概要
『月刊アクション』(双葉社)にて連載されている。
ニュー速VIP出身の漫画家クール教信者氏のストーリー漫画で、自称「底辺システムエンジニア」なOLの小林さんと、小林さんに助けられた事が縁で、メイド服姿で住み着いたドラゴン娘トールの日常を描いている。
双葉社からの当初の依頼はボーイミーツガールな恋愛ものと言う事だったが、夜遅く帰ったらメイドがいる生活への憧れが爆発した結果、編集部からのリクエストとは異なる内容のネームが出来上がった。その後、無事に連載が決定し、月刊アクション創刊号(2013年7月号)から連載がスタートした。
トールの仲間達が神話や伝説に登場するドラゴン(のようなもの)を元ネタにしている事の他、卵が弱点のエレンスゲの話など世界各地のドラゴンネタが登場する。
登場するドラゴンの容姿は人間をベースに角や尻尾が生えた所謂ドラゴン娘で、人外を題材にした作品ではあるが、比較的ソフトなビジュアルとなっている(稀に本来のドラゴンの姿で登場する場面もある)。
スピンオフ作品としては、木村光博氏による『小林さんちのメイドラゴン カンナの日常』(2017年2月号から連載開始)とカザマアヤミ氏による『小林さんちのメイドラゴン エルマのOL日記』(2017年10月号から連載開始)と歌麿氏による『小林さんちのメイドラゴン ルコアは僕の××です』(2019年3月号から連載開始)とノブヨシ侍氏による『小林さんちのメイドラゴン お篭りぐらしのファフニール』(2021年1月号から連載開始)が存在しており、いずれも月刊アクションにて連載されている。
登場人物
主人公
いつも化粧っけのない疲れた顔をしている女性で、地獄巡商事北千住事務所に勤める自称底辺システムエンジニア。フルネームは不明。腰痛と貧乳が悩み。
普段は外見同様の冷めた性格だが、酔うとメイドや執事に対するオタク心を解放してトールに「メイドとしてなってない」とメイド服を脱がしたり、説教する。また性格も男前になる。
小林さんの家に棲みついた異世界の雌ドラゴン。元ネタは北欧神話に登場する雷と農耕の神…ではなく、人間世界の作家(トールキン?)からとったらしい。
普段は人間の女の子の姿にメイド服を着ているが、頭に2本の角が生えていたり、尻尾がスカートから見えるなど、人外である事を完全に隠してはいない。ちなみに人間の姿の時の胸のサイズはDカップ(曰く、「ドラゴンのD」)。
元々いた世界で神々に戦いを挑んで聖剣をつきたてられる重傷を負い、小林さんの世界へとドラゴン姿のまま逃げてきて山に隠れていた。そこへ偶然やってきた泥酔した小林さんと遭遇し、彼女にたすけられて意気投合した。その際行き場が無いことを伝えたところ、小林さんに酔った勢いで「じゃ うちくる?」と言われたため、彼女の家でメイドとして働くことを決めた。
助けてくれた小林さんには恩義を感じている為、メイド服で料理・洗濯・掃除等を担当しているが、小林さんの服の匂いを嗅ぐ等、恩義以上の感情を持っている。
特定の宗教と何か因縁があるらしく、クリスマスが誰の誕生日を祝う日かを小林さんに教えてもらった際に「え?あいつの息子の?」と嫌悪感を顔に出す事がある。
登場人物(ドラゴン)
トールのいた世界の雌ドラゴン。元ネタはアイヌ神話に登場する雷神(ちなみに男性)。
トールを慕って人間世界にやってきたドラゴン娘で、トールと異なり小学生ぐらいの外見をしている(実際、ドラゴンの姿もトールに比べてかなり小さい)。愛称は『カンナ』。
電気が主食だが、人間世界にやってきた当初は電気切れとマナの薄さにより本来の力を出せずにいたが、コンセントから充電することで回復。
トールと、人間基準ではどうみても殺し合いにしか見えない遊びを楽しんだ。
当初は小林さんのことを敵視していたが、実はイタズラが原因で家を追い出されてトールのいる世界にやってきたことを小林さんに看破され、「一緒にいよう」と声をかけられて以降は、露骨に敵視するようなことはなくなった。
後に『小林カンナ』の名で小学校に通うようになり、才川と仲良くなる。
トールのいた世界の雌ドラゴン。元ネタはアステカ神話に登場する蛇神。
