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先行列車との距離に応じ、運転台の速度計にその区間で出していい最高速度を表示する保安方式。もし最高速度を上回った場合、自動的にブレーキが作動して指定の速度以下に減速する。無論停止信号が出れば列車は停止する。


主に高速運転を行う関係で地上の信号機の視認が難しい新幹線や、長いトンネルで信号機の設置スペースが捻出しづらい地下鉄などで採用されている。

ATCの種類

ATC-1型

国鉄東海道新幹線の開業に際して開発したATC。最高速度210km/hのATC-1A型が東海道新幹線に設置され、設計最高速度が引き上げられた山陽新幹線ではATC-1B型が設置された。


信号現示は0・30・70・110・160・210で、どれも1km/hでもオーバーするとATC自動ブレーキが作動する。


後に信号の発信方式を改良したATC-1DとATC-1Wに改良され、信号現示速度も停止信号以外10km/hずつ引き上げられた。


民営化後、時速270km/h走行に対応する300系が登場。東海道・山陽ともに最高現示が270へ引き上げられ、時速300km/h走行に対応する500系の登場後は0・30・70・120・170・220・230・255・270・275・285・300に細分化の上、山陽区間のみ最高現示は300へ引き上げられた。なお220以上の現示は300以外5km/h以上オーバーすることでATC自動ブレーキが作動する。300のみ3km/h以上オーバーで作動する。


2006年に東海道新幹線が、2017年に山陽新幹線がそれぞれデジタルATCへ更新されたため、1型は消滅した。

ATC-2型

東北上越新幹線開業に際して開発されたATC。ATC-1D型がベースモデルとなっている。


信号現示は0・30・70・110・160・210・240で、後に260・275が追加されている。いずれも1km/hでも速度がオーバーすると自動ブレーキがかかる。

ここで頭打ち速度を速度段としている(特に最高速度)のは、1990年代初頭の新幹線高速化の黎明期においては名目上上越新幹線が「日本最高速」となるのに一役買った(当時の「のぞみ」の270km/hに対し「275km/hで運転」していることになるため)。


北陸新幹線にはATC-2型をベースに装置を小型化したATC-HS型が設置されている。


こちらもデジタルATCに更新された関係で既に消滅している。

ATC-3型/WS-ATC

営団地下鉄日比谷線開業に際して営団地下鉄が開発したATC。国鉄・JR線内に設置区間は存在せず、日比谷線、東西線と東葉高速鉄道で使用されていた。

WSとはWayside Signalの略。線路脇に設置された信号機の現示を元に運転するためATSとATCの折衷タイプ。

東西線では2007年にデジタルCS-ATCに更新されたが、2018年現在は東葉高速鉄道が使用している。

ほぼ同じ構造のWS-ATCは、Osaka Metro御堂筋線谷町線四つ橋線中央線堺筋線と、北大阪急行電鉄近鉄けいはんな線で使われている。

ATC-4型/CS-ATC

営団地下鉄千代田線開業に際して開発されたATCで常磐線各駅停車にも設置されていた。

CSはCab Signalの略。運転台には走行区間の最高速度を現示し、0の場合は停止を示す。

1999年に運転間隔短縮のためにATC-10型/新CS-ATCへ更新された関係でJR線内からは消滅。営団・東京メトロ内からも2012年に消滅しており、現在は西武有楽町線で使われている。

ほぼ同じ構造のCS-ATCは、神戸市営地下鉄、北神急行電鉄、京都市営地下鉄、名古屋市営地下鉄東山線・名城線・名港線、Osaka Metro千日前線長堀鶴見緑地線今里筋線で使われている。

ATC-5型

総武快速線横須賀線東京トンネル用に開発されたATC。ATC-4型をベースに現示を0・25・45・65・75・90へ変更し、品川駅・錦糸町駅での保安装置自動切り替え機構を追加している。

2004年にATS-Pへ更新されたため消滅。

ATC-6型

列車本数が多い山手線京浜東北線根岸線埼京線向けに開発されたATC。5型をベースに信号現示を0・15・25・45・55・65・75・90・100・110・120に細分化した。

埼京線が乗り入れるようになった山手貨物線にも導入されていたが、ATC未搭載の機関車牽引の貨物列車の運行を考慮し、根岸線同様ATSを併設していた。

根岸線・山手貨物線はATS-Pへ、山手線・京浜東北線はD-ATCへ更新されて消滅。埼京線へはATACSが導入されて消滅した。

ATC-9型

福岡市地下鉄で採用されているATCの国鉄制式名。

ATC-10型/新CS-ATC

CS-ATCの信号現示をより細かくしたもの。東京メトロの他、都営地下鉄三田線大江戸線東急田園都市線に導入されている。

ATC-L型

青函トンネルを含む津軽海峡線に設置されていたATC。東北新幹線のATC-2型との互換性を考えて設計された。

機関車列車と電車列車で作動方式が異なり、機関車列車では現示が切り替わる前に運転手が手動でブレーキを掛けて減速、電車列車では自動でブレーキが作動する。無論停止現示を突破した場合などには機関車も電車も関係なく停車する。


北海道新幹線が開業する頃には東北新幹線がDS-ATCに更新されていた関係でL型が新幹線へ引き継がれることはなく、消滅した。

D-ATC

JR東日本の在来線と都営地下鉄新宿線で採用されているデジタル方式のATC。車載コンピュータが地上から送られてきた先行列車、地上設備の情報に応じて最適な運転曲線を描き、信号として現示する。

DS-ATC

D-ATCの新幹線版。津軽海峡線にも設置されており、この区間を自力通過できる在来線車両はEH800、E001形TRAIN SUITE四季島に限られる。

ATC-NS/KS-ATC

東海道・山陽新幹線と博多南線九州新幹線に導入されているATC。誕生の順番としては九州新幹線用のKS-ATCの方が先。

ATC-P

東急東横線目黒線大井町線みなとみらい線で設置されているATC。田園都市線の新CS-ATCの改良型で、踏切制御などが織り込まれている。

つくばエクスプレス用ATC

つくばエクスプレスに設置されているATCは将来的な160km/h運転を考慮し、東京メトロ東西線向けの新CS-ATCをベースに、交流電化への対処と160km/h運転への準備を行っている。

京王ATC

京王電鉄で採用されているATC。デジタル方式だが直通している新宿線のものとはメーカーと仕様が違い互換性がない(そのため両方積む必要がある)。

T-DATC

東武東上線で採用されているデジタルATC。

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