜こもごもを描くホームコメディ。
2023年8月9日にTVアニメ化が発表された。キャストはボイスコミックから引き継がれる。以後別途後述。
あらすじ
リンゴ農家を営む正蔵とイネの老夫婦は、長年の多忙のために、体が健康なうちに新婚旅行へ行けなかった事が心残りだった。
ある晩、二人は目が覚めると、何と突如として体が若返っていた!!
しかし精神はそのままなので戸惑う二人。その事態は周りの友人、息子夫婦、孫娘にも知れ渡り、二人の突然の変化に皆驚きを隠せない。正蔵はこれを好機と考え、夫婦の夢だったハネムーンへ向かう事を決心する!!
登場人物
斎藤家
CV:三木眞一郎
本作の主人公。弘前市でリンゴ農家を営む老人だが、ある日長年大切にしてきたリンゴの古木に金のリンゴがなっているのを発見し、妻共々食べたところ20代程度にまで若返ってしまった。若い頃は大変ハンサムで、作中でもあらゆる世代の女子に黄色い声を上げられる描写がある。
CV:能登麻美子
本作のヒロイン。長年夫の仕事を傍らで支えてきた糟糠(そうこう)の妻。正蔵と共に食べた金のリンゴの力で20代頃まで若返る。若い頃はツンデレ美女だったが、若返ってからは歳を重ねて丸くなったためおっとり美女になっている。実は元々東京の出身で没落華族の家柄だったお嬢様。
CV:三上枝織
正蔵とイネの孫娘。長男の義明・楓夫妻の一人娘で北町高校の普通科に通う。母の楓似のマイペース少女。祖父母に非常に懐いており、しばしば正蔵宅へ遊びに行く。将太曰く学校ではアイドル的人気者らしい。五十嵐家の次男・将太が気になっている。
また真司・俊介から見ると従兄妹で幸助から見ると従伯母になる。
最終話では正蔵・イネの農園を継ぎ、将太と祖父母さながらのおしどり夫婦になっている数十年後の未来が描かれている。
CV:東山奈央
正蔵とイネの孫娘。次男の貴弘・薫夫妻の一人娘。医学部志望で成績優秀なため、北町高校の特進科に通う。若き日のイネに似たツンデレ少女。素直に態度へ出せないが、従姉妹の未乃同様祖父母を慕っており、父と上手くいかず居心地の悪い自宅より、正蔵宅へ出入りする事が多い。高橋夫妻の孫息子・聡は志望校の先輩で、その仲には春の予感あり。
また真司・俊介から見ると従兄妹で幸助から見ると従伯母になる。
斎藤義明
CV:興津和幸
正蔵・イネ夫婦の長男で未乃の父。詩織・真司・俊介から見ると伯父。幸助から見ると大伯父になる。部長職を務める会社員。両親の身を案じて同居を薦めるも、農園を捨てる事を善しとしない正蔵に却下されている。仕事が辛い時には思わず愚痴るなど母イネには今でも支えられている。今は堅実なサラリーマンだが昔は結構ヤンチャしていたらしい。
CV:櫻井智
義明の妻で未乃の母。詩織・真司・俊介から見ると伯母。幸助から見ると大伯母になる。鷹揚な雰囲気の女性だが、娘共々面食いでミーハーなところがあり、若返ってイケメン化した義父に思わずときめいてしまった事がある。地元の病院で看護師として勤務しており、義明がヤンチャしていた頃、喧嘩による怪我の治療のために彼女が勤めていた病院に通ったのが夫婦の馴れ初め。
斎藤貴弘
CV:山中真尋
正蔵・イネ夫婦の次男で詩織の父。未乃・真司・俊介から見ると叔父。幸助から見ると大伯父になる。開業医。両親の健康診断も請け負っている。元は虚弱な母を治したい一心で医師を目指した。
弱っていく母の治療を続ける中で両親が若返りを起こした事に驚きながらも「自分の力でこうなったわけではないと分かってはいるが報われたような気がする」と思わず喜びの涙を流す。
中田明美
CV:浅野真澄
正蔵・イネ夫婦の長女。未乃・詩織から見ると叔母。故郷を離れ東京の武蔵境に住んでいる。三人の子供(2男1女)のうち二人(長男・信司と長女・恵)が結婚して独立しており、長男夫婦の息子である孫(正蔵・イネ夫婦の曾孫)も生まれている。現在は夫の定男と高校生の次男の俊介と3人で暮らしている。
老親の世話を兄義明に任せきりにしてしまった事を気に病んでいた。
中田真司
CV:今井文也
明美の長男。未乃・詩織から見ると従兄。結婚して息子の幸助をもうけている。若い頃の正蔵に瓜二つで髪の色以外見分けがつかない程。
中田俊介
CV:三苫紘平
