コブラジョジョ
こぶらじょじょ
1992年発売のスーパーファミコン専用RPG『ジョジョの奇妙な冒険』のこと。製作会社コブラチームの名からこう呼ばれる(なお開発にはウィンキーソフトも共同で携わっている)。『ジョジョの奇妙な冒険』を原作としたビデオゲーム第1号である。
後にOVA化もされ、作中屈指の人気を誇る第3部「スターダストクルセイダース」を題材としている。
しかし、ザコ敵がわんさか登場する1部・2部とは違い、3部を普通にRPG化するのは無理が生じたのか、システムに独自性がありストーリーもかなり奇々怪々な作風となっている。
その独自性の例として、RPGだが敵が終盤以外は決まった場所に一度しか登場しない、宿屋に回数制限がある仕様など。どちらかというとSRPGに近いとも言われる。
これによってRPGとしてはバトルの自由度が非常に低く、ストレス値やバイオリズムなど各種システムも無意味と化しており、RPGが好きなプレイヤーからは大不評。
SRPGとしては敵が少なく難易度が低いが普通に楽しめる。しかしその反面ゲームのボリューム不足に繋がっており、あまり難易度の低さは手放しに褒められていないが。
ストーリーは強引な改変があるものの、逆にそのツッコミ所の多さからバカゲーとして高評価されている。
そんな本作の簡単に評価を付けづらい独自性などあらゆる意味でジョジョファンにとっては伝説となっており、ファミ通のクロスレビューでは5・6・5・4の合計20点(満点40点)という率直な点数がつけられている。またBGMに関してもかなり評価が高い。
本作において承太郎らのプレイヤーは上半身しか描かれず、移動画面では横か手前・奥にしか移動できない。通常では画面下部分に顔が浮かんでいるが、この時の表情で精神ダメージなどが把握できる。
戦闘においてはまず突然DIOが出てきてタロットを引くよう命じられ、その出目により能力値に変化が生じる。コマンドは普通に「戦う」のほか「調べる」があり、原作でやっていたように敵の能力や弱点などを見抜くうえでは「調べる」コマンドを使うのが欠かせない。
また「話す」コマンドを使うと相手の精神にダメージを与えたりすることもでき、やろうと思えばスタンドを出せなくなるまでただただ「口」撃だけで相手を倒すこともできる。勿論、敵が精神攻撃を仕掛けてくることもある。
本作にはバイオリズムの観念があり、時間経過に伴いパラメーターが上下する。ジャンプやたばこなどのアイテムを使うとストレスを下げることが可能。トイレで用を足す事でも下がる(確かに原作でもやけにそういうシーン多かったけどさ)。
RPGなので装備品の類もあるが、「アルミの学帽」など意味不明な名称のものが多い。
ほぼ全部と言っても過言ではないが、とにかく非常に多い。以下はほんの一部に過ぎない。
- 味方が誰も死なない。途中で入院したりもしない。CL●MP大喜びである。
- システムがSRPGに近くキャラの離脱の影響が大きいためゲームの都合上そうしていると思われるが、この要素は原作ファンからIF展開として評価されている。
- DIOの刺客の登場する順番がシャッフルされている。
- 鋼入りのダンと家出少女の存在が抹消。あとついでにヌケサクも消えた。
- 通貨単位がどの国でもドル。
- 銃弾すら掴み取るスタープラチナが肉の芽に操られた不良や女医に先手を取られる。まあ確かに原作でもトラック躱せなかったりしたけど…。
- グレーフライは用務員に化けて承太郎の高校に潜入。勿論大虐殺を敢行。…なんか盛大に間違っている気がしないでもないが、これでもまだ序盤の序盤である。
- スタープラチナがハエをスケッチするシーンが無いため、昨今発現したばかりのスタンドについてジョセフが本屋に行って調べようとする。既にボケが進行してないかジジイ。
