概要
お盆の期間中にのみ東日本で突発的に出現し、お盆を過ぎるといつの間にか姿を消す。
一説ではこの世界とは違う世界(いわゆる『あの世』)に生息していると言われており、その世界の住人がこちらの世界に来る際の乗り物として利用されているという説もある。
西日本でやることはまずない(この時期は高温多湿なのでそんなもの作ったらすぐ傷んでしまうからか)。昨今は東日本でも猛暑頻発で、食べ物じゃない飾り物の精霊馬も増えてきているのだとか。
容姿
現在、主な精霊馬としては2種類が確認されている。
1匹は全身緑色で細長く、キュウリに近い容姿をしている。また、非常に足が速くその速度は馬並という。
もう一匹は全身紫色でずんぐりとしておりナスに近い容姿をしている。こちらは足が遅く牛と同じ位と言われている。
ちなみに共通して足は細く茶色い(稀に先端が赤いものもいる)。
解説
お盆の期間に飾られるお供え物。精霊馬とは書くが、実際にはそれぞれ馬と牛に見立てて作られる。馬は主にキュウリ、牛は主にナスで作る。足は一般に木製、現代は割り箸を適当な長さに切って用いることが多い。もちろん前節の稀な例のようにマッチでも出来なくはない。
…のはずだったのだが、近年では製作者が本気を出した と言うか設計班が本気出したようなものも少なくなくなってきている…製作例も馬や牛に限定されず、故人の生前の趣味も加味しながら、車、飛行機、ついには恐竜まであの世に向かっているらしい。
伝統例に戻ると、馬の役目はあの世からご先祖様をお迎えすること。できるだけ早くこの世に戻れるように俊足の馬が役目に就く。牛の役目はあの世にご先祖様をお送りすること。できるだけこの世に留まってほしいという名残惜しさを籠めて、足の遅い牛の役目とする。
なお、以上の解説についても時代や地域、その家が属す仏教宗派などによって詳細が異なる部分も多い。
関連タグ
精霊牛…ナスの方をこう呼ぶ場合もある。