概要
「込み」、「コミ出し」と表すこともある。
囲碁は、相手より広く陣地を獲得すれば勝ちである。
コミとは、その陣地にある程度の架空のポイントを加算することである。
囲碁のハンディはほかに、「置き石」(はじめから黒が2~9個ほどの石を置いてから、白に打ってもらう)というハンディもある。
交互に石を置いていく囲碁では明確に先手(黒番)が有利であり、対等な勝負を行うためには何らかの工夫が必要とされていた。
歴史的には互いに先攻後攻を入れ替えて複数回対局することで公平性を確保する方法がとられていて、実力差がある場合には弱い方の先手局を増やすというハンデマッチも行われていた。現在ハンディなしを意味する「互先」(たがいせん)や、コミなしで対局することで事実上先手に有利を与える「定先」(じょうせん)といった語はこの複数回対局での先手の分配法に由来している
その後近代に入り対局者数、対局数が増えたことで一つの勝負ごとに複数回の対局を行うことは難しくなり、1回の対局で先手後手に有利不利が生じないような仕組みが求められるようになった。そこで有利な先手に最初からマイナスを与えるコミが導入された。
当初コミは4目半であったが、対局データ等でなお先手が有利との理由で5目半、6目半と改正されている。日本では2002年以降6目半を採用しているが、世界的には7目半とするのが現在の主流である。
例
1.対等な条件で囲碁を打つ場合、先に打つ黒の方が有利になるため、白はコミをもらうことができる。今日の日本では6目半(6.5目)、漫画『ヒカルの碁』(1998年-2003年)では5目半(5.5目)と設定されている。
仮に6目半のコミと設定すると、黒は盤面で1~6目の差で優っていても勝ちと認められない。盤面7目以上の差をつけることで勝ちとなる。
2.力に差がある場合には、「逆コミ」というものがある。下手(したて)が黒を持ち、先手であるため有利に戦え、さらに黒の陣地にコミを入れるということである。