概要
本来ならば自身が謝るべき状況であっても、頑なに屁理屈を重ねて謝ることを拒否する人間を皮肉る時に使われるスラング。
無論、医学的な病気ではなく、どちらかと言えば悪癖に近いもので、「自分は悪くない。悪いのは相手の方」とか「状況的に仕方なかったから(自分が)謝る必要は無い」というような都合の良い論理によってこうなりやすい。
元々は不祥事を認めようとしない企業や政治家や有名人に対する皮肉として使われてきたが、SNS普及後は一般人も陥りやすい事が判明した。
「(悪口のからかい以外で)誉めたら死ぬ病」「認めたら死ぬ病」「謝る事件が起きる理由を取り除かない病」「謝る機会を与えない病」の意味で使われることもある。
根本的な原因
基本的に罪悪感というのは人の精神に強いストレスを与える要因になることから、意識的にしろ無意識的にしろそれを避けようという防衛機制の否認が強く働いている場合が多い。
さらに人間社会においては己の非を認めるという事は自分の立場を相手より下に置く事になるため、事の正否よりも自分を貶めたくないという心理も深く関わってくるが、要するに「怒られるのが怖い」という恐れの表れであり、それで虚勢を張るのは謝る事すらできない己の弱さを正当化しているだけと言える。
また、謝る事が出来るのは、当人の人間性や実績、地位に関わらず悪事や過失を行えばどんな人間であれ悪い、という『人間は平等である』という意識の表れであり、逆に言えば常に格差を意識している器や了見の狭い人間ほど、この病にかかりやすい。
成功者や重い立場にいる人の場合、それについてくる人や部下、その家族の生活とその責任を背負っており、「失敗出来ない、してはならない」というプレッシャーを抱いている人も少なくない。その為についてきてくれる人のマイナスとならないよう自分の過ちを認めにくい状態になり、何かあっても非を認めない、謝らないという思考に陥る事がある。だからといって謝罪しないと、見苦しいとか反省していないとかと世論から非難されるため、まさしく「進むも地獄退くも地獄」になってしまう。ただし、この思考は立場とついてきてくれる人の存在を盾に自分の過ちを正当化する行為に過ぎず、謝らなくて良い理由にはならない。
また、「謝らない人間」だけでなく「謝っても許さない人」も原因と言える。
仕事場でも過度に𠮟りつける事が原因でミスが隠されるようになってしまい、結果としてミスの発覚が遅れるという事がしばしばある。確かにしでかした事の内容によっては謝っても許されない事も確かにあるのだが、非を認めて謝罪した相手に対して「謝らせる立場」を盾に責め続ける行為は、それこそ謝らない人間と同類と言える。
異常に他人に気を遣わない人間、異常に物理の知識がない人間(すぐに頭を殴るのや長時間座らせて暴言を浴びせ続けるのは倫理の乏しさではなく物理の知識の乏しさに起因する)、異常に性欲が強い人間、異常に自分以外の同性全員が嫌いな人間、異常に他人の身体的特徴を貶める人間、落ち度の有無に関わらず隙を見せた人間に即殴りかかる人間、職場以外でも左右ではなく上下の関係を築くのに固執する人間、たとえ広い道でも他人のためにどいたりしない異常にプライドが高く被害妄想が強い人間や、そのタイプの人間を活性化させて被害者に泣き寝入りさせる社会のルールも関係している可能性があり、体育会系や発達障害や精神疾患やグレーゾーンや毒親の被害者や未熟者(幼児、十人並の成績)ではなくても、このタイプは存在する。
余談
創作作品においても作品外で用いられる語句であり、作中での『明確な落ち度や非(主に早とちりや勘違い・思い込み(誤解)、逆恨みや妬み等を理由として主人公・ヒロインをはじめとする被害者等に迷惑や危害を加えた)がありながら謝らないキャラクター・人物』に対して読者や視聴者、プレイヤーが蔑称感覚で用いることがある。
人生、時には意地を張る必要もあるが、内心では悪いと思いつつ「ごめんなさい」の一言が言えないのなら、「頭だけでも下げる」など相手に何らかの謝意を示す努力をしたほうが、物事を円滑に進めやすい。時には柔軟に退くことも考えなければ、いずれは自分で自分の首を絞めることになってしまう。怒られることに抵抗があるなら、「命まで取られることはない」とでも考えておけば、謝る行為へのハードルも下がるだろう。
関連タグ
謝る 謝罪 反省 逆ギレ 逆張り 挑発 開き直り 正当化 自己愛 詭弁 他責
病気 天邪鬼 へそ曲がり ひねくれもの 中二病 2ch脳 意地 文句 見栄っ張り
短気 強引 不遜 自尊心 負けず嫌い 負け惜しみ 屁理屈 論点のすり替え 言い訳
レスバトル 被害者面 責任転嫁 進むも地獄退くも地獄 盗人猛々しい 幼稚 見苦しい
ごめんで済んだら警察はいらない:ある意味で謝ったら死ぬ病と対になる概念
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アンチ、信者、削除荒らし、レッテル貼り/認定厨(ネットスラング)、自治厨、正義中毒/正義マン、自警団、ツイフェミ、名人様、冷笑系、無敵くん、距離梨:特徴で兼ね備える者も多い。
無自覚な荒らし、ならず者、犯罪者予備軍、犯罪者、ネット弁慶:謝ったら死ぬ病患者の行為や特徴など。多くは、居丈高で不遜な態度を取り、無責任かつ自分本位な性格であるため、これに該当する。
悪徳勇者、バカ息子、悪役令嬢、転生ヒドイン、クズモブ:Web小説投稿サイトで読める作品にてこれらの属性の持ち主が兼ね備えている事が多い。もちろん結末はこうなるのが大半。
濡れ衣、冤罪、早とちり、勘違い、誤解:これらを理由として主人公(ヒーロー)を疑って責めて(時には迫害して)おきながらそれが間違いだと分かった時に謝らなかったキャラクター(特に理不尽暴力ヒロイン、クズモブ等)は、読者や視聴者、プレイヤーなどから『謝らなかった死ぬ病』の烙印を押されることになる。
プライド:謝ったら死ぬ病を患う理由の一つであり、『自分の落ち度を認めて謝るのは極めて屈辱的なことだ』というビタ一文にもならない極めて安いプライドの持ち主であることが創作作品・現実世界双方で見られる。