概要
文字通り自分を尊いと思う心であり、プライドと訳されることが多い。
心理学の場では自尊心を「Self-esteem」の訳語に当てて「Pride」と区別しようとする動きがあるが、Prideもかなり多義的であり厳密に区別する試みは上手くいっていない。
なお英語版wikipediaではSelf-esteemに影響を与える要素の一つにPrideが挙げられている。
詳細
自尊心は読んで字の如く「自分を尊いと思う心」を指す。
「自分を愛する心」と言ってもいいかもしれない。
自尊心が弱すぎる場合は何事にも自信が持てなくなり、挑戦意欲が失われることが多いが、確固たる自己評価をすることができずに他者からの高評価を過信して、傍から見ると自信過剰とも思える言動をとることもある。劣等感・陰湿も自尊心の弱さに影響がある。
一方で自尊心が強すぎると全能感につかまって他者のことを気にかけなくなる他、負けや間違いを認めずに不当に他人を責める傾向にあり、自己中心的な人間にもなりかねない。自分で自分を100%愛せてしまう人間は、他者からの愛も必要としないのである。また、自尊心が強すぎる人ほど実は自己肯定感が低いというケースも多い。自分にとって不都合なことに耐性がないからこそ、自分を守るために自尊心を過剰に強く持って生きようとするのである。言わば、自分の嫌いな所から目を背けたいあまり自分の好きな所に酔いしれている状態と言っていい。
日本人は総じて自尊心が低めであるとよく言われ、自尊心の向上を薦められることが多い。ただし、近年になってアメリカを中心に高すぎる傾向にあるため、向上が必ずしも良いとは限らない。結局は何事もほどほどが一番という話である。
本当に自己肯定感が高い人間は己の良い所も悪い所も受け入れた上でこれが自分だと認められる人間であり、自尊心には頼らないのだ。これなら他者とは関係なく自信を持つことができ、課題や失敗にもへこたれることなく前に進むことができるし、また点数や地位と言ったものを過信せずに己の欠点に目を向けることもできるようになる。
一説には幼少期に親の愛情をたっぷりと受けることが重要であると言われる。青年期までに充分な自尊心を確保できなければ、壮年以降に拗らせてトラブルの火種にもなりうる。
ただこれは自尊心の貯金をしているようなものであり、当然ながらその後の環境にも大きく左右される。親に愛された子供がその後高い自尊心を維持できるとは限らないし、逆に親に愛されなかったからと言って一生自尊心を持てないと決まっているわけでもないのだ。