明美の次男で高校生。未乃・詩織から見ると従兄。サッカー部所属。若者文化に不慣れな正蔵にコマブレードの事を教えた。
中田幸助
CV:木下鈴奈
真司の息子で明美の孫。未乃・詩織から見ると従甥、正蔵・イネから見ると曾孫になる。正蔵からは溺愛されており、作中では一緒に夕飯を食べたりコマ遊びに興じたりしている。結構ちゃっかりしており、正月に斎藤家へ来た際はお年玉目当てで正蔵とイネにゴマを擦るが、下心がバレて図書カードで手を打たれた。
五十嵐家
五十嵐兵助
CV:てらそままさき
北町会の会長を務める、正蔵とは長年の腐れ縁。かつてはイネを巡る恋のライバルでもあった。
五十嵐大輝
CV:宮沢拓弥
兵助の孫で、野球部のキャプテンを務める。
CV:寺島惇太
兵助の孫で大輝の弟。サッカー部のエース。とある切っ掛けにより未乃と急接近する事になり、正蔵からも孫娘の婿として密かに見込まれ、幾度と無く斎藤家と関わる。
アニメ版では初登場エピソードが大幅に前倒しされた。
最終話では、未乃と共に農園を守りながら仲良くじいさんばあさんになっていた。
高橋家
高橋 聡
CV:梶川翔平
詩織の進学予定の大学の先輩。医学部の二年生。
祖父母の事例から地方に伝わる若返りの伝承を研究していた際に、詩織と知り合う。
幼少期に両親が離婚しており、東町の祖父母の家に預けられて育った。
高橋 一
CV:檜山修之
聡の祖父。正蔵夫妻と同じく黄金のりんごを食べて若返った。口数は少ないが聡明な、セツ自慢の夫。現在の妻セツが働いていた旅館で彼女を悪い客から助けた事で交際が始まった。同じ境遇にある斎藤夫妻と孫を介して知り合い、互いに夫婦揃って意気投合する。
高橋セツ
CV:小林ゆう
聡の祖母で一の妻。明るく賑やかな女性。一と同じく黄金のりんごを食べて若返った。旅館の仲居として働いていた時に客に絡まれた所を、同じく客として訪れていた一に助けられたのが馴れ初め。
その他
松之助
CV:玉井勇輝
正蔵と特に仲の良い友人のひとり。
正蔵に無茶振りを押し付けたり、逆に斎藤夫妻の無茶振りに巻き込まれたりする仲。
佐々木ツル
CV:田中奏多
一家離散の折に離れ離れになってしまったイネの姉で、現在は貴弘のツテによる青森の福祉施設に身を寄せている。
聡明かつ妹想いな姉で、イネも彼女を良く慕っているが、夫を早くに亡くしてからは若年性の認知症を患い、今はイネの事はおろか自分の名前すら忘れてしまった。
若い頃はピアノや百人一首が得意な才女であり、イネが記憶喪失になった際にツルの暮らす施設を訪れた際に、施設においてあったピアノで童謡「ふるさと」をイネと連弾で弾いてみせたり(それでも妹の事を思い出す事はなかったものの、何か思うところがあったのか、その後も一時間以上も二人で弾き続けていた)、正月に正蔵夫妻の家を訪れた際に、詩織がふと試しに彼女にも百人一首をさせてみた際には、若き日を彷彿とさせる素早い札取りの手さばきを見せ、詩織や未乃を驚愕させていた。
未乃の友人
未乃のクラスメイトの2人組。のちに南町に出没する「白髪の美人カップル」こと正蔵とイネが未乃の知り合いと知り驚愕。その後未乃の親戚と紹介される。
近所の少年
通学の際にリンゴ園の近くを通りがかる少年2人組。
都会へ憧れつつもリンゴの世話をする正蔵とイネの姿を見て田舎も悪くないと考えを改めたり、若返る前の2人があまり姿を見せなくなった事を気に掛けたりしている。
りんごの木
CV:斎藤千和
正蔵・イネ夫妻が結婚記念に植樹したりんごの木。夫妻にとても大事にされており、「りんご台風(平成3年台風第19号)」の際には幹の中央から真っ二つに割れてしまうものの、夫妻の懸命の処置もあってどうにか危機を脱する事が出来た。それからおよそ30年後、夫妻と共に自身も老木となっていたが、ある日、これまでの恩返しとばかりに黄金のリンゴを一つつけたその晩に、夫妻への感謝の言葉を遺して朽ち果てた。
若返り
正蔵・イネ夫妻と高橋夫妻の身に起こった出来事。判明している事は以下の通り。
- それぞれ自宅の木に生った「黄金のりんご」を食べた事で起こった。
- 身体の容姿・健康状態が全盛期(20代辺り)まで遡り、元々抱えていた持病の症状が表れなくなる。この辺りは個人差があり、正蔵とイネは白髪のままだが、高橋夫妻は髪色含め若返っている。
