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岸辺露伴は戯れない

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きしべろはんはたわむれない

荒木飛呂彦氏の漫画『岸辺露伴は動かない』を原作とする、日本のスピンオフ小説作品。

概要

正式名称「岸辺露伴は戯れない 短編小説集」。北國ばらっど、宮本深礼、吉上亮による日本の小説作品集。『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフ漫画『岸辺露伴は動かない』のスピンオフ小説。スピンオフのスピンオフ

『岸辺露伴は動かない』のノベライズ作品として『ウルトラジャンプ』付録の小冊子に掲載された「幸福の箱」(2017年8月号)、「夕柳台」(2017年9月号)、「シンメトリー・ルーム」(2018年1月号)の他、書きおろし作品「楽園の落穂」を収録し、2018年7月19日にJUMP j BOOKSから単行本化された。

収録作品一覧

幸福の箱

知り合いの古美術商・五山一京に「見せたいものがある」と彼の自宅に招かれた露伴。ごみごみした家の中に露伴はウンザリするが、五山はお構いなしにテーブルの上に風呂敷包みを置くと、見てほしいとだけ告げてそのまま外出してしまう。

あまりにも人を馬鹿にしたような態度に腹を立て、露伴は帰ろうとする。そしてテーブルの側を横切った際、風呂敷包みからいやな音がした。焦って露伴が中身を確認すると、包みの中にはバラバラに砕けた陶磁器が散らばっていた。そのかけらを注視して、露伴は気がついた。これは特別な「パズル」だと。

夕柳台

露伴は、子供たちの姿をスケッチしに来ていた。そこで喋ることができない少年・ケンちゃんと出会う。露伴が漫画家だと知ったケンちゃんの母親は、ケンちゃんの身に起こった不思議な出来事についてぽつりぽつりと語りはじめる。

ケンちゃん達一家は、仕事の都合で1年ほど前に杜王町のはずれの住宅地「夕柳台」に越してきた。家の近くの公園でケンちゃんを遊ばせていると、突然公園が静まり返り、恐怖を顔に滲ませたケンちゃんが足にしがみついてきて「変なお猿さんがにたにたしてる」と言った。しかし、ケンちゃんが指差す先を見ても何もいなかった。気のせいだろうと思い流すが、それ以降も度々ケンちゃんは母親には見えない「変な猿」を目撃し続ける。そしてある日、ケンちゃんは何者かに覆い被されたかのように倒れてしまい、それきりケンちゃんは口をきけなくなってしまった…………。

露伴は謎を突き止めようと「夕柳台」を訪れる。

シンメトリー・ルーム

杜王情報通信大学の最近建てられたばかりの新校舎で学長が死亡した。体の中心線でパッカリと切り開かれ、まるでアジの開きのような変死体だったらしい。

その取材に訪れた露伴は、作り手の気概が微塵も感じられない新校舎の「つまらなさ」に落胆する。そこで偶然、露伴は新校舎を設計した建築家と出会う。その彼は「シンメトリー」に魅せられ、異常なまでのこだわりを持っていた。こんな強いこだわりを持つ彼がなぜこのような「つまらない」校舎を設計したのかと疑問に思った露伴は彼に問うと、彼は「アシンメトリー」になるような注文をつけられ、そんなものは真面目にやるだけ無駄だから適当に設計したと答えた。露伴のプロ意識とは決定的に違う思想だった。露伴は「アシンメトリー」にも固有の美しさがあると説くが、彼は聞く耳を持たない。それどころか「シンメトリー」の美しさを知ってもらおうと、露伴を学長の死亡現場でもあるホールに閉じ込める。

ホールから脱出を試みる露伴であったが、そこに恐ろしい「なにか」が現れ………。果たして、露伴は無事にホールから脱出することができるのか?

楽園の落穂

露伴は、料理専門雑誌の編集者・移季年野からグルメ漫画の依頼を持ちかけられる。自分の作風はグルメ漫画向きじゃないし、なによりグルメ漫画は作品が描かれすぎて陳腐化しているだろうと露伴は乗り気ではない。そこで移季は、食品業界での伝説の希少小麦「楽園の落穂」の話もち出す。「楽園の落穂」は、食した者全てから絶賛され、その者の体質を劇的に変化させる力を持つらしい。

そしてなんと、移季の親友・屋宜沼猩造が山奥で「楽園の楽穂」を栽培しているそうなのだ。興味を惹かれた露伴は移季と彼の娘と共にその栽培地を訪れるが………。

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