概要
【破壊力 - A / スピード - B / 射程距離 - C / 持続力 - A / 精密動作性 - B / 成長性 - E】
第七部スティール・ボール・ラン主人公ジョニィ・ジョースターの幽波紋、その最終形態。
成長性 - A→E、すなわち完成。
ツェペリ家に伝わる鉄球技術、馬を黄金長方形のフォームで走らせることによって生まれたエネルギーを、騎手が鐙を通じて受け取ることで、「鉄球」の回転に「甲冑や盾を突き破る」ためのエネルギーを乗せる――重力を己の手にする技術を応用することでよって生まれたスタンド能力。
スタンドのビジョンは大型で、鎖帷子を着たような奇妙な人型を取っている。
能力
ジョニィが発射した「無限の回転エネルギー」を内包する爪弾、
または爪弾に宿る「無限の回転エネルギー」そのものがスタンド能力。
爪弾を回避されても、その後ろで命中した壁や地面を伝わってACT4が追尾して標的を追いかける描写もあった。
次元の壁と言う通常は絶対に突破出来ない最強の盾を、こじ開けるように貫通する最強の矛。
この回転を纏った爪弾で撃ち抜かれると、次元すら超えるエネルギー「無限の回転」によって確実に死亡する。即死するわけではないが、食らった回転から脱出することはできず、攻撃を無限に受け続けることになる。回転エネルギーがスタンドに至ってしまった場合、肉体を切り離し魂を入れ替えて生き延びる能力を持つ者でも、「スタンドが宿る精神」を狙い続けるため文字通り一切逃げ場がなくなってしまう。
原理としては細胞の一つ一つにまで無限の回転が伝わって乱回転し、やがて丸ごと次元の彼方に消し飛ばされるらしい。
爪弾から分離した回転エネルギーがスタンド像を結び、「オラオラのラッシュ」などの物理攻撃も可能。もちろんこのラッシュにも「無限の回転」が宿る為食らえば致死率100%の恐ろしい殺傷能力を誇る。
またスタンド像で空間を開くように地面をスタンドでこじ開けて地下水道に入る、と言った単なる物理破壊ではない行動も可能。
ACT4を使うには常に馬からエネルギーを受け取れる状態でなければ発動不可能。
成長した後でも馬に乗らない状態でACT2やACT3の能力は別途使用可能。
何故だか分からないがACT4発動でジョニィの下半身不随が完治した。
劇中の活躍
最初の発現は自らを馬に蹴らせることで得た黄金の回転エネルギーを利用したものだった。
大統領との決戦時、ジャイロが倒れ愛馬もダウンして絶体絶命の状況。
物語全体を通して相棒のジャイロから伝授されていたLesson1からLesson5までを想起し、そのヒントを活かして鉄球の回転に寄って倒れた馬の筋肉を反応させ、それに蹴られる事で力を受け取り発現に至った。
この際にラブトレインの次元の壁をこじ開ける為にスタンド像を結び「オラオラのラッシュ」も披露している。
攻撃を食らって地面に生き埋めにされた大統領を、何度も何度も地面に埋め込んで生き埋めにした。大統領はあらゆる手を使って逃れようとしたがすべて無力化され、並行世界に逃げても、馬車を使って逃げてもすぐに地面の底へと引き戻された。仮に爪弾をかわしたとしても、また対象目掛けて戻ってくるため逃げることは不可能。対処法はあるにはあるが、「誰かを盾にして身代わりにする」「爪弾をくらった部位を切断する」など犠牲は避けられないものとなっている。一度放たれたら誰かを犠牲にするまで消えないという攻撃は、ラブトレインとはどこか対照的である。
騎乗によって得たエネルギーを元としているため、次元の壁を突破可能な「重力」の力を抱えている。それ故、D4Cが次元を超えてもこの回転だけは置き去りにすることが出来ず、いかなる手段をもってしても大統領には回転は止められなかった。
その後大統領が最後の布石として平行世界から来たディエゴ(THE・WORLD)を呼んでおり彼との戦闘でも大活躍。時間停止ですら無限の回転は止めらなかった事から、Dioにとっての天敵、「あってはならない能力」と評された。
ACT4による攻撃は一度当たったが最後、そのパワーからは逃れられないが、唯一ACT4による「無限の"逆"回転」を撃ちこむことによってのみ完全に無効化することが出来る。逆に言えばそうしない限り、無関係の人間やジョニィ自身ですらそのパワーの餌食になってしまう。
ディエゴは事前に大統領からACT4の攻略法を聞いており、爪弾を食らった自らの足を切り落とし、それをジョニィに投げつける事で回転をジョニィに返すという方法で打倒した。
敗北を喫したジョニィだがスティール氏に馬に引き上げてもらい、逆回転を爪弾で自らを撃つことで難を逃れている。
敵を自動追尾するACT2とはわずかに毛色が違うのか、他人への接触等によって「無限の回転」を押し付けることが可能なようで、「無効」とまではいかないものの、「回避」には成功している描写がある。
これだけ聞くと殺意の塊にしか見えないが、ジョニィはエピローグで「荷物を船に載せる」という平和的な目的にも使用していた。爪弾を荷物に打ち込んだ場合、他の人間が荷物を降ろそうとしても、すっ転んだり、力が抜けたりといった現象が起き、いかなる手段をもってしても船から降ろすことが出来なくなる。明言はされていないが、これも大統領を地面に埋めた時と同様、無限の回転によって荷物を船に押し留めているものと思われる。
余談
- 本能力に関して「ジョニィの意志を無制限に必ず実現する能力である」とする言説がインターネット上で見受けられるが、実際の原理としては「込められた回転として起き得る現象の全てが解除不能になる」だけであり、本編中やジョジョ関連書籍でそのように示されたことはない。「回転に出来ないことはどんなに強い決意を持っていても出来ない」事が8部でジョニイが死ぬ回想内で示されている。おそらく「爪で撃ち抜かれるとジョニィの漆黒の意思(殺意や、上記な様な船から降ろさせない)が必ず実現される」という攻撃の不可避性が曲解されて伝わったものと思われる。非破壊性の地面のこじ開けなど、「無限の回転によって起きうる事象」が妙に幅広いせいもあろう。
- 殺意の高すぎる能力と、敵が哀れに思えるようなホラーの域に達している演出も相俟って読者に与えたインパクトは抜群だった。誰が呼んだか「絶対殺すマン」。現在○○絶対殺すマンと言った言い回しがネット上のゲームの話題で見受けられるが、その元祖にあたる。