在来線
1929年に当時の鉄道省(のち日本国有鉄道、現JRグループ)が東京駅~下関駅間を運行していた特急列車のうち三等車主体の1往復に付与した「櫻」を基とする。
「富士」と並び、国鉄最古の特急愛称であったげが、1942年11月のダイヤ改正で急行に格下げされ愛称も外された。
戦後は東京駅~大阪駅間の不定期特急時代を経て、1959年7月から2005年2月まで東京駅~長崎駅間(1965年~1999年の間は佐世保駅発着編成を併結)で運行した寝台特急(ブルートレイン)にこの愛称が用いられた。
栄光のファーストナンバー「(列車番号)1」を冠された列車でもある。なお、「さくら」を含むブルートレインと長距離客車列車の廃止に伴い、現在「1」は空番となっている。
新幹線
2011年3月12日に運行開始した山陽新幹線・九州新幹線直通列車の愛称として四度起用されることになった。なお、九州新幹線内のみ運行の通過駅のある列車にも同愛称が用いられている。使用車両はN700系7000番台・8000番台と800系(800系は九州区間限定)。
同区間の上位の最速達列車は「みずほ」(のぞみと同格)で、「さくら」は山陽新幹線内ではそれまで運行していた「ひかり(レールスター)」や「こだま」などの代わりになった運行を開始した経緯から、従来の「ひかりレールスター」の停車パターンを踏襲している。
登場当時より最速達列車はみずほの停車駅に姫路駅あるいは福山駅や新山口駅など、新鳥栖駅あるいは久留米駅、川内駅を加えた程度の通過駅の多いタイプから、九州新幹線内をほぼ各駅に停車するタイプまで停車駅数は千差万別である。のちに新鳥栖と久留米はさくらの全列車が停車するようになった。
2013年3月16日のダイヤ改正で広島駅発着の列車を1往復設定。定期列車として初めて広島駅発着の「さくら」が設定される(但し朝の下り1本のみ新下関駅にも停車する)。
2020年現在、みずほの停車駅には全てのさくらが停車する(ただしみずほが下り2本、上り1本停車する姫路と1往復のみ停車する新山口は通過列車が一部存在)。また、みずほが通過する新鳥栖にも全列車が停車する。1往復は九州新幹線内の全ての駅に停車するが、山陽新幹線内では速達列車として通過駅が多い。
筑後船小屋駅、新大牟田駅、新玉名駅は上述の各停便とそれぞれのうち1駅のみ停車する列車が各1本ずつの計2往復のみが停車する。多くのさくらは、つばめが熊本止まりであることが多いために熊本以南は各停便である(鹿児島中央発着のつばめが運行される前後は川内のみ停車する便がいくつか存在)。
さくらの停車パターン ◯=停車 レ=通過 △=一部列車が停車
パターン1 | パターン2 | |
新大阪駅 | ◯ | ◯ |
新神戸駅 | ◯ | ◯ |
姫路駅 | レ | ◯ |
岡山駅 | ◯ | ◯ |
福山駅 | ◯ | ◯ |
広島駅 | ◯ | ◯ |
徳山駅 | レ | △ |
新山口駅 | ◯ | △ |
小倉駅 | ◯ | ◯ |
博多駅 | ◯ | ◯ |
なお「みずほ」は在来線時代にも「さくら」と同区間(東京-長崎/熊本)のブルトレとして走っていたが、ブルトレ時代はさくらの方が上位格(長崎行のさくらは食堂車、A寝台付で、同みずほはB寝台のみ)であったが新幹線となって格が逆転している。
関連イラスト
不定期特急時代の「さくら」(塗装変更後の淡緑色の通称青大将さくら)
寝台特急時代のブルートレイン「さくら」
現在運行されている新幹線の「さくら」
関連項目
日本国有鉄道 JR九州 JR西日本
山陽新幹線 九州新幹線 N700系 800系
つばめ(列車名) はと みずほ(列車名) のぞみ みどり(特急) かもめ(列車名) つるぎ