ラリホー
夢の中で死ねるなんてロマンチックだと思わないかい?
概要
【破壊力 - C / スピード - C / 持続力 - B / 射程距離 - E / 精密動作性 - D / 成長性 - B】
大アルカナ13番目のカード「死神」の暗示を持つスタンド。本体はマニッシュ・ボーイ。
サウジアラビアにてセスナに乗っているジョースター一行に同行し、これを襲った。「ラリホー」が口癖。
大鎌を持っている。ピエロを模した仮面のような顔つきだが、長い祭服を纏った聖職者のようでもある。
全身をマントで覆っているが、本体が未発達な赤ん坊ゆえかその中身はほぼがらんどうであり、頭と肩と腕部分しか存在しない。
能力
生き物が寝ている時に、寝ている者の精神を自身が作り出した夢の空間に引きずり込むという能力を持つ。複数人を同時に同じ空間へ引きずり込むことも可能。逆に言えば、「夢の中でしか発動できない」スタンドとも言える。
この空間は死神13自身が作り出した空間であり、常に遊園地のような外観を有している。また、「この空間におけるあらゆる現象は死神13の思い通りになる」。ただし、標的を直接殺傷することだけはスタンド像で直接行わなければならない。
夢の中で攻撃されると現実でも同じように傷がつき、殺されると現実でも同様に死ぬ。
このスタンドは標的の精神を支配するという性質を持っている。
そのため、自分に痛みを与えるといったような夢から醒めるための古典的方法は一切通用しない。スタンドが作り出した空間から脱出するには現実世界で他人に起こしてもらうしか方法がない。
また、その精神に干渉する能力の応用か、夢から覚めた者は夢の内容を思い出すことができない(ただし、何となく悪い夢を見たというような感覚だけは残る)。
寝ている時に身につけていた物のみ、夢の中に持ち込むことができる(逆に言えばこれぐらいしか突け入る隙がない)。これはつまりスタンドでさえも身につけていなければ(発動していなければ)夢の中で操れない。劇中では花京院はこれを利用して気絶する前にスタンドを地面に潜らせて維持した状態を保ったため夢の中にスタンドを持ち込むことに成功している。そして、「スタンドはスタンドでしか倒せない」という大原則があるため、「夢の中においては死神13は一方的な攻撃(勝利)が可能ということになる」。
弱点
このようにほぼ無敵とも思われるスタンドだが、最大の弱点は「正体と能力がバレてしまうと、ほとんど無力」という単純且つ致命的なところ。
なにより「現実世界でスタンドを出せない」という枷があまりに重くのしかかる。
先述の通りデス13は現実世界では活動できず、相手が眠るか気絶してくれない限り攻撃できない。本体のマニッシュ・ボーイも生後11か月の無力な赤ん坊で、他愛のない“お仕置き”ですら自力では回避不可。
また、パラメーターの「射程距離E」に示されるように、有効範囲も限られており、目が覚めている間にどうにかして相手に接近しなければならない(これさえも、赤ん坊の身では、誰かの手を借りる必要がある)。
自らの正体が露見する前に主導権を握り、勝負を決める必要のある、“先手必勝”型のスタンドと言えよう。
そのため初見の印象とは異なり、実際は極めて扱いづらいスタンドである。そもそも射程距離Eの距離で敵が眠ってくれるなら、殺す手段なんていくらでもある。
さらに言えば、殺害方法自体はあくまで夢の中で行使した物理的手段(斬殺、心臓を握りつぶす等)がそのまま反映されるため、常人にも検死が可能であり「証拠の無い殺人」すら難しい。
仮にこのスタンドで殺人を行ったとしても、普通に考えて「凶器こそ見つからないが、他殺なのは明らかで犯人は同じ部屋で泊まっていたコイツ以外に無い」と断定されておしまいであろう。
呪いのデーボのように「殺し屋」として積極的に活かすにはハードルが高い能力であり(あちらはあちらで向いてるとは言い難いが…)、また「殺人トリック」として個人的な利益で使うとしても、スタンド能力を使わないで普通にトリックを考えた方が早そうな感がある。
あるいは敵が複数人で夜も交互に見張っている、みたいな状況でも見張りに悟られず殺せるのは強みではあるが、けっきょく上記の「明らかに他殺」となる状況が足を引っ張り、死人が出た時点で正体がバレて自身も無事では済まないのがオチ。
またジョースター一行にはいなかったためあくまで可能性の話ではあるが、本人の意識とは関係なく動ける自動操縦型のスタンドも天敵となりうるかもしれない。
余談
上記の通り、本編中の活躍とは裏腹に「非常に使いにくい」スタンドであるデス13だが、実はそう言った面から見ると、本編でさり気なく見せた、人殺しよりも遥かに有用な使い道がある。
それは「花京院の腕の傷を治した治癒能力」である。
「夢の世界ならなんでもありなんだろ?」と言われてアッサリとこれを治して見せているが、能力の前提からクレイジーダイヤモンドほどの即効性は無いにせよ驚異的な力なのは間違いなく、同じく第三部で登場したボインゴのトト神と同じく「人助けに用いる事こそが真価」のスタンドであると言えるかもしれない。
関連タグ
- エルム街の悪夢:ホラー映画。能力のオマージュ元と思われる。
- マン・イン・ザ・ミラー:第5部に登場したスタンド。自らの支配するテリトリーに敵を引きずり込めばほぼ一方的に相手を完封できるという似たような共通点がある。
死神13 … 表記揺れ