概要
大阪市交通局(大阪市営地下鉄)の路線として2006年12月24日開業。2018年4月1日の民営化に伴い、OsakaMetroも引き継がれた。
ラインカラーは、住宅地を通る暖かいイメージの「オレンジ」。他の路線でまだ使用されていなかった色を選択した。ナンバリング記号はI(Imazatosujiより)。
全線小断面トンネルによるリニアモーター式のミニ地下鉄(⇒リニア地下鉄)である。
本路線の開通に伴い、OsakaMetroは全国で唯一複数路線のリニアモーター式地下鉄路線を所有することとなった。トンネルは掘削範囲を節約できるシールドマシン工法だが、駅付近は従来通り開削工法である。
運行形態・使用車両
操作はATO(自動列車運転装置)とTASC(自動列車停止支援装置)の併用によるワンマン運転だが、一応運転士は乗務するので運転室にむやみに入ることはできない(というか乗務員室への立ち入りは鉄道営業法・列車往来危険防止罪に接触し、そもそも命に関わるので絶対にやってはならない)。また、全駅にホームドアが設置されている。
車両はすべて80系で、デザインは長堀鶴見緑地線の70系に近く、1編成は本当に長堀鶴見緑地線へ転属した。運行区間は井高野~今里間の通し運転のほか、入出庫の関係で清水発着列車がある。日中は10分間隔。
駅一覧
全11駅。井高野~今里間。
液晶式列車案内表示装置が全ての駅のホームドアの各扉上に設置されている。
今里筋線内の駅は、2層式ホームの関目成育駅を除きすべて島式ホーム。
駅名 | 読み | 駅番号 | 乗り換え | 補足 |
---|---|---|---|---|
井高野 | いたかの | I11 | 大阪市最北端 | |
瑞光四丁目 | ずいこうよんちょうめ | I12 | ||
だいどう豊里 | だいどうとよさと | I13 | ||
太子橋今市 | たいしばしいまいち | I14 | 谷町線 | 今里筋線唯一の大阪府下にある駅(守口市に所在) |
清水 | しみず | I15 | 鶴見緑地北車庫(今里筋線の車庫)へ出入り可能 | |
新森古市 | しんもりふるいち | I16 | ||
関目成育 | せきめせいいく | I17 | 京阪電気鉄道本線 | 至近距離に谷町線の関目高殿駅があるが、完全な別駅扱いで乗り換えは出来ない。 |
蒲生四丁目 | がもうよんちょうめ | I18 | 長堀鶴見緑地線 | |
鴫野 | しぎの | I19 | JR片町線/おおさか東線 | |
緑橋 | みどりばし | I20 | 中央線 | |
今里 | いまざと | I21 |
赤字の原因
今里筋線は同じリニア地下鉄の長堀鶴見緑地線をも上回る赤字路線だが、その理由は以下の点が挙げられる。
- そもそも隧道償却費の返還期日に来ていない(以下の項目以前に、建設から40年は赤字が普通である)
- 大阪の主要ターミナル(梅田、難波、天王寺、新大阪等)に乗り入れていない。大動脈である御堂筋線とJR大阪環状線の両路線とも接続しておらず、また大手私鉄の主要ターミナル駅ともまったく接していない(長堀鶴見緑地線は京橋駅に乗り入れる)。
- JR、近鉄、京阪の乗り換え駅には、それぞれ各駅停車しか止まらない。
- 大阪城やUSJ、通天閣クラスの有名観光地の最寄りとなる駅が無い。
- 沿線は軟弱な地盤で、建設に長期間とかなりの費用がかかった。その上、大阪一深い位置に建設されており、駅にたどり着くまでにかなりの労力を使う。
- ほぼ直下を通る今里筋でバスが並行して走っており、重複区間ではバスの方が気軽に利用できる点で有利
- 沿線住民の高齢化と、人口減少問題。特に当初の目的とされた井高野周辺で顕著となっている。
…以上の理由により今里筋線は乗客が少ない、とまとめることができる。
いまざとライナー
2018年4月、今里筋線の延伸計画区間である今里-湯里六丁目間を中心にしたBRT(bus rapid transit)社会実験の運行計画を発表した。事業主体はOsaka Metroだが、実際の運行は子会社となる大阪シティバスに委託され、守口営業所が担当する。
バスの毎年度の利用状況を確認し需要の定着等を考慮した本数を設定し、2019年4月1日に社会実験開始。
3年ほど後に効果検証を1度行い、必要な需要の喚起・創出策としてJR長居駅前への乗り入れを開始した。社会実験は2026年まで継続。
関連タグ
御堂筋線 谷町線 四つ橋線 OsakaMetro中央線 千日前線 堺筋線 長堀鶴見緑地線