- ポルナレフはその本屋の店員として登場する。「何かお探しかね」。確かに原作で漫画家になりたいとか言ってたけどさ…。
- DIOの館が空条邸のすぐそばにある。勿論偽物。
- キャプテン・テニール(偽)はその館の地下水族館で襲い掛かってくる。なぜ船がないのに船長の格好をしていたのかは不明。
- ストレングスは館そのものと合体している。
- DIOは毎度毎度テレビにパッション(仮)で念写して次の行き先を教えてくれる。その都度テレビは爆発する。原作じゃ1回しかやってねーだろ。
- デス13はジョースター一行が乗り込んだジャンボジェットの中で襲ってくる。
- そのジェット機のトイレのドアノブがハイプリエステス。ミドラーはスチュワーデスに化けている。
- ちなみに原作設定を反映してか承太郎で「話す」を使うと倒せる(笑)。
- ミドラー撃破後、ジェット機が墜落しない。ジョジョにしては珍しい展開である。
- 呪いのデーボはホテルの中で堂々と居座っている。
- デーボが死んだあと、ラバーソールがデーボに化けて現れる。
- ネーナはただのモブ。そのためエンプレスは存在そのものを抹消。
- ハングドマンはただの鏡でしか登場しない。倒す時のコイントスも無い。
- ダニエル・J・ダービーとの賭けが子供でも分かるようにするためか、ただ大きい数字を出せば勝ちなシンプルなゲームに(イベント戦なので確実に勝てるし、ダニエルも失神しない)。しかもこいつパキスタンで登場する。
- ラバーズは種になっており、死に際にエンヤ婆がジョセフの耳に仕込む。ダンの野郎がいないので、スタープラチナとマジシャンズレッドも小さくなってジョセフの体内に入り、存分に叩きのめしてやろう。
- ラバーズ粉砕時には作画ミスなのか、ジョセフの体内に承太郎がいる。ジョセフは巨人か?
- カメオはランプの中ではなくエンヤ婆の屋敷の中の宝箱から登場。勝手に願いを言い出して勝手に叶える(「レベルアップ」→承太郎のゴーレムが3体も出現、「ホル・ホースの居場所」→ホル・ホースの以下略)
- 原作だと一撃で気絶したアラビア・ファッツに台詞がある(笑)
- スピードワゴン財団がイギーを捕まえていない。なんとダンジョン(ピラミッド)のボスである。何ちゅう出世。
- アヌビス神はそのダンジョン内の秘宝。チャカは武器商人。
- オインゴとボインゴはスタンド使いだがDIOの手下ではなく戦闘もせず、能力で今後の危険を教えてくれる。戦闘は原作でもしてないけど。
- アレッシーによりジョセフ、花京院、アヴドゥルの三人が子供にされる。従って、原作でガキにされたポルナレフと承太郎はそのままアレッシーと戦う。しかしちゃんと子供にされた3人のデザインはしっかり描かれていると言う謎の気合いの入りっぷり。
- ンドゥールとの戦いはなんと4連戦(描画が間に合わなかったのか、ゲブ神のグラが無く全戦ンドゥール本体のグラフィックしかない)。
- 最終決戦時にザ・フールを使ってイギーが飛ぶが、めちゃくちゃ飛行音が聞こえる。ザ・フールは滑空しか出来ないはずなのだが…。
- J・ガイル亡き後、ホル・ホースはマライアと結託する。
- ペット・ショップとは全員で戦闘する。
- テレンス・T・ダービーと普通に戦う(むろんこれはなし)。
- 原作におけるヌケサクポジションの雑魚吸血鬼が量産されている。
- ちなみに雑魚敵にはDIOに肉の芽を植え付けられて支配された不良たちが登場する。彼らを助ける描写は特にないので、DIOを倒すととんでもないことに……。
- 「時の学帽」なるアイテムが登場し、承太郎が被ると「世界」が発動可能に。これでDIOに対抗できる。シュールさもありこのネタはネットでも有名で、後に有志が作成した二次創作ゲームのディアボロの大冒険にも取り入れられている。
- DIO戦は館内で決着が付く。このためエジプト市街地での戦闘は無し。上院議員命拾いしましたね。