「お父さんと言い争いになっておばあちゃん家に家出してきたら……何あれ、若返ってんだけど」
(原作26話)
CV:東山奈央 (KADOKAWA公式ボイスコミック&アニメ)
概要
正蔵・イネ夫婦の孫娘(次男・貴弘の娘)。薫(貴弘の妻)の娘。鋭い印象を与える目つきと、多少癖の付いた黒髪のツインテールが特徴的。
人懐っこい従姉妹の未乃とは違い、一見冷静かつぶっきらぼうな印象を与えるが、いわゆるツンデレで、本質は彼女と同じく祖父母大好きっ子。
父・貴弘と同様に病弱のイネを元気にするために医者を志すも、特進科での成績が振るわない事から教師や親と衝突したり、付き合いの悪さから友人が離れるなどの悩みを抱えている。
物事をストレートに言うタイプで、正蔵には「おじーちゃんが私に家庭教師? 無理でしょ、高校行ってないし」(第64話)、イネには「(教えてもらう料理が)ババ臭いのはヤダ」(第139話)と、しばしばグサリとくる言葉を投げかける事がある。ただし、ひどい事を言ってしまったと反省する素直さも持ち合わせている。
未乃には正蔵とイネに手を繋ぐ事を勧めたり(第65話)ドラマの恋愛描写を観るのを祖父母に妨げられて残念がったり(第164話)する年相応の恋愛への興味の描写が多いのに対し、詩織は男女の馴れ初めをインタビューするテレビ番組を「つまんな」と一蹴する(第168話)など、未乃とは祖父母好きという共通軸がありつつも対照的な人物として描かれている。なお、インタビューに祖父母が登場した際には盛大に噴き出した。
難関学部の受験生であるという設定も相まって、高校の制服や落ち着いた印象の私服で登場する事が多く、髪型は髪先に癖を残したツインテールでほぼ一貫している。しばしばニーソックスを履いている描写がある。
第139話ではイネの心中の想像として、制服姿と重ね合わせる形で大人になった姿が描写された。大まかな雰囲気は変わらないものの髪型は一つ結びとなっており、結婚指輪を着けている事も相まって大人びた雰囲気であった。
第158話では体調を崩して正蔵の家に泊まる事になり、髪を下ろした姿が描かれた。
ある時、自分と同じく若返った祖父母を持つ高橋聡と出会い、彼と家族ぐるみの付き合いを始めるようになる。
詩織個人としても、育ての親になってくれた祖父母のために医者を志す彼に対してシンパシーを感じており、相変わらず表面上は素直でないものの、イネに料理を教わって彼に手作りの弁当を差し入れようとするなど、着実に距離を縮めている。
彼に誕生日祝いとしてケーキを差し入れられた事もあり、「無理矢理でもこれを届けたくて」と雨に濡れながらケーキを運んできた彼に対し、裏手で「あーやばい」「まずいって」と呟きながら悶々と顔を赤らめていた(第186話)。
最終回では聡と共に正蔵とイネの回想の中で登場。順調に彼と打ち解け、彼の助けで成績を伸ばしており、診察に来た高橋夫妻(聡の祖父母)と貴弘の間の話題にもなっている、と語られた。
「流石ワシらの孫、大したもんだべ」と言い添えられており、正蔵とイネにとって美乃と同様に自慢の孫であるようだ。
余談
正蔵とイネ、薫には「詩織」、未乃には「しおりん」と呼ばれている。詩織は正蔵とイネのことをそれぞれ「おじーちゃん」「おばーちゃん」、貴弘の事を「お父さん」、未乃の事を「未乃」と呼ぶ。ただし、状況に応じてしばしば細かく変動する。
本作の舞台は青森県弘前市をモデルにした架空の町であるが、モデルとなった弘前市に存在する弘前大学には医学部が設けられているため、詩織の志望する大学・学部はこれらがモデルになっていると思われる。
なお、弘前大学は作者である新挑限の出身校でもある。
未乃と将太のカップリングとは関わり方が大きく異なるものの、地上波アニメのオープニングではおおよそ聡と一緒に描かれており、カップルとして並列的な扱いを受けている。