概要
JOJO'S BIZARRE ADVENTURE OVER HEAVENとは、日本の小説家・西尾維新によって復元された記憶である。
漫画家・荒木飛呂彦の執筆30周年、及び「ジョジョの奇妙な冒険」連載25周年の記念企画「ARAKI 30th & JOJO 25th / 2011-2012 JUMP j BOOKS Presents Special Project “VS JOJO”」の第2弾として、「恥知らずのパープルヘイズ」に続き発表された小説作品。2011年12月16日に発売。
著者は「戯言シリーズ」「化物語」などの作品で知られる小説家・西尾維新。イラストは荒木飛呂彦が手掛ける。
そして、2012年9月19日には第3弾たる『JORGE JOESTAR』が発売された。
ジョースター一族の宿敵である悪のカリスマ・DIOを主人公に据えた所謂スピンオフ作品で、上述の通り第6部『ストーンオーシャン』の本編中で存在が判明し、作中でもそれとなく出てくる「DIOが天国へ行くための方法を書き記したノートそのもの」というスタンスをとっているため、内容自体はDIOが自身の視点で日誌を綴っていく形で展開されている。
ウルトラジャンプ2011年12月号の特別付録「VS.JOJOマニアクス」では、その小説内容の一部が先行して公開された。
あらすじ
かつて空条承太郎がDIOを倒し、その後に焼却処分したとされる「DIOが自身の目的を書き残した謎のノート」。
そこにはDIOがいずれ出会うだろう親友と共に天国へ行くために、自らの生い立ちや考えていた事、自らを打倒するべくエジプトへやってきたジョースター一行と対峙した記録、そして『天国へ行く』目的と方法が記されていたという。
その内容は、承太郎が「このノートはこの世界に残してはならない」と判断せざるを得なかったものであるらしい。
そしてそこへ書かれた内容は、彼の親友たるエンリコ・プッチが長年切望し続けたものでもあった。
時は流れ2011年、その失われた禁忌たる記録がエンリコ・プッチによって「承太郎の記憶を抜き取る」という形をもって初めて明らかとなる。
ホワイト・スネイクによって記憶を奪われ昏睡状態に陥ってしまった承太郎を救う手がかりとして、スピードワゴン財団は、かつて承太郎がエジプトで焼却したというディオの手記を再生させることを考える。
物を直すスタンドを持つ東方仗助でも完全な復元はできなかったという、その禁断のノートの断片は暗号化されていたが、独自の解釈で解読された。
補足
- 文体に西尾維新の個性が強く、また内容が「DIOの赤裸々な心情を描いた私小説」という体裁であるため評価は分かれやすいが、「息子がいた理由」「両右手の男のルーツ」「第一部の結末でDIOが生き延びた真の理由」など原作の空白部分の補完や、第一部・第三部・第六部にそれぞれ微妙にブレがあるDIOのキャラクター性の擦り合わせが行われており、原作ファンの西尾らしい思い入れの籠った内容に仕上がっている。
- 本書のタイトルおよび挿絵のDIOのデザインは、のちにゲーム『ジョジョの奇妙な冒険アイズオブヘブン』にて引用された。