- 眠ると、夢の中に「巨大な砂時計」が現れ、これをひっくり返す事で本来の年齢相応の姿と若返り後の姿を切り替えられる。ただし、身体機能は若返り後の状態のままになる。
- 砂時計の中の砂の量は残りの寿命の長さを示している。この砂は少しずつ砂時計の外に漏れており、完全に砂時計から砂がなくなる事は寿命が尽きる事を意味する。
- 原則として残りの寿命は若返る前からの据え置き。ただし何らかの要因で上述の砂時計の砂が補充された場合は、その分だけ寿命を延長させることができる。
- 砂時計のフレームが何らかの要因で壊れると、容姿だけでなく記憶まで若返る。イネが砂時計をひっくり返そうとして誤って頭をぶつけてフレームが破損した結果、容姿も記憶も正蔵と出会う前の状態まで戻ってしまった。砂時計は数週間かけて自己修復され、イネは記憶を取り戻している。
- りんごの果実は木から離れた後も、切り分けた後も劣化しない。
- 20代の人物がりんごを食べた場合は肉体年齢はそのままに、怪我の治りが早くなったり記憶力が向上するなどの細胞の活性化が著しくなる。
- 食べたりんごの量がひとかけら程度の場合、効果は長続きしない。ツルの場合は夢の中で1日だけと宣告され、効果中は若い頃の姿と記憶を取り戻したが、翌日には元に戻っている。
テレビアニメ
2024年春アニメとして、TOKYOMX、サンテレビ、AT-X、KBS京都に加えてBS11、ついでに青森放送(日本テレビ系列局)で、いずれも日曜深夜に放送された。
なお、青森放送で放送されたのは、青森県が舞台のモデルになっているほか、作者が青森県出身・在住であるため。
第4話には青森のローカルアイドルであるりんご娘がモブ役でゲスト出演した。
またアニメ放送にあたり、青森県弘前市及び平川市とのコラボプロジェクトが発足。コラボビジュアルを用いた様々なオブジェクトが各市内に掲示されている。
また大型コラボ第一弾として、弘南鉄道において2024年3月~2025年3月の約1年間、ラッピング列車の運行、続く2024年6月~2024年10月の期間で田舎館村での田んぼアートの製作・展示が計画されている。
原作最終回の更新翌日、アニメでも最終回を放送されたが、原作が終了した状況を考慮して、同様の内容が放送された。 アニメと原作が同時期に最終回を迎えるのは珍しいことである。(以前には達成できなかったとはいえ、正造の中の人が声のデカい人を演じていた作品もそれを目指していた。) 全11話。
スタッフ
原作 | 新挑限 |
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監督 | 西田正義 |
シリーズ構成 | 菅原雪絵 |
キャラクターデザイン | たかはしなぎさ |
サブキャラクターデザイン |
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美術監督 | 石田知佳 |
色彩設計 | 佐々木梓 |
撮影監督 | 田村淳 |
編集 | 柳圭介 |
音響監督 | 阿部信行 |
音響効果 | 鈴木潤一朗 |
音響制作 | オンリード |
音楽 | 長谷川智樹 |
アニメーションプロデューサー | 平田実 |
アニメーション制作 | 月虹 |
主題歌 |
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Webラジオ
「正蔵とイネのおしどりラジオ」
「未乃と詩織のなかよしラジオ」
2024年4月1日から隔週月曜日に入れ替わり配信。音泉にて配信。
MCは前者が三木眞一郎と能登麻美子、後者が三上枝織と東山奈央。
関連動画
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ボイスコミック第二弾
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外部リンク
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