家出少女
いえでしょうじょ
第3部「スターダストクルセイダース」に登場する少女。
本名は原作では不明であったが、TVアニメ版ではアンという名前が付けられた。ただし原作における通称がファンのあいだで定着していることを鑑み、本項で引き続き取り扱う。
初登場時は男装しており、背丈も小柄で顔も男の子っぽい。本人曰く、まだブラジャーも着けていないとの事。
ただしシャワーシーンでは、そこそこメリハリのある体形を披露している。
年齢は中学生程度と思われる。
性格はボーイッシュで口調はやや乱暴。図太くバイタリティ旺盛で、値切るのも上手。
スタンドを持たない一般人で、スタンドが見えない。
当初は「シンガポールにいる父親に会いに行く」と言う口実で、香港(当時はイギリス領)から出航するキャプテン・テニールの船に潜りこみ密航していた。その後は強引にジョースター一行と同行し、様々なスタンド使いとの戦いに巻き込まれる。
シンガポールで一旦別れたにもかかわらず、密航や無賃乗車の繰り返しで、ちゃっかりインドまで追いかけてきていた。
仲間にしてもらうためにポルノ写真を持ち出すなど男というものを分かっている節がある(ポルナレフに注意されて仲間たちに没収されたようだ)。
しかしホウィール・オブ・フォーチュン戦を最後に、足手まとい(実際は旅が危険なため)を理由に香港へと送り返され、あっさりと退場した。
なお、原作では承太郎やポルナレフに叱られるコマを最後にフェードアウトしたが、TVアニメ版では別れの場面はしっかり描写され、飛行機内で承太郎に向かって「絶対にお母さん助けなよーっ!応援してるからなーっ!!」と笑顔で叫び、飛び立っていった。
彼女の素性については原作、アニメ共に一切描写されなかったが、普段ボーイッシュな割にジョセフに対してはかなり礼儀正しい口調をしている事から割と育ちは良い模様。
花京院に対しても当初は「ドサンピン」呼ばわりだったが、仲間になってからは「花京院さん」と呼んでいる(心理描写でそう呼んでいるので見せかけの態度ではない)。
家出の理由は「今のうちに世界を見て回りたいから」らしい。
本編のストーリーとは全く関係のない人物であり、なぜ登場したのかしばしば議論になるが、これに関しては荒木先生がインタビューに答えている。
――家出少女のアンがいましたよね。
荒木:いたんだけどリタイアするんですよ。あの辺で(女の子も一緒に)行けるかなって思ったんだけど、ダメだった。入れたいんだけど長旅には過酷だろうなと思って、やっぱり男だけで行くかって。
荒木:そうですね。実はいろんな人が揃った感じにしたかったんですよ。時代とか『七人の侍』の流れを意識して作ったので、そういうメンバーがほしかったんです。
(出典:<インタビュー>荒木飛呂彦『ジョジョ』シリーズでともに歩んできたプリンスを語る・4ページ目より一部抜粋)
第2部「戦闘潮流」のスージーQのように、最終回で再登場して、承太郎と結婚するのではないかという噂もあった。実際、承太郎には惚れていたようで、しっかりヒロインっぽいことをしている。
その後「ジョジョの冒険に同行し共に闘うヒロイン」が荒木作品に登場するのはもう少し先のことになる。
また、彼女が巻き込まれた戦闘の敵は最初のダークブルームーンを除けば、
船と同化するストレングス、取り込んだ肉と同化するイエロー・テンパランス、車と同化するホウィール・オブ・フォーチュンとことごとく物質同化型スタンドばかり。また「何かに化けて欺いている」という特徴を持つ(それはテニールにも当てはまる)。
そのため、その特性である「一般人にも見え、触れられる」ということの説明役としての役目を果たしている。
彼女の様なキャラクターは、実は第2部「戦闘潮流」にも存在する。
ストレイツォに人質にされて歯を引き抜かれた女性である。記者志望の様であり、TVアニメ版での表記は記者でCVは吉田聖子氏である。
ジョセフにブス呼ばわりされたことを根に持ち、開放された後に「このイモ!」とパンチするといった勝気な女性だった。
第6部にて承太郎の妻が登場するが、なんとアメリカ人である。TVアニメ版での表記は徐倫の母でCVは生天目仁美氏である。ただし離婚している(理由は不明)。
TVアニメにてアンという名前になったが、これは荒木先生が直々に命名している。また、後年連載された9部でミドルネームにその名を冠するジョースター一族の女性が登場している。
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