概要
ニート(無職)の一種。心身の健康上の問題がないにもかかわらず、就労や就学をしておらず、外出もほとんどせずに、もっぱら自宅(主に実家)にいる若者、特に男性のこと。
同様の存在を指すひきこもりに比べると軽いニュアンスかつ、あくまでジョークである。
ネット掲示板が発祥とされ、ユーザーの一人が「俺たちは無職ではない。自宅の警備をしているんだ」と冗談交じりに言ったことから、「ニート」の言い換えとして「自宅警備員」という言葉が使われるようになった。
本来ニートは「ひきこもり」と同義ではないため、同じく無職でも自宅からほとんど出ずに生活を送っている状態を指すのであれば、「自宅警備員」の方が適していると言える。
一応、家に成人男性がいる(※一人暮らしではなく、複数人で同居している場合)という状態は、空き巣や詐欺などに対する文字通りの「警備」、宅配便の受け取り係、作業用員といった利点があり、同じ無職でも外で遊び歩いている人間よりはまだ有益…かもしれない。また、年末になると自宅警備の他にも、大掃除や年賀状の印刷など、年末の自宅での仕事で忙しくなる、自宅警備員が最も活動する時期でもある。
一方、一緒に暮らす家族や同居人との関係が良好でなければ、これらの利点も特に役立たないといえ、自宅警備員の存在が大きなストレスとなることもしばしばある。
また、インターネット上のウェブサイト・掲示板・インターネット百科事典は重要な巡回・警備コースなのだが、就学・就労から遠ざかっている、他者との関係が減っていることで社会常識や価値観の世間とのズレが大きくなり、余計なトラブルの火種となっている場合も少なくない。
あくまで健康・無職・出不精の三つを兼ね備えたいわゆるプータローを言い換えたものなので、家から出ない成人(男性)であっても、病気等で自宅療養している人や、在宅の仕事をしている人は含まれない。また、無職でも頻繁に外出して不在がちな人は自宅「警備」員とは言い難い。
就学・就業せず、夫や交際相手、親やきょうだいに経済的に依存し、自宅警備員同様の(自堕落な)生活を送る女性もいるが、結婚していれば「専業主婦」、親元にいれば「家事手伝い」、もしくは単なる「ニート」扱いされ、自宅警備員と呼ばれることは少ない(※主婦も家事手伝いも定義には「家庭の構成員として、主体的に家事全般に取り組んでいる」という点があり、家事への関与が条件にない自宅警備員やニートとは本来異なる)。
自宅警備隊 N.E.E.T.
2010年の冬コミにて、特殊部隊さながらの仮装をし、背中に「自宅警備隊 N.E.E.T.」と記したコスプレ集団が登場。
自称だけでなく、恰好まで本物の警備員(どころか警察官か軍人)のようにして、いかめしく銃を構える姿、しかし結局はニート、というギャップで大ヒットした。
以降も様々なコスプレイベントにて活動しており、人員も増えている。
同人サークルとして、コミックマーケットでの同人誌の発表やグッズ販売、アニメとのコラボ、ライブパフォーマンスなど幅広く活動を行っている。また、ボランティアも積極的に参加している。
「コミケに出かけてるなら自宅警備してないじゃん」というツッコミもあるが、これは「宅外派遣」中だから、という設定である。