一人称は「僕」で、親しい人には『ルコア』と呼ばせている。
当初からトールの相談相手の世捨て人なドラゴンとして、名前や電話の相手として登場していたが、トールが開いたクリスマスパーティに出席した際は、トールを上回る爆乳な胸に痴女っぽい衣装のお姉さんの姿で現れた。
自分達の世界にいた時のトールはあまり笑わなかったが、小林さんと一緒に生活するようになって笑うようになったと、小林さんに感謝した。
トールのいた世界の雌ドラゴン。
額に一本角を生やした、秩序を重んじる調和勢のドラゴンでトールとは犬猿の仲。
生真面目で融通が利かない性格だが、食べ物に目がない。
トールを元の世界に連れて帰るためにやってきたが失敗し、自分も帰ることができず人間世界で暮らすことになる。
『上井エルマ』の名で小林さんや滝谷と同じ地獄巡商事北千住事務所に就職し生計を立てつつ、時折トールと喧嘩をするようになる。
トールのいた世界の牡ドラゴン。元ネタはゲルマン神話に登場する竜。
当初から、トールの相談相手の1人のひきこもりとして名前が登場し、トールが家の門番をするよう小林さんに命じられ、実際何をしたら良いかと電話で相談した際に「コロセ」と言っていた。
トールがクリスマスパーティを開いた際は、悪魔のような姿で小林さんの家を訪れた為、トールが用意した写真を元に悪魔で執事っぽい姿に変身し直した。
前記の通り簡単に「コロセ」なんて言ってしまうのだが、やっぱり酔った小林さんと滝谷には敵わなかった。
人間世界に暮らすことにした際、家が決まらず、『大山猛』の名で滝谷の家に居候することになった。以降、滝谷の趣味に染まりつつある。
トールのいた世界の雌ドラゴン。
人間姿は巨乳な少女だが、当初腕はドラゴンのままで尻尾も隠せていなかった。
破壊と支配を望む混沌勢の過激派で、トールにつられて人間世界にやってきて街を破壊しようとするが、あっけなくトールにノックアウトされた。その後、調和勢の(エルマとは別の)ドラゴンに殺されそうになったところを、小林さんとトールに救われ、小林さんちの三人(三頭?)目の居候になった。後に駄菓子屋で店番を任されるようになる。
テレビアニメでは第7話のトールの回想シーンにて声だけで登場していたが、トールの回想によれば、「人間は害悪だ。皆殺しにしろ。」と発言しており、トールも小林さんを父に会わせると、小林さんが殺されてしまうと懸念している。
アニメ第13話でトールを連れ帰ろうと人間界に現れ、娘と壮大な親子ゲンカをくり広げる。
しかし、原作では娘の行く末を案じる不器用な父親という役回りであり、後日、意外な形で小林さんと接点を持つことになる。
登場人物(人間)
小林さんの会社の同僚の男性。
小林さんの呑み仲間であり、酔った小林さんと執事・メイド関係のオタク話に花を咲かせられる。その際、瓶底眼鏡をかけ語尾が「ヤンス」になる。
本人的には、小林さんは女性として気を使う必要が無いのと共通の趣味を持っているのでウマが合うことから飲みに誘うのだが、トールからは少々誤解されてライバル視されている。
ファフニールを家に居候させてからは、彼をオタク趣味に染めつつある。
カンナのクラスメイト。お嬢様で高飛車な女子小学生。
カンナが転入してきた当初は何かとつっかかっていたが、根は良い子ですぐに仲良くなる。
カンナに対して友情以上の感情を抱きつつある。
自称・才川家のメイドだが、実は才川の姉の中学3年生。
本名は『才川苗』。
メイド好きでそのように振る舞っており、小林さんとも気が合う。
小学5年生の男の子。魔法使いの家系で、召喚の儀式を行なった際、ルコアを喚び出してしまう(危険な悪魔を召喚しようとしていたため、ルコアが代わりに召喚に応じた)。
そのためルコアのことを悪魔だと思い込み、スキンシップの激しいルコアに耐える日々を送っている。
単行本
現在10巻まで発売中。
巻数 | 発売日 |
---|---|
1巻 | 2014年5月10日 |
2巻 | 2015年2月10日 |
3巻 | 2015年9月10日 |
4巻 | 2016年5月12日 |
