概要
小説版の表記はペット・サウンズ。漫画版での表記はペットサウンズ。
ここでは原作者が執筆した小説版の名前で統一するものとする。
10年前、ペット・ショップと共に調教師によって訓練を受けたオウム。しかしスタンド能力が発現しなかったため、DIO死亡後は調教師の母親の下に引き渡されていた。
調教師自身はDIOの元から逃げようとして殺されたらしく、それ以降、息子の形見として調教師の母親に我が子同然に扱われていた。しかし、ある日鍵が掛かった状態の鳥籠から姿を消し、調教師の母親から脱走したオウムを連れ戻すようにホル・ホースが頼まれた場面から、今作のストーリーが始まる。
スタンド使いになった影響で本能に異常が生じており、能力を使って何をするか、どうするかという考えが持てない。このため基本的には無害である(これがスタンド能力を今まで使わなかった理由と思われる)。
逆にペット・ショップは凶暴化しており、標的を殺すまで追跡をやめないようになってしまった。
小説版では、ペット・サウンズは弓と矢を持った男によって持ち出されたことが示唆されている。
劇中の活躍
元々はエジプト・カイロで飼われていたはずだが、物語開始時点でトト神の能力によって杜王町に居ることが判明した。更にペットサウンズを追って杜王町に到着したホル・ホースを、町民を巻き込みながら自らのスタンド能力を使い執拗に攻撃する。獰猛なペット・ショップとは異なり、自発的に後述のスタンド能力を使うことは無いようで、実際DIOの死後10年の間は「大人しくしていた」らしい。実際、ペットサウンズは何者かによって使役されて行動していることが仄めかされている。
後に判明することだが仮頼谷一樹の耳たぶの一部を喰らったことで同調しており、彼の意志によって操られている。
スタンド「名称不明」
スタンド像は概ね鳥型の外見だが、全身がテープが巻かれたリールで構成されており、頭部は2本の配管が取り付けられたガスマスクのような構造に置き換わっている。
スタンド名がないのは、上述の通りスタンドが発現しなかったためと思われる(敵スタンドの名付け親はDIOということになっている)。
またスタンド固有の能力として、スタンド像から放たれたパンチカードが打ち込まれた人間に、ペット・サウンズが過去に聞いた「声」を聞かせ、その「声」が発せられた状況を強制的に再現させる能力を持つ。「声」が発せられた出来事に関わる人物であれば、誰の行動であっても当時の心境心理を含めて完璧に再現させることができる上、複数人を同じ「声」の影響下に置けるなど能力の自由度は高い。劇中では、吸血鬼ゆえ昼間は出歩けないDIOにとって、見たもの聞いたことを再現できるオウムのスタンドは利用価値が高かったと推測されていた。
このスタンドの能力の影響を受けた人間は眼球が白地に九つの点が格子状に並んだ不気味な様相を呈し、その出来事が終了するまで身体の自由が奪われる。打ち込まれたパンチカードは能力が消えると同時に嘔吐によって体外に排出される。
能力による行動の強制はかなり強力なものであり、ウィルソン・フィリップス上院議員の記憶を追体験させられた運転手は、自発的に運転席からフロントガラスを破るほどの勢いで投げ出された。一方で、出来事の再生が終わらないうちに能力が解除される例もあり、ホル・ホースがDIOの暗殺を試みた場面を追体験させられた際には、カイロでDIOから逃亡する際に目にした花京院の最後のエメラルド・スプラッシュの輝きを思い出したことで能力が解除された。
余談
恐らく、名前の由来は「ザ・ビーチ・ボーイズ」が1966年に発表したアルバム、「Pet Sounds」。
また、TVアニメ版では変更されたが、第三部のポルナレフの回想シーンではDIOの肩にオウムが乗っており、これがペット・サウンズの着想元になっているのではないかと推測される。
関連タグ
ペット・ショップ ホル・ホース 東方仗助 クレイジー・Dの悪霊的失恋
バイツァ・ダスト:本編の4部に登場したラスボスの新能力。過去に起きた出来事を運命として降り掛かるため防ぐことが出来ない(攻撃から逃げられない)というコンセプトが同じ。
ムーディー・ブルース:本編の五部に登場した、過去に起こった出来事を再生するスタンド。目のデザインがペットサウンズのスタンド能力に影響された人々と類似している。