概要
将棋の駒の1種で(敵味方合わせて2枚)、飛車と並ぶ大駒。初期位置は自陣二段目の右から2マス目。
通常は角(かく)と呼ばれることが多い。「マスの角(かど)に行くから」、「角は象、行は、修行僧」など、由来は諸説ある。
斜め方向なら駒や盤の端にぶつかるまでどこまでも動くことができ、チェスのビショップ(僧正或いは象の意味)と同じ動きをする。
中国将棋の象棋では、象、相(どちらもシャンと発音)に値するが、こちらは、2つ斜め先に行くことができる。ただし斜め先1つ目で駒がある場合は、進むことができない。
味方の駒がなければ16マス動く可能性のある飛車に対して、角はある場所によって8~16マスと変動がある。「攻撃隊長が飛車なら、攻撃副隊長は角」といわれることもある。そのためか、飛車の方がやや優れているようにみえる。入門書での駒の点数表示では、飛車の次に点数が高い。(持将棋の場合の判定点数では、飛車と角行は同じ5点。)
ただし、角には角のよさもある。将棋盤はチェス盤と違ってすべて同じ色のため、斜め方向から向かってくる角の動きはやや読みづらい(チェスのビショップの場合、市松模様の盤上では同じ色のマスにしか動けないため比較的動きが読みやすい)からである。そのため、初手にいきなり角の右上の7六歩に動かす人も多い。まっすぐにしか進めないため中々序盤は前方の2七の歩が邪魔で動かしづらい飛車と異なり、角は序盤で速攻をかけたり、遥か遠方からヒモを付けたりするのにも向いている。
成ると「竜馬」(通称「馬」)になる。元の動きに加え上下左右にも1つずつ動けるようになって弱点が消え非常に強力な駒になる。特に自陣に引き付けた時の守備力は絶大で、金銀三枚分の働きをするともいわれている。