5巻 | 2016年12月12日 |
6巻 | 2017年7月12日 |
7巻 | 2018年4月12日 |
8巻 | 2019年2月12日 |
9巻 | 2019年11月12日 |
10巻 | 2020年8月11日 |
公式アンソロジーコミック
現在4巻まで発売中。
巻数 | 発売日 |
---|---|
1巻 | 2017年1月12日 |
2巻 | 2017年3月11日 |
3巻 | 2018年3月12日 |
4巻 | 2018年5月11日 |
余談ながら、“本編”と、このスピンオフ作品の単行本が、同じ日に刊行されたことがある。
テレビアニメ
第1期は2017年冬アニメとして放送。アニメーション制作は京都アニメーションが、音楽制作はランティスがそれぞれ担当。第1期の放送局はTOKYOMX、テレビ愛知、朝日放送、BS11の4局。CS放送・テレ朝チャンネル1では3ヶ月遅れで、CS放送・AT-Xでも5ヶ月遅れで第1期を毎週放送していた。
また、ニコニコ動画、AbemaTVなど10の動画配信サイトでネット配信された。
第2期も、京都アニメーション制作で2021年7月より放送されることが予定されている。
スタッフ(一期)
原作 | クール教信者 |
---|---|
監督 | 武本康弘 |
シリーズ構成 | 山田由香 |
キャラクターデザイン | 門脇未来 |
美術監督 | 渡邊美希子 |
総作画監督 | 丸木宣明 |
色彩設計 | 米田侑加 |
小物設定 | 秋竹斉一 |
撮影監督 | 浦彰宏 |
音響監督 | 鶴岡陽太 |
アニメーション制作 | 京都アニメーション |
製作 | ドラゴン生活向上委員会 |
スタッフ(二期)
原作 | クール教信者 |
---|---|
シリーズ監督 | 武本康弘 |
監督 | 石原立也 |
シリーズ構成 | 山田由香 |
キャラクターデザイン | 門脇未来 |
美術監督 | 落合翔子 |
総作画監督 | 丸木宣明 |
色彩設計 | 秦あずみ |
小物設定 | 秋竹斉一 |
撮影監督 | 植田弘貴 |
音響監督 | 鶴岡陽太 |
アニメーション制作 | 京都アニメーション |
製作 | ドラゴン生活向上委員会 |
主題歌
第1期
OP『青空のラプソディ』
歌 - fhána
ED『イシュカン・コミュニケーション』
歌 - ちょろゴンず[トール(桑原由気)、カンナ(長縄まりあ)、エルマ(高田憂希)、ルコア(高橋未奈美)]
放送リスト
第1期は全14話(14話は未放送)。
放送話数 | タイトル | 脚本 | |
---|---|---|---|
第1話 | 史上最強のメイド、トール!(まあドラゴンですから) | 山田由香 | |
第2話 | 第二のドラゴン、カンナ!(ネタバレ全開ですね) | 山田由香 | |
第3話 | 新生活、はじまる!(もちろんうまくいきません) | 武本康弘 | |
第4話 | カンナ、学校に行く!(その必要はないんですが) | 西川昌志 | |
第5話 | トールの社会勉強!(本人は出来てるつもりです) | 志茂文彦 | |
第6話 | お宅訪問!(してないお宅もあります) | 山田由香 | |
第7話 | 夏の定番!(ぶっちゃけテコ入れ回ですね) | 武本康弘 | |
第8話 | 新たなるドラゴン、エルマ!(やっと出てきましたか) | 志茂文彦 | |
第9話 | 運動会!(ひねりも何もないですね) | 武本康弘 | |
第10話 | 劇団ドラゴン、オンステージ!(劇団名あったんですね) | 西川昌志 | |
第11話 | 年末年始!(コミケネタありません) | 山田由香 | |
第12話 | トールと小林、感動の出会い!(自分でハードル上げてますね) | 西川昌志 | |
第13話 | 終焉帝、来る!(気がつけば最終回です) | 山田由香 | |
第14話(未放送) | バレンタイン、そして温泉!(あんまり期待しないでください) | 西川昌志 |
関連イラスト
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