南小陽
みなみこはる
「うわっ きも。さっきのデブ見た?」 (喪131)
黒木智子の3年生時のクラスメート。ウェーブのかかった髪の両サイドをピンで留めたヘアスタイル、ニーソ、鋭い犬歯(八重歯?)が特徴的な女子。1年生の頃までは髪の毛を二つ結びにしていた。
通称『キバ子』。ネーミングのきっかけは階段で転んだ智子を嘲笑したことでイラッとした智子がつぶやいた言葉。なお小陽本人の耳には届いていない。
クラスではいわゆる陽キャなのだが、良く言えば歯に衣を着せない、悪く言えば思慮が足らず人の悪口や陰口も遠慮がない上に、この点に関してむしろKYのため、話が合わない(人の悪口を嫌う、不快に思う)者からのその話題で悪化する空気が読めていない面もある。そのため、人間関係で厄介ごとを抱えている事が3年時の進級によって表面化した。
ひとことで言うと悪い意味で小学生のマインドを持ったまま高校生になってしまった人物。誕生日プレゼントに渡されたショートケーキのフィルムをぺろぺろ舐める行儀の悪さにそのへんのキャラクターが反映されている。
特に田村ゆりと仲がよろしくない。
ゆりとは同じ中学でその頃から付き合いがあった。
原幕に入学してからも1年生の時はサチ、ゆり、田中真子とつるんでいた。
一方ゆりの友達の真子とはそれなりに上手く付き合ってもらっているが、真子も悪口などの面には辟易している。
修学旅行の際に強引に真子を自分の班に引き入れ、結果ゆりが余りもの組に入る要因を作った人物。
この行動の結果として智子、吉田さん、ゆり、うっちーが同じ班となっており、(結果として)作品に大きな転機が訪れるきっかけを作った人物でもある。
会話のネタに他者の悪口を多用する悪癖があり、それを快く思っていないクラスメートも少なからずいる。
3年生編では自業自得ながらクラスで孤立していくことになる。
ひょんな事から3年生の2学期から二木四季と仲良くなる。
それが発端となってサチに変化が生じその結果、ノリ、マキを含めた小陽のグループは崩壊の一途を辿る。
その後小陽の行動によりサチとは仲直りするに至った。
この顛末では智子が脇役(というか蚊帳の外)の状態で小陽が実質主人公のような役割を担っている。
今や良くも悪くも読者から注目を集める準レギュラーのポジションとなったキバ子だが、昨今の彼女を語る上で欠かせないのがキバ虐という概念である。
当初は見目麗しい(?)だけのモブキャラという扱いであったが、登場から回を重ねていくうちにもこっちや田村ゆりといった陰キャラへの態度の悪さという黒い部分が目立つようになる。
今まで『わたモテ』本編は喪女であった頃のもこっちが生きづらさを感じながらも他人から害を受けることもなく何とか呼吸ができるレベルには優しい世界であったため、この種のクソg…もとい性格の悪いキャラクターの登場は読者から衝撃が走った。
性格が典型的なキョロ充であるうえに、田村ゆりやネモの居場所に割り込むような言動が出るにつれて、一部読者からは『こいつ、いっぺん酷い目にあえばいいのではないか。』という感情が醸成されていった。
そして、ついに喪128にて運命の時を迎える。
3年時のクラス替えにおいて常につるんでいたサチとノリ、マキという3人の友人と離れ離れになった結果、新たな居場所確保のためにオタク宣言をして友人との関係がギクシャクしていたネモの立ち位置に割り込むかたちでクラスの女子トップカーストである岡田茜と加藤明日香に接近したものの、自身の十八番である陰キャラへのネガティブキャンペーンによる話題提供が功を成さないどころか自己をしっかり持った2人からの印象がマイナスになる事態になった。それに気が付くことなく遠足編のネズミーでも2人について回っていたが、ここで選りによって岡田茜の親友であるネモのネガティブキャンペーンを開始するという地雷を踏む。これが岡田茜の怒りを買い、「あんたなんでいんの?別に誘ってないんだけど」と直球が投げつけられ、瞬時にクラス内での居場所を失うことになった。
