概要
コンピューターが大量のデータに潜むパターンやルールを見出し(学習)、問題解決(推論)に結びつける、機械学習の手法のひとつ。ディープラーニングの実用化が近年の人工知能(AI)の急激な発展(第3次AIブーム)の火付け役となった。
脳の働きを簡略化したアルゴリズムであるニューラルネットワーク(後述)のうち、データを読み込ませる入力層と、結果を出力する出力層の間に、中間層を2層以上挟んだもの。中間層の数には決まりがなく、最大で1000層に達するものがある。
解説
AI分野で広く使われている学習モデルとして神経細胞の挙動を簡略化したニューラルネットワークというものがあるが、学習の際、入力層と出力層の間に中間層を挟むと非線形な問題が解けるようになることが知られていた(多層パーセプトロン)。これを多数重ねるほど複雑な問題が解けるようになると思われたが、実際には勾配消失という現象が生じ、学習が進まなくなった。また、多層パーセプトロンは局所最適解に陥りやすく、「真の最適解」を得ることを阻んだ。
2006年、ジェフリー・ヒントンが提唱したオートエンコーダとディープビリーフネットワークが勾配消失問題を解決、局所最適解への対処も図られ、複数の中間層を挟んだ多層パーセプトロン(=ディープラーニング)が実用化された。