「この星で一番最後のラブストーリー。」
概要
北海道小樽市を舞台にした高校生の男女の恋模様と、環境破壊や人類間の紛争に起因する世界の終焉、そしてその正反対の物語二つを繋ぐ、最終兵器と化した少女とその恋人の過酷な運命を描く。
マンガは、2000年1月から2001年10月までビッグコミックスピリッツにて連載。全7巻+外伝1巻。
テレビアニメ「最終兵器彼女」は、2002年7月から同年9月(または10月)にかけてファミリー劇場、CBCおよびテレビ北海道にて放送された。全13話。後にtvkおよび赤坂(あるいはCBC)の2局でも放送されている。
OVA「最終兵器彼女_Another_love_song」は、2005年に全2巻が発売された。
コナミによるゲームは、2003年5月29日発売された。
2006年1月、東映本体ではなくなぜか東映アニメーションによって実写映画化され、ちせは3代目コメットさん、シュウジは窪塚洋介の分身が演じた。内容は原作とは違うオリジナルストーリーになっている。
初めはなんて事の無い僕と彼女の小さな出会いから始まった物語が、やがて世界観を揺るがす大きな出来事に巻き込まれていく展開は、セカイ系の最もわかりやすい例の一つとも言える。作者の意図によって、メインキャラクター達に苗字は設定されていない。
ストーリー
北海道小樽市で暮らすシュウジとちせ。ちせは以前から好意を持っていたシュウジに度胸試しとして告白し、2人のぎこちない交際は交換日記から始まった。そんなある日、敵から札幌市が空襲される。攻撃から逃げるシュウジが見たものは、背から鋼鉄の羽根を生やし兵器と化して敵と戦うちせの姿であった。
登場人物
本作の主人公。高校3年生でちせの彼氏。家族構成は父と母との三人暮らし。キツネ目の素朴な雰囲気の青年で、北大を目指せるほど成績は優秀。照れ屋のため親しい相手への態度はぶっきらぼうで口も悪いが、根は優しく誠実な人柄のため異性にモテる。眼鏡を掛けているため文系っぽく見えるが、元陸上部のため体力も割とあり、作中後半での仕事に活きることになる。突然最終兵器に改造されてしまったちせの境遇を目の当たりにし、戸惑いながらも何とか彼女を支えようと奮闘する。
本作のヒロインにしてキーパーソン。家族構成は父、母、弟の四人。シュウジの彼女だが、ドジでのろまな上、頭も然程良くない等、顔が可愛いこと以外は色々残念な少女。しかし純真で優しい心の持ち主のため、幼馴染のアケミを始め友人には恵まれている。ある日軍隊の手で突如最終兵器に肉体を改造され、平穏な日常と人生が崩壊。否応無しに戦場に駆り出され、殺戮の日々を送るうちに兵器化した肉体の進化が止まらなくなり、遂には精神にまで異常を来すようになっていく。身も心も怪物になっていく己を呪いながらも、偶然真実を知ったシュウジの献身により人間性を保っている。
ちせと共に戦う若き自衛官で、階級は二等陸尉。シュウジに似てぶっきらぼうながら不器用な優しさを持つ。部下思いでもあるが危急の際には仲間でも迷いなく手にかける冷酷な一面もある。少女ながら戦場に立つちせを案じており、兵器ではなく一人の人間として彼女に向き合おうと努める。
シュウジの高校の先輩で彼の中学時代の元教育実習生。艶っぽい雰囲気の美女で、実はシュウジの初体験の相手にしてテツの妻。シュウジが卒業した後は疎遠になっていたが彼には今も未練がある模様。普段は気丈に振る舞いながらも孤独に弱く、夫が出征中の寂しさを埋めようとして事ある毎にシュウジを誘惑する。
シュウジのクラスメイトで、ちせとは幼稚園時代からの親友。竹を割ったような性格の明るく活発な少女。引っ込み思案のちせに何かと世話を焼き、彼女が密かに憧れていたシュウジに告白するよう後押ししたのはアケミである。アツシの意中の相手であり、出征前の彼と結ばれるが…。
シュウジのクラスメイトで友人。シュウジにとっては気の置けない間柄であり、日々の悩みを相談し合うことも。札幌空襲で耳をやられ難聴になってしまう。日に日に悪化する戦況を見て、自身が想いを寄せるアケミを守りたいと志願兵になる。
アニメオリジナルキャラクターでちせの仲良しの一人。タケと交際していたが仲が上手くいかないことも頻りにあった。札幌空襲でタケを失い、新しく恋人を作るもタケを忘れられず、敵兵狩りに参加する暴挙に出る。しかし敵と相打ちになり自らも命を落とした。
ゆかりの彼氏でシュウジのクラスメイト。ゆかりと喧嘩した時にプレゼントで機嫌を直してもらおうとしていたが、その際空襲の犠牲になって死亡した。
主題歌
オープニングテーマ
「恋スル気持チ」
作詞・作曲・歌 - 谷戸由李亜 / 編曲 - 見良津健雄
エンディングテーマ
「サヨナラ」
作詞・作曲・歌 - 谷戸由李亜 / 編曲 - 見良津健雄
劇中歌
「夢見るために」
作詞 - 石川あゆ子 / 作曲・編曲 - 見良津健雄 / 歌 - 杉内光雅