この時、岡田茜とネモとの間に溝が生じ距離はあったものの和解したいと思っており、しかもバラバラに行動している状況で独断(言い換えれば勝手に)で岡田茜と加藤明日香のグループについてきて悪口を言いまくった訳で、弁護のしようがない。更に言えば、岡田茜は正義感が強いために遅かれ早かれ彼女の悪癖を非難していただろう。
一部読者は、これをキバ子地獄編の開始と銘打ち、彼女の以降の動向を多くの読者が注視するようになった。キバ虐という言葉はこのあたりから散見されるようになる。
当初こそ一連のキバ子の転落劇をざまぁする場合が多かったが、段々と様相が変化していった。
サチ、ノリ、マキが居る隣のクラスに行こうにも元来が他人を見下し合うことで成り立ってきた関係性であったようで彼女らに頼り切ることもできず、クラス内唯一残った自身の領地といえるのは’ママ‘こと田中真子だけであったが、彼女の周囲には今まで自分が馬鹿にしてきた者たちが常にいて接近もままならなかったので、仕方なく、また新しい居場所づくりにトライするようになった。
しかし、そもそも何で自分が受け入れられないか理解していなかったり、間の悪さから要らない地雷を踏みに行くなどして居場所づくりにことごとく失敗する場面が相次いだ。
↑要らない地雷を踏みに行った一例。
また、智子を「キモい」と評する内笑美莉に智子の悪口で取り入ろうとするも、彼女にとっての「キモい」は誉め言葉や愛情表現の類であり、最終的にクラスの出禁扱いにされた。
これら行動の裏側には自分がうれしいことは他人にもうれしい(受け入れられる)ハズというある意味での独りよがりなサービス心も透けて見え、この点が読者が彼女を憎みきれない要素の一つとなっているが、悲しいかな前述の通り要点を外していると言わざるを得ない。
こうしたかつてのもこっちを彷彿とさせる痛々しいまでの(不毛な)トライ&エラーが読者からの感情をも変化させ、『こいつただのアホの子とちゃうか?』とも捉えらるようになった。
こうしてキバ虐は、
キバ子を加虐する or されているのを見てメシウマすると共に、彼女が悶絶している様子を愛でる
という要素も併せ持つようになった。
pixiv内ではこの名前のタグこそ無いものの、今やキバ子関連の投稿物の大部分がキバ虐をテーマにしている。
公式までもが…
そんなキバ子にとって七転八倒な日々が続くなかでそれは起きた。
2018年7月18~30日にかけて開催されたBOOK☆WALKER主催の『もこっちとくっつくのは誰だ!?選手権』でネット上での対もこっちとのカップリング投票が行われた。黒木智子となかまたちやゆうちゃんといったもこっちハーレム(仮称)の面々が顔を揃えるなかでなぜかキバ子もノミネートされていた。
それだけなら数合わせかネタ要員として片付けられそうなものだったが、問題はキバ子の説明欄の内容にあった。
なぜここにエントリーされているかもわからない超大穴ダークホース。すべてのベクトルでイヤミでザコキャラでしかない彼女だが、いまの「もこっち」のハーレムパワーをもってすればもしかしてもしかするかも。 |
奇しくも本編において「やっと青春はじめました。(単行本15巻の帯より)」もこっちのことをキバ子が話しのタネにキモいとディスる⇒もこっちの関係者の逆鱗に触れる…というキバ虐の様式美が成立しようとしていた時期でもあり、彼女にとってある種の一発逆転になり得るいわゆるキバもこが成立する可能性は限りなくゼロに近かった。こうした中で、突如としてぶっ込まれた公式直々のキバ虐…否、鬼畜の所業にはいくらシュール展開で訓練されたワタモティストの一党といえど戦慄を禁じ得なかった。
こうして何気なく…そしてあからさまに建てられたフラグに対して読者は彼女の前途に不安を抱かざるを得なかったが、「よけろキバ子!」といわんばかりの読者からの決死の祈りもむなしくその後も南小陽は無意識に地雷を踏み、着実に敵を増やしています。
※画像はイメージです。
相模南:「南」というネーミングつながり、および千葉を舞台にした別の主人公ボッチ作品のリーダー系キョロ充。そして彼女も最後には…。
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