ゲフィオン
げふぃおん
北欧神話に登場する豊穣と女性の死を司る女神。四頭の牛が牽引する牛車に乗った姿で表される。
この四頭の牛はヨトゥンヘイムで巨人たちとの間に作った子供たちであり、彼らが引く牛車をトラクターのように改造して大量の土砂を海へと運びスウェーデン王国最古の人物であるギュルヴィに与えた。これが現在のデンマークの首都があるシェラン島が出来た経緯であり、ゲフィオンによって土砂が抉られた土地はやがて水が溜まってメーラレン湖になったとされている。
上記の司る権能からフレイヤとも同一視される。
「──さぁ、始めるぞ。アイギスを癒すエネルギー、"アニマ"に満ちた、異世界の具現化を!」
CV:山口由里子
性別:女性、年齢:37歳、身長:164cm、体重:49kg
『レイズ』の主要オリジナルキャラクター。
常にフードと仮面を被るセールンドの謎の宰相。滅びの危機に向かうティル・ナ・ノーグを救う為に、鏡の盾「アイギス」の修復を急いでおり、その為に鏡士の家系であるイクスとミリーナに助力を求める。一部ではセールンドの敵国、ビフレストから送り込まれたスパイではないかと噂され、救世軍をはじめとする反抗勢力が存在する。
宰相になる前の素性や経歴は鏡士の力がある事以外は殆どが不明で、ガロウズですら「昔、魔鏡技術の開発に携わっていた」程度の事しか知らない。
宰相就任後の行動の真意も不明で、時折、予定をキャンセルして王宮を出る事もあるが、詳細は側近ですらわかっていない。
一方で、国王デミトリアスからの信頼は厚く、彼から極秘の任務を与えられる事もある。また、魔鏡戦争で家族と左腕を失ったガロウズを救い、彼を魔鏡機器の整備・運用担当に抜擢する等、優しさを見せる事も。
世界の危機を知る者としてイクスとミリーナの旅を補佐するが、7章序盤では王宮を発って以降、一時的に姿を見せておらず、その間はデミトリアスが補佐を代行している。
以下ネタバレ注意
その正体はもう一人の「ミリーナ・ヴァイス」であり、仮面の下の素顔もミリーナと同じである。
話は数十年前のティル・ナ・ノーグの歴史にさかのぼる。
当時セールンドとビフレストは戦争を繰り広げていた。
その時、オーデンセもその戦に巻き込まれており、滅ぼされる。
この際に当時のイクスも死亡しており、彼女は絶望した。
そんなイクスを想った彼女は幼馴染みのフィル(この時代のフィリップ)と共に、イクスの両親の研究を継いでカレイドスコープを使ってビフレストへの復讐を決意。カレイドスコープを完成させてビフレストの人々のアニマを抜き取り、金の粒子に変えて消滅させた。
ところがその際にカレイドスコープに不具合が生じて暴走。消滅した人々のアニマが「死の砂嵐」となって「虚無」を生み出し、世界を虚無が覆いつくし世界全部を滅ぼしかけた。ミリーナは虚無を防ぐ「アイギスの盾」を作り出すも、既に世界はセールンドとその周辺しか残っていなかった。
贖罪のために彼女はカレイドスコープで世界を1年前の状態で具現化させ、またイクスに復活して欲しいという想いから自分たちの故郷オーデンセは10年前の状態で具現化させた。この復元された世界こそが『テイルズオブザレイズ』の舞台となっている「ティル・ナ・ノーグ」である。
しかし「死の砂嵐」の消滅したオリジナルたちの意識は、具現化された人々に「滅びの夢」を見せるようになる。それはいつしかセールンドの事実上トップであるゲフィオンへの不審に変わり、ゲフィオンに反発する救世軍が「アイギスの盾」の一部を破壊してしまい、その影響でオーデンセは消滅。具現化した世界も「死の砂嵐」に巻き込まれて消滅してしまった。オリジナルからの具現化では無理だと悟ったゲフィオンは、最後の手段として「異世界の一部」を具現化し、世界を復元させることを決断した。
主人公を務めるイクスはゲフィオンによって復元された存在(3代目、2代目はプロローグでアイギスの破片がオーデンセに降り注いだ時に死亡)であり、そのイクスの幼馴染みにあたるミリーナはイクスを守るためにゲフィオンによって生み出された2代目である。
大切な人を奪った者たちへの復讐のため、世界を滅ぼした魔女ーーそれが初代ミリーナであった。
「アイギス計画」とは、ゲフィオン…初代ミリーナによる自身を犠牲にしてでもアニマの流れを整えて世界を完全に復元させようとするプロジェクトであり、これを実行するためには大量のアニマが必要になる。
イクス達にアニマを増やすための具現化の旅を指示していた理由はこのためである。
「死の砂嵐」を閉じ込めるアイギス計画で「鏡の牢獄」に自ら閉じこもったが、「死の砂嵐」は自らを殺した初代ミリーナに対する怨みを向け、ゲフィオンだけでは封印を維持できなくなり、彼女と共にイクスもまた「鏡の牢獄」の封印に入ることになった。
二部では共に封印されたイクスを通じてコーキスに助言を向けている。また二代目ミリーナには封印される前から自分の記憶を共有させていたが、ミリーナは自分の中のゲフィオンの記憶がかなり曖昧である事に疑問を抱いていた。二部最終章でイクスが救出され、イクスの代わりに精神体の存在となったビフレスト皇国の鏡士シドニーと共に封印を維持する事になる。
三部ではゲフィオン本人の鏡精カーリャが登場。
実はゲフィオンのカーリャはゲフィオンを犠牲にするアイギス計画に断固として反対していた為、ゲフィオンは魂と記憶と共にカーリャを「切り離した」。その際にゲフィオンの予想以上にゲフィオンの記憶がカーリャに移されてしまったようで、ゲフィオンの記憶を共有していたミリーナの記憶が曖昧だったのもそれが理由である様子。
カーリャ本人は今でもゲフィオンを大切に思っており、ゲフィオンを救うことを目的に動いている。