本記事にはジョジョリオンのネタバレ内容が含まれています。閲覧にはご注意ください。
そのしゃぼん玉はどこにも存在しない
『超えて行く(ゴー・ビヨンド)』
概要
この物語のラスボスとの戦闘中に定助が発現した(もしくは既に発現していた)ソフト&ウェットの新たな能力。
定助がスタンドや指から出す通常のしゃぼん玉とは違い、肩にある星型の痣から発生する。見た目はそのまま、輪郭のようなものがうっすらと見えるしゃぼん玉であり、定助の使う他のしゃぼん玉とは明らかに異なっている。
豆銑礼は「無限ゼロに近い、限りなく細い線が爆発的な回転によって完全なゼロとなり、存在しなくなっている」ゆえに「この世に存在していない」が「回転だけが存在している」のだと発言している。
無限小(数学的には「1⁄∞」)の細さの“糸”が、球状(シャボン玉型)になるように超高速回転しているため、“物理としては存在していない状態に限りなく近いが、回転という事象だけが発生している”ということらしい。
能力は「この世の条理やあらゆるものを"貫通"して越えて行く」シャボン玉。
理論上は存在していない(に限りなく近い)ため、壁や物体など物理存在は言うに及ばず、追跡する者に降りかかる厄災の条理にすらも干渉されることがない。
その力は、全ての条理をも越えていくだろう。
豆銑礼の服を貫通して肉体に大穴を空けたり、ラスボスに命中した際には脇腹を抉り取った上で体を大きく吹き飛ばすなどかなりの高威力をもつ。また、当たった部分があとかたもなく消滅しているような描写もあるため、クリームやザ・ハンドのような「削り取って」「消し飛ばす」能力も備えていることが分かる。
第七部のD4C-ラブトレイン-やタスクACT4でも扱われた「重力」の考え方に拠れば「存在しない状態なので(球状の表面には)重力も存在せず、重力が存在しない部分に接触した物は重力を失い存在を維持できなくなる」といったところだろうか。
最大の特徴は、このシャボン玉は弾道上にある物は何がなんでも命中して削り取ってしまうということ。
どんな防御もルールも通用せず、一方的にすべてを破壊してしまう。ゲームでたとえるならば、無敵貫通+防御無視のような攻撃。
姿を隠しているのと存在しないのとで差はあるが、影響としてはまるでこいつを弾丸として発射しているかのようである。
ただし重大な欠点として、『存在していない』状態であるが故に本体の定助でさえ完全なコントロールが不可能であることがあげられる。(まともに当てられない程にブレ幅があるが、「狙いは大体」と言える程度には狙った方向に飛ばせる)
つまりここまで強力な能力を有しているにもかかわらず、当たるかどうかは運次第というかなりピーキーな性能なのだ。「無限の回転を生み出す」ところまでがスタンド能力で、「生み出した回転のコントロール」は能力の範疇外であると言い換えてもいい。無論狙って当てることは困難を極め、定助自身も発現したばかりで使いこなせなかったのかワンダー・オブ・Uに命中させることはできなかった。