概要
(メイン画像はアフリカ原産のハオルチア属の十二の巻)
肉厚の茎や葉や根に水分を溜め込む植物。系統的な分類ではなく、園芸・生態的な分類である。
サボテン(サボテン科の総称)をはじめとして、おびただしい種類がある。砂漠などの乾燥地だけでなく、日本などの湿潤地でも、海岸などに分布している。
観賞用(花卉)として人気があり、観葉植物として売られているものもある。珍奇なものは大変な高値が付くものもある。
園芸上の多肉植物
基本的には植物体のどこかが肥大して貯水タンクとなっている植物を多肉と呼ぶが、サボテン科が非常に種類の多いグループであるため、園芸業界では「サボテン」とそれ以外の「多肉植物」に分けている。
南アフリカの変わった形の葉を持つ塊根植物(コーデックス)も、多肉球根(ケープバルブ/アフリカンバルブ)などと呼んで多肉のカテゴリに入れられている事がある。
【例】ブーファン・エリオスペルマム・ゲチリス・トラキアンドラ・キルタンサス・ブルビネ等々。
塊根植物は球根に含めることもあるが、一般的な球根植物のチューリップやスイセン等は多肉扱いされることはない。
なお、ある程度貯水する物もあるエアプランツ/チランジアも独自のカテゴリ扱いで多肉扱いしていないが、同じパイナップル科のディッキア・ヘクチア・プヤと言った乾燥地に生息している物は、多肉として扱われたり、観葉植物扱いされたりと立ち位置は微妙。
愛好者
園芸は男女ともに愛好者がいるのだが、花卉園芸は一般に女性比率が高めなのに対し、伝統的に多肉植物や塊根植物、特にサボテンの熱心な愛好者は何故か男性ばかりであった。多肉の奇抜なフォルムやいかつい外見が男心をくすぐるのだろうか。こういうネーミングのサボテンが出回っているあたりにも、男子特有のノリがうかがえる。
しかし、2010年代後半の「多肉ブーム」以降は愛好者が女性層にも広がり、カラフルな多肉植物を寄せ植えにしたり、オシャレな容器でインテリアに合わせたたりするなど、これまでには見られなかった楽しみ方も浸